日々の出来事

当院の出来事を紹介します

空気清浄機

2011-07-27 17:49:12 | Weblog
以前から使っていた手術室の空気清浄機が古くなったので入れ換えました。

うちの病院の院内エアは、手術室から引き込まれます。
一番清潔であるべき手術室からエアは院内に誘導されます。
最終的には汚染ゾーンである歯科処置スペースやトリミング室から排出されます。
室内のエアは一方通行にしてあるのですね。

古い空気清浄機は、それはそれでHEPAフィルター付きのよい機械でした。
しかし時代の進歩は、省電力で高機能化、殺ウィルス作用まで付いています。
まるでスマートフォンの進化のようです。

手術室の衛生管理の一環として入れ換えを行い、昨日記入した手術に臨みました。
なんか空気がキレイな気がして、ちょっといい感じでありました。
術後の経過は今のところ順調です。

今日の手術はキツかった

2011-07-27 00:01:17 | Weblog
猛暑の中、日々の診療に奮闘しています。
今日は本来、予約診療日で、私はお休みのはずでしたが、
手術日程の都合上、休日返上で午後はずっと手術に入っていました。

15歳の高齢トイ・プードル、持病に心臓の弁膜症・僧帽弁閉鎖不全があります。
陰部から膿が出てきた、元気食欲がない、と来院されて入院していました。
単純な、よくある子宮蓄膿症かと思ったら状況がかなり違いました。
エコー検査で子宮に大きな腫瘤が見つかったのです。
おまけに左の副腎が半端なく大きい・・・。

クッシング症候群の可能性を検討しましたが、典型ではない。
検査結果から副腎の腫瘍が疑われました。
調べて行くうちに、脾腫、乳腺腫瘍4つ、皮膚の肥満細胞腫一つ、腸骨下リンパ節腫大が見つかりました。

貧血もあって麻酔リスクが高かったので、輸血を行い、今日の午後手術に持ち込みました。
肥満細胞腫、乳腺腫瘍、卵巣子宮摘出、脾臓摘出、左副腎摘出、リンパ節の切除生検を
一括で行ないました。
わんちゃんもよく耐えてくれました。うまくいったと思っています。

内分泌疾患を抱えている高齢な犬や猫の麻酔は、高いリスクが伴います。
今回、かなり慎重になりつつ準備をして臨みました。
ビビっている時は、不思議と何も起きないものなんですね。
輸血の他に、強心剤や鎮痛剤、血圧管理、電解質や血液ガス値の異常の補正など、
ありとあらゆる知恵を総動員して乗り切りました。

たまたま同日・同時間に、飼い主さんのご家族も5時間予定の手術だったそうです。
その手術が終了してから、飼い主さんは手術中のワンちゃんに面会に来てくれました。
少々お待ちいただきましたが、術後の覚醒前の状態で面会していただけました。
やはり犬も「家族」なのです。
どちらの手術もうまくいって何よりでした。
24時間は油断できませんが、今のところ落ち着いています。
一晩、術後管理は続きます。