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今日の手術はキツかった

2011-07-27 00:01:17 | Weblog
猛暑の中、日々の診療に奮闘しています。
今日は本来、予約診療日で、私はお休みのはずでしたが、
手術日程の都合上、休日返上で午後はずっと手術に入っていました。

15歳の高齢トイ・プードル、持病に心臓の弁膜症・僧帽弁閉鎖不全があります。
陰部から膿が出てきた、元気食欲がない、と来院されて入院していました。
単純な、よくある子宮蓄膿症かと思ったら状況がかなり違いました。
エコー検査で子宮に大きな腫瘤が見つかったのです。
おまけに左の副腎が半端なく大きい・・・。

クッシング症候群の可能性を検討しましたが、典型ではない。
検査結果から副腎の腫瘍が疑われました。
調べて行くうちに、脾腫、乳腺腫瘍4つ、皮膚の肥満細胞腫一つ、腸骨下リンパ節腫大が見つかりました。

貧血もあって麻酔リスクが高かったので、輸血を行い、今日の午後手術に持ち込みました。
肥満細胞腫、乳腺腫瘍、卵巣子宮摘出、脾臓摘出、左副腎摘出、リンパ節の切除生検を
一括で行ないました。
わんちゃんもよく耐えてくれました。うまくいったと思っています。

内分泌疾患を抱えている高齢な犬や猫の麻酔は、高いリスクが伴います。
今回、かなり慎重になりつつ準備をして臨みました。
ビビっている時は、不思議と何も起きないものなんですね。
輸血の他に、強心剤や鎮痛剤、血圧管理、電解質や血液ガス値の異常の補正など、
ありとあらゆる知恵を総動員して乗り切りました。

たまたま同日・同時間に、飼い主さんのご家族も5時間予定の手術だったそうです。
その手術が終了してから、飼い主さんは手術中のワンちゃんに面会に来てくれました。
少々お待ちいただきましたが、術後の覚醒前の状態で面会していただけました。
やはり犬も「家族」なのです。
どちらの手術もうまくいって何よりでした。
24時間は油断できませんが、今のところ落ち着いています。
一晩、術後管理は続きます。

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