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日々の出来事

当院の出来事を紹介します

あまり固いものをかじると・・・

2014-12-03 22:48:10 | Weblog
今日はダックスの肛門腺腫瘤の切除と、大型犬のワイマラナーで上顎第四前臼歯の破折歯2本を抜歯しました。

犬の歯並びは「鋏状咬合」といって、ハサミのように歯がズレた噛み合わせです。
獲物とって肉を切り裂き、飲み込むための仕組みなんですね。
ただ固いものを咬んだり咥えたりしてると、応力の関係で歯が欠けてしまう場合があるのです。

今回の抜歯は、やはり固めの棒状のおもちゃをかじっていたら、歯が欠けてプラプラしている・・・、
とのことで来院されました。
右は古い破折、左は新しい破折で、両方とも「平板破折」と呼ばれる状態でした。
場所も一番力がかかるとされている、上顎の第四前臼歯でした。

運良く歯肉の外に破折していれば、一般的には保存修復が可能です。
しかし、歯肉の中に向かって破折した場合は、抜歯が選択されます・・・。
今回は大型犬の平板破折に対する、分割抜歯でした。
心臓にエプスタイン奇形と呼ばれる生まれつきの異常もあるため、
麻酔は特に気を使いました。
なんだかんだと手間はかかりましたが、無事に終了できてよかったです。

固いものを咬ませておけば、歯の汚れが取れる・つかない・・・、
これは明らかに迷信です。
付いた歯石を「溶かす」との商品もネット通販等で販売されていますが、
全く効果はないと考えています。

基本は指やガーゼ、歯ブラシを用いた歯磨きです。
楽な道はない、のが本当のところであります。







元スタッフの結婚式

2014-12-02 23:46:33 | Weblog
11月29日に名古屋にて元スタッフ同士の結婚式があり、参列してきました。

うちにいた獣医師の大塚先生と動物看護師の市橋の結婚式でした。
大塚先生が名古屋のご出身ですので、地元での挙式と披露宴となりました。
当院からは私と家内、看護師・トリマーが3名列席して、祝福をお伝えしてまいりました。

私は新婦側のスピーチを任されました。
新郎側は、大塚先生の母校・東京大学の西村教授がスピーチしてくださいました。
なかなか盛大な披露宴で、名古屋の地域習慣も垣間見え、とても愉しく過ごせました。

前日入りして、午後からはこもってスピーチの原稿を詰めていました。
15分くらいのイメージで考えていたのですが、依頼の紙が出てきて

 「3分程度でお願いします」

と書いてあり、5分の1程度に話を圧縮するはめになりました・・。

まあ、確かに披露宴で15分も喋らせませんよね・・・。
何となくそのように思い込んでいただけなんですが。

結局なにをどうお話したのが、緊張していてよく覚えていません。
「お互いに本音で向き合えよ!」
そういう内容で話をさせていただき、「余計なこと」は言わないように努力したつもりです。

はてさて、どう受け取られたやら・・・。
娘を嫁に出したような変な気分です。
まあ、相手が大塚先生では勝てないですが。
おめでたい事なので、祝福の気持ちでいっぱいです。






NHKの「プロフェッショナル」を観て

2014-11-19 11:19:30 | Weblog
録画して観ていなかった、NHKのプロフェッショナルを昨日観ました。

以前、ご講演を聞いた事のある歯科医の熊谷崇先生が特集された番組です。
山形県の酒田市で開業されておられますが、世界的な評価を受けている歯科医師です。

お話を聞いた頃に比べて年齢は重ねていらっしゃいましたが、
その姿勢のよさ、口調の素晴らしさ、熱意を感じられる話っぷりに、
72歳という年齢を感じさせませんでした。

テキトウに済まそうとする風潮に反して、
患者さんのために、社会のために、これからの歯科医師のために、
何かを成し遂げようとするプロの姿勢・意地・責任感を感じました。

自分も、犬猫の歯科医療に力をいれて頑張っています。
保険のきかない自由診療、処置には全身麻酔が必要、歯磨きは飼い主がする、
虫歯はまずない、など、人と犬猫では諸事情が異なっています。
それでも地域社会に影響を与え、後からくる歯科医師のためにレクチャーを行い、
自分を律している姿勢に感銘を受けました。

自分もそこそこ頑張っているな・・・、
そういう慢心が出ると、そこから進歩は無くなってしまいますね。
精進していかなくては・・・、と意を新たにできるくらいのインパクトでした。









ミーティングをして

2014-10-31 23:29:10 | Weblog
昼休み中に、来年のカレンダーや年賀状の文面・内容を検討しました。

今までの会議だと、だれも何も言わない場合がある・・・。
非常に問題だと感じていましたが、どうしていいかもわからない。
それで先月、ファシリテーションのセミナーに参加してきました。

「ファシリテーション」は。ビジネススキルの一つだと考えています。
会議の技法と言い換えてもいいでしょう。

意見を言いやすい、皆で考えたことだという「納得感がある」、
ことが会議では重要かと考えます。
今までは、ついつい上から下への指示・連絡になってしまうことが多いのでした・・・。

誰も何も言わない会議・・・では全く意味がありません。
皆で、ワイガヤで言い合える雰囲気を作り出すこと・・・、
それが私が最近学んだ、会議のコツでしょうかね。





猿の去勢・・・

2014-10-31 00:27:23 | Weblog
今日の昼休み中に、獣医師会のお仕事で白山公園の猿の去勢をお手伝いしてきました。

大きな捕獲用の網を用いて猿の動きを封じ、鎮痛鎮静剤を注射して不動化を得ました。

ライトもない狭い部屋でヘッドライト類を用いて、かなり不自由な状況での手術となりました。

獣医さんが複数人協力しあって、1時間程度で無事に終了することができました。

手術そのものはあまり心配していませんでしたが、やはり慣れない麻酔が一番ストレスだったと感じました。


ESなくしてCSなし

2014-10-28 15:41:10 | Weblog
先週の木曜日に、東京で獣医学とは関係ないあるセミナーに参加してきました。
非常にエキサイティングというか、個人的に刺激になった内容でした。
まだ、その余韻を楽しんでいます。

会場では、たまたま非常に尊敬申し上げている同業の先生の奥様にお会いできました。
数年ぶりに、予期することなくお会いしたので、双方たいへんビックリしました。
あちら様には失礼ですが、興味を持っている方向性が近いのかもしれません。
うちの子が赤ちゃんだった時に、学会の会場で抱いていただいたこともあり、
スマホで最近の写真をお見せしたら(成長に?激変に?)驚いておられました。

スタッフに誇りや自主性をもって、生き生きと働いてもらうために、
我々はどうしたらいいのか・・・。
なんでも、ついつい口を出して教えてしまう・・・、
これでは「本当の学ぶ悦び」を見いだすことはできない、と
講師の先生はおっしゃていました。

 指示しない・命令しない・教えない・褒めも叱りもしない・・・
 それでも人が育つとは!

成長を影で見守る、そういう仕組みを作るのが(社長の)仕事だ、
と話していました。

ついつい熱血指導・徹底指導・手取り足取り指導になってしまう私です。
医療現場では、小さなミスが命に関わりますから、ついつい細かい指導・指示になってしまいます。
それはそれで一定の効果はあると思います。

ただそれだと自主性が発揮できない方も出てくるのは事実のようです。

 「気づきを得る」「自ら学ぶ」「自ら問題を解決する」「先輩の背中をみて育つ」

こういう姿勢が自然になるまで見守り続け、
成長を促す仕掛けを院内に構築していかなくてはならないとわかりました。

自分自身の成長を保つだけでもタイヘンですが、
スタッフの皆が働きやすい・やる気の出る、そういう職場にしていきたいと考えています。

 ES(雇用者の満足)なくして、CS(顧客の満足)なし

ミーティングやスタッフに配った手帳を通じて、意思疎通を図ります。
そしてよりよい職場にしていくことを通じて、
来院される方々に、より満足度の高い動物医療サービスを提供していきたいと思っています。









マインドマップ!!

2014-10-04 00:42:51 | Weblog
木曜日に新横浜であるセミナーに参加してきました。
参加している勉強会の定例会です。

今回のお題は・・・、

    「仕事を愉しくするには何をすべきか?」

でした。

楽しいではなく ・・・「愉しい」
意味合いが違うということが重要なんですね。

4人で1チームだったのですが、うち三人がメモ取りに「マインドマップ」を利用していました。

 「マインドマップ」ってなんですか??

という方もおられるかもしれません。

メモやアイディア確保を箇条書きではなく、樹が枝を伸ばすような絵で書いて記録していく・・・
そんな感じでしょうか。
私もアイディア出しの時には、恥ずかしい絵を書いておりましたが、
他者がいる前でやってしまう勇気は今までありませんでした。

でも今回の同席者たちは強者でした。
周りのことなど気にしていない!
各自が自分のやり方になっていました。

Aさんは、白紙のノートに太字のシャープペンシル、文字の判読は困難、でも早い。
Bさんは、方眼紙の大きなノートを横にして使用、スケッチブックのような使い方で、
四色ボールペンをつかって、細かい字で丁寧に書いておられました。
Cさんは、比較的オーソドックスなマインドマップで、基本通りという印象した。

私?
人前でマインドマップを書いたことはないですね。
正直、議論のレベルも高くて、異次元でありました。
いい刺激になったなあ。


ルルちゃんさようなら

2014-09-24 23:27:53 | Weblog
先日、入院していた馴染みの老猫ちゃんが急変してお亡くなりになってしまいました。
最近、急に寝たきりになっていましたが、22歳・・・呼吸状態の異常で入院していたのです。
朝イチはまだ落ち着いていたのですが、8時前に急に状態が悪化してしまい看取りました・・・。

思えば、開業する前からのお付き合いでした。
カルテを見返したら、初診は20年前の4月、その後マンションの9階から落下、
骨盤骨折をしてしまいましたが助かったのでした。

眼球の病気である、角膜表皮壊死症をやって専門家に手術をしてもらったり、
そのからみで東京まで行ったり、いろんなことがありました。
丸20年間お付き合いいただき、感謝の念にたえません。

こんなに長くお付き合いいただくとは、想像もしていませんでした。
本当にいろいろ教えていただいたと感じています。
勤務医時代から独立開業を経て今の病院への移転など、
その全てにおいて関わってくれていたことになります。

今後、これだけの期間を全うできるケースはまずないだろうと思います。
飼い主さんも本当によくがんばってお世話してくださいましたし、
私たちも徹底的に寄り添ってきました。
一つの時代の終焉を感じずにはいれません。
心からご冥福を祈りたいと思います。 合掌


リンパ腫が続くとは・・・

2014-09-19 23:09:55 | Weblog
先日、体調不良でいらした柴犬のワンちゃん、エコーで不思議な病変が腹腔内に見つかりました。
腹水も微量ながら増加していました。
腫瘍が十分に疑われ、CT検査のできる病院に紹介して検査していただきました。

エコーで私が確認していた病変は、リンパ節の一部だったらしく、
腹腔内にある複数のリンパ節が腫大していたようです。
その時に実施した細胞診の結果が、今日届きました。
悪性のリンパ腫でクローナリティはT細胞性であり、ステージは5b と判断されました。
専門家が血液を見ると、少数ながらリンパ腫の細胞が末梢血にも出ていたもようです。

抗がん剤による化学療法の適応なのですが、ご家族からは費用的に一番良さそうな方法は選べないと聞いています。
自由診療である動物病院の辛いところですね。
少しでも快適に過ごせるように、できる限りの手を講じたいと考えています。

他方、風邪のような症状を引きずっていた猫に、鼻腔内リンパ腫が確認されてしまいました。
小さい頃から鼻風邪のような症状は引きずっていたみたいです。
7月の検査ではレントゲンとCTで、気管支肺炎が疑われていました。
鼻腔内に腫瘍性の変化は確認されませんでした。

その後の対症療法では完全に良くはならず、先日鼻の中を調べていたら腫瘍細胞が出てしまいました。
今日、専門家の判断が届き、鼻腔内リンパ腫と確認されました。
肝臓の一部にも小さなしこりがあるし、気管支肺炎の所見も続いています。
鼻腔が原発なのか、肺や肝臓が原発なのか・・・、どれかが転移なのかは判断困難です。

体調がすっきりしない場合や診断がはっきりしない場合は、
発熱が続く場合や貧血などでは、やはり腫瘍を疑ってしまいます。
特にリンパ腫は多いですね。
抗がん剤や放射線治療が適応なのですが、費用やリスクのからみから、
誰でも受けさせてくれる治療方法ではないのが実状です。

治らないとしても、できる限りの手は尽くしてあげたいといつも思っています。