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あまり固いものをかじると・・・

2014-12-03 22:48:10 | Weblog
今日はダックスの肛門腺腫瘤の切除と、大型犬のワイマラナーで上顎第四前臼歯の破折歯2本を抜歯しました。

犬の歯並びは「鋏状咬合」といって、ハサミのように歯がズレた噛み合わせです。
獲物とって肉を切り裂き、飲み込むための仕組みなんですね。
ただ固いものを咬んだり咥えたりしてると、応力の関係で歯が欠けてしまう場合があるのです。

今回の抜歯は、やはり固めの棒状のおもちゃをかじっていたら、歯が欠けてプラプラしている・・・、
とのことで来院されました。
右は古い破折、左は新しい破折で、両方とも「平板破折」と呼ばれる状態でした。
場所も一番力がかかるとされている、上顎の第四前臼歯でした。

運良く歯肉の外に破折していれば、一般的には保存修復が可能です。
しかし、歯肉の中に向かって破折した場合は、抜歯が選択されます・・・。
今回は大型犬の平板破折に対する、分割抜歯でした。
心臓にエプスタイン奇形と呼ばれる生まれつきの異常もあるため、
麻酔は特に気を使いました。
なんだかんだと手間はかかりましたが、無事に終了できてよかったです。

固いものを咬ませておけば、歯の汚れが取れる・つかない・・・、
これは明らかに迷信です。
付いた歯石を「溶かす」との商品もネット通販等で販売されていますが、
全く効果はないと考えています。

基本は指やガーゼ、歯ブラシを用いた歯磨きです。
楽な道はない、のが本当のところであります。







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