ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

Water Dog Lake Park

2016-08-07 21:04:40 | 生活
 Water Dog Lake Parkは、ベルモント市の市立公園だ。ラルストン通りを太平洋方面へ走り、エルカミノ通りを跨ぐと、ベルモント市の小さなダウンタウンを抜けて丘を登り始める。そうしてしばらく行くと、風があきらかに太平洋からの涼しくて強いものになり、「お、もうすぐ頂上だ」と思う手前にWater Dog Lake Parkはある。大きな公園ではないので駐車場はないから、入り口手前かそのずっと手前に路上駐車をする。

この公園の特長は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。

①遊歩道
公園はベイ側と太平洋側を仕切る丘のベイ側に面していて、丘の谷間にある。よって遊歩道から太平洋を拝むことはできないが、丘の上に点在するリッチな人たちの住居やベイエリアの景色を楽しみながら歩けるだろう。メインの道幅は車が通れるくらいに広く、それにいくつかの細い遊歩道が枝分かれしている。そのメインの遊歩道を20分ほど歩くとWater Dog Lakeに到達する。

②Water Dog Lake
Water Dog Lakeは自然湖ではなく、ダム湖であった。ダムといっても下流側に土の堰堤が築かれただけの小さなもので、湖のサイズも5,000平米程度のため池だ。堰堤の端にコンクリートの水路が設置されていて、湖の水位が上昇した場合にはそれを通じて下流側へ放流できるようになっている。ダム湖を一周する遊歩道が整備されていて、20分程度で回れる。雨が降ったときだけ水が流れる乾いた小川が数本あって、木板で橋がかかっている。丘で降った雨がこの小川を通じてWater Dog Lakeに流れてくるという塩梅だ。

③人々
メインの広い遊歩道でマウンテンバイクを楽しむ人々や、単純にウォーキングをしている人たち、さらには湖で何かを釣っている人たちもいて、よく利用されている。また、Water Dog Lakeという名前はここから来たのか、数組の犬を連れた人々が盛土ダムの傾斜を下りて行って、犬を泳がせて遊んでいた。この様子をベンチに腰を掛けて眺めているのも面白い。犬それぞれに水に対する意識が異なり、中には一切泳げずに、楽しそうに泳ぐ他の犬を羨ましそうに見ている犬もいる。

帰りは来た道ではなく、太平洋方面へ走れば92番と合流するからそちらの方がドライブを楽しめるだろう。合流の手前にVista Point があって、連なる丘と雲の向こうにサンフランシスコのダウンタウンがジオラマみたいに見える


合計で1時間程度の気軽なハイキングだ。忙しい独身日本式サラリーマンは週末に食料の調達や洗濯を済ませなくてはならず、なかなか十分な時間がなかったりすることも常だろう。そんなときにはWater Dog Lakeへ出かけて簡単なトレッキングを行い、幼すぎて消えた、帰らぬ夢の面影を、泳げない犬に重ねたりしてみてはいかがだろうか。

コルマ日本人墓地

2016-08-07 18:26:19 | 生活
コルマ日本人墓地は、コルマという町にある日系人用の墓地だ。コルマはデイリーシティの南に位置し、サンマテオ市方面から行くとすると、単純にエルカミノ通りをひたすら北上するだけでいい。101号線から行く場合には、サンフランシスコ国際空港を過ぎたら280号線へ乗り、46番出口でおりるとよい。コルマに近づくと、道は樹木の少ないなだらかな丘を登り始める。そして丘を越えるとその先の広い平地には見渡す限り、延々と墓地が続いていて少し異様な景色だ。コルマ日本人墓地は、その広大な霊園の一角にある。


この墓地の特長は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。

①墓地の概要
主には明治期に“移民”としてこの地に辿りつき、生活した日本人とその子孫の方々の墓地である。今でも子孫の方々の墓地として機能している。概要が記載された看板があり、それを読むと、咸臨丸の乗組員3名の墓や、この地でジャガイモの生産で財をなし、“ポテト王”と呼ばれた偉人などの墓といった、歴史的資料として価値の高いものもあり興味深い。また、この墓地の確保についても随分と紆余曲折があったようで、その歴史についても学べる。

②中の様子
入り口は、墓地の中央部に位置しており、左側は新しく拡張されたエリアのようで、空席が多く、建てられている墓も新しい。右奥には非常に古い墓石が並んでいるが、ところどころ花が手向けられているため、無縁は少ないようだ。中央部の墓は、比較的新しいが、墓石に彫られている故人の生年月日を見ると明治や大正時代のものが多いので、子孫によって建て替えられたのかも知れない。墓のデザインは西洋型が主流で、和型はあまり見られない。また、入り口を入ってすぐ左の建屋は位牌が保管されており、自由に見学できる。

③埋葬された人々
上述したように、墓石には個人名と生年月日と、出身県が彫られていてとても興味深い。特定の県の出身の方が非常に多く、後に調べてみるとまた新たな事実がわかったり、「そういえばその県出身の有名人はキレイな人が多いから、混血が進んでいたのかな」などといった妄想が膨らむ。また、私と同じ出身地から遠い異国へと旅立った方を見つけてロマンを感じたりもする。

④墓地一斉清掃
毎年5月末に、JCCCNC(北加日本文化コミュニティセンター)主催で墓地清掃のイベントがあるので、加州における米国と日本の歴史文化に興味を持つ、独身日本式サラリーマンは参加するとよいだろう。様々なかたちでこの墓地と関わる人が300人程度集まる大型イベントであり、普段は遠い昔のことのように感じる米国加州と日本との歴史を非常に近いものに感じるだろう。清掃後にはミツワマーケットからおにぎり弁当が振る舞われる。

⑤管理されている人?
たまに自身の親戚を探しに来たりする人もあるようだ。墓地の管理をされている方なのか、作務衣を来た初老の男性に「どなたかお探しでしょうか」と尋ねられ、ただの興味本位の訪問であることを伝えるといろいろと説明をいただき、資料も貰った。

独身日本式サラリーマンは、もう一度“移民”について考えてみるといいだろう。その受け入れの是非が議論されている昨今、かつて我々も多くの移民を出していたことに思いを寄せることは少ない。ここで暮らしているかつての移民の今昔を見ることで、何か新しい思想が芽生え、社会に寄与できればポテト王も喜んでくれるだろう。
そして明日をも知れない世界だ。コルマには日本人だけでなく、さまざまな国の墓があり、それぞれに特長があるから、“コルマ墓の万国博覧会”を行って、将来自分が入るべき墓石を選定しよう。