ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

チャペスの牛ホルモン焼き

2021-04-11 06:03:41 | 食材
 牛ホルモン焼きとは牛の腸を焼くものだ。モツの中でも特別にプリプリとした食感、それにジュワジュワと広がる充実した脂肪汁が、30代独身日本式サラリーマンを幸せにする。豚のそれにも似たような効能があるが、残念ながら臭みが強いため、やっぱり牛が良い。だがしかし米国ではこれがなかなか見つからない。以前紹介したとおり、アジア系スーパーマーケットには牛や豚の様々な臓物が売られているものの、何故か牛の腸だけがない。これがとても不思議である。筆者は日曜の昼下がりなどにその理由をひとりで考えているのだが、『牛の腸はソーセージに使われるため、白人系スーパーに大量の需要があるのではないか』というのが今のところの筆者の推理だ。さて、この牛の腸を唯一手に入れることができるのが、メキシコ系スーパーのチャペスなのだ。


この食材の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①チャペスで牛の腸を買う
メキシコ系スーパー、チャペススーパーマーケットの精肉コーナーで、筆者は牛の胃袋や舌などと共に腸が売られているのを発見した。淡いピンク色に輝く細長い腸には、白い脂肪のひだがこびりついていて、食欲をそそる。おそらくこれは小腸で、日本ではマルチョウと呼ばれる部位である。値段は1ドルあたり3ドル程度とかなり格安だ。さて『メキシコ人の皆さんはどのように牛ホルモンを料理して食べているのだろうか』と思って調べてみると、YouTubeでは牛ホルモンタコスが紹介されていた。マルチョウは玉ねぎ、にんにく、オレンジと共に煮込んで臭みを取った後に細かく切り、カリカリになるまで炒めてタコスの具材にされている。



②チャペスの牛の腸を下処理する
チャペスのマルチョウは、牛から切り落としたそのままで売られているため、買って帰ってビニル袋から取り出してみればそれはとても長い。このままでも臭みは少ないし、見た目もきれいなので、十分に洗われているようにも思えるが、いちおう流水で洗ったり、塩をかけてもみ込んだりしてみる。その後はニンニク・生姜、それに酒・醬油・コチュジャン・ごま油などをかけて冷蔵庫でしばらく寝かしておくのだ。そしてミツワへ行き、適当な焼肉のタレも購入する。



③チャペスの牛の腸を焼いて食べる
ホットプレートに少しだけ油を引いて熱を入れる。熱くなったらそこに少しづつ少しづつホルモンを載せる。載せた途端、マルチョウは『ジュウジュウ』と音を立てて縮みあがり、ときどき『ぱちん』と音を立てて中の油が弾け飛ぶ。こいつを箸でつまみ、焼肉のタレにつけて食べるのだ。幸せな脂肪が口中に広がり、噛む度に脳内に幸せ物質がジュワジュワと抽出されているのを感じる。そしてビールをゴクゴク飲むのだ。部屋には濃厚な焼肉の匂いが充満しはじめる。もしかしたら長屋の隣人らに不快な思いをさせているのかも知れないが、30代独身日本式サラリーマンは、普段は物音ひとつ立てずに『じっ』と暮らしている。たまの迷惑は許されるべきというものだ。 日本のガスの焼肉コンロや七輪で焼けば、大量の脂がしたたり落ちて炎が上がり、それがまたホルモン焼きの醍醐味なのだが、それは我慢だ。翌日、流しに放置したホットプレートには革靴を磨くワックスのようなパテ状の牛脂がぼってりとこびりついている。




 さて、コロナウイルスのワクチン接種が広まっている。ワクチンの副作用で死者も若干出ているようだが、職場の雰囲気を見るに“摂取するのが普通”という考えが主流のようだ。しかし筆者のような(基礎疾患が特にない)30代独身日本式サラリーマンは、コロナで死ぬ確率とワクチンの副作用で死ぬ確率がそんなに違わないように思えるので、正直摂取する意味を感じないのだ。だがどうやら“全員が摂取している空間であればマスクをしなくてもよい”というルールができるようで、“摂取は個人の自由意思”とはいいつつも、マスク嫌いな人々からの見えない圧力を勝手に感じてしまう。筆者は鼻毛が出やすいタイプだし、英語を無理に綺麗に発音しようとするとついつい『ヒマツ』が飛びやすいタイプでもあるので、今後もマスク着用も続けたいと思っている。人生は戦いの連続だ、ホルモン焼きで力をつけましょう。

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