ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

祥興海鮮館の豚ガツわさびソース

2024-08-30 12:43:15 | 食材

祥興海鮮館の豚ガツわさびソースとは、サウス・サンフランシスコ(以下サウス・シティ)の中華料理屋、祥興海鮮館で買えるメニューである。2024年は早くも8月が終わろうとしている。3年ぶりに開催されたパリ五輪の閉会式では、トム・クルーズさん(62歳)のサプライズ登場でひと盛り上がりしたそうだ。熱狂や感動の一方で、男女で区別する競技の在り方が揺らぎ始めている。そう、平等への闘いは永遠である。各種スポーツが、格闘技の体重のように男性ホルモン量別に階級が分けられ、メダルの個数が数倍になってしまい、メダルの予算が追い付かずにメダルが小さくなったり、メッキになったりする日も遠くないかも知れない。だが、そんなことよりも今は豚ガツわさびソースだ。

 

 

このメニューの特長は以下のとおりだ。参考にしてほしい。

 

 

①祥興海鮮館

祥興海鮮館は、以前“調理モツ肉”を比較的に安価で提供することで紹介したことがあったので、読者諸氏は既にこの“豚ガツわさびソース”を見つけているかもしれない。筆者は調理モツの豚ガツや豚ミミに夢中で、他のメニューを見なかったのだ。見つけたのは何を隠そうウーバー・イーツがきっかけである。外に出なくても暮らしていけるシステムができた所為で、外に出るのがメンドーな日が増えてしまうのは、独身日本式エセ30代サラリーマンには良くない傾向であるが、致し方がない。

 

 

 

②豚ガツわさびソース

だいたい中華料理で“WASABI”を使用するメニューを筆者は知らない。日本での産地やハウスのCM等から察するに、あれはおそらくかなり温度の低い水で育つ植物であると思われるから、中国のような大河に依存する国ではあまり一般的な薬味にならなかったと思われる。であるから、このメニューを見た時には不思議な気分になったのだ。だが豚ガツは筆者の大好きな食材であるし、ワサビと和えているのを想像すると悪くないので、注文してみることにしたのである。こいつは調理モツ肉のように質量単位の値段ではなく、ひと皿で12ドル程度の商品だったと思う。

 

 

 

③豚ガツわさびソース

そしてこれがいかにも筆者の好みに合ったので、筆者は嬉しくなり、いつものように長屋で一人、デストラーデ選手ばりのガッツポーズを決めたのだった。ワサビの香りはほんのわずかなはあるものの、ボイルされた豚ガツが、ネギとパクチーでほどよく和えられていて、総合的な薬味の強さが豚のうま味とマッチする。そして柔らかくも歯ごたえのあるコリコリした豚ガツを噛み切れば、まるで女人の硬直した乳首を噛み切るかのような、秘めた喜びがあるというものだ。酒に合わないはずがない。

 

 

以降、祥興海鮮館の豚ガツわさびソースは、調理モツにとって代わって筆者のお気に入りとなっている。そして夏が終わる。サウス・シティは8月だというのに冷たい風が山から吹きおろし、外を歩くには長袖が要るほどだ。だから夏が始まった気持ちもない。でも夏は確かに終わる。今年の24時間マラソンの走者は“やす子”という女性のようだ。最近“フワ”という女性からSNSで中傷されて話題になったのだと言う。筆者は、黙々と柔らかくもコリコリした豚ガツを噛み切る。


サリナス・ロデオへ行ってみる。

2024-08-16 03:01:46 | 生活

サリナス・ロデオに行ってみるとは、筆者が2024年の7月にカリフォルニア州サリナスで開催されたロデオ大会へ行った日の思い出のことである。“そういえばロデオを見に行っていない”と思ったのは、数ヵ月前のことだ。ロデオは、ジーパンや野球やアイ・フォンなどと違って、日本ではなかなか体験できないアメリカ文化のひとつだろう。“行けたらいくべきである”と思って、何の気なしに近辺のロデオイベントを調べると、このサリナス・ロデオが出てきた。他にもちらほらとベイエリア近辺でロデオのイベントがあるようだ。ああいったカウボーイのイベントは、てっきりテキサスなどの南部州がメインだと思っていたので、筆者は嬉しくなって“一人で見に行くこと”のリスクも考えずにチケットを購入していたのだった。

 

 

このロデオの思い出は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。

 

 

①大会の概要

“サリナス・ロデオ”と銘打ったロデオ大会は、毎年夏が盛る7月中旬に3日間に渡って開催されている。どうやら1911年から続く伝統ある大会のようだ。開催時間は午後1時から夕方5時半までと、かなりの長丁場である。筆者は最終日の日曜日のチケットを購入していた。サリナスの町へは、ベイエリアからは車で南へ二時間ほど走ることになる。以前サン・ルイス・オビスポ紀行を行ったときに立ち寄ったサリナスは、畑の土埃の匂いと日差しが強く、かなり暑かった記憶があったし、それにロデオは夏のイベントに違いないので、サウス・サンフラシスコであればけっこう寒い半ぞでTシャス姿で出かけてみた。101号線はギルロイを過ぎた辺りから渋滞気味である。まさかロデオが原因ではあるまい。

 

 

 

②いざロデオ会場へ

との予想どおり、156号線と分岐するところで、ほとんどの車がモントレー方向へ進んだので、渋滞はなくなり、ほどなくして大会が行われるサリナス・スポーツ・コンプレックスに到着した。しかし周辺はかなりの混雑で、会場駐車場入り口には車が列をなし、道路を挟んだ正面のショッピング・ゾーンには“ロデオ客の駐車はお断り!”の看板が立つ。歩道にはカウボーイ・カウ・ガールの出で立ちの人々がぞろぞろ歩いている。けっこうなイベントだ。筆者は“一人で見にきたこと”への不安が募ったが、ここまで来て逃げ帰るのも恥なので、会場から少し離れた錆びれた住宅街へ路上駐車し、会場まで徒歩で向かった。この日はあいにく曇天で気温が低く、半そでTシャツだと薄ら寒い。

 

 

 

③会場の雰囲気 その1

まず書いておかねばならないのが、会場の人々の恰好についてである。選手だけなく、観客が皆、カウボーイ・カウガール姿なのである。それは阪神ファンや加茂ジャパンファンなどといった、特定のチームを応援するための装いではなく、ロデオを見に行くための“正装”に近いものであり、日本でいうところの“夏祭りに出かけるときの浴衣”のようなものだろうか。まぁ、カウ・ボーイの方はどうでもいい。なぎら健壱風の恰好の人で溢れているだけである。だが女性は、背中やおっぱい近傍が露わになった衣装の人が多く、特にティーン・ネイジャー・ガールのグループなどがそのような恰好で、やや恥ずかしそうに歩いているのを見ると、30歳独身日本式サラリーマンといえども競技よりもそちらの方が気になるのは生物学的には正常である(はず)。しかし場にそぐわないのは明らかにこちら(“台湾”と書かれた怪しいベースボールキャップ、オカバシの便所サンダル、Tシャツ)なので、必死に見ないようにしながらチラチラ見ることになる。人々にとっては、スポーツというより、パーティーのようなイベントのように見える。

 

 

④会場の雰囲気 その2

その他の会場の様子にもサラリを触れておく。会場の外にはカウボーイ関連のグッズ販売や、ビール・食べ物の露店、それに射撃の出し物やカントリーミュージックライブ、子供用の乗馬コーナーといった、まさにお祭りの様子で、観客と共にゼッケンを付けた競技選手と思しき人々も練り歩いている。思いのほか白人層が多く、ヒスパニック系と半々といったところだ。射撃の出し物は、風船を投げてそれを早撃ちするという、日本では決して見られない恐ろし気な出し物で、それを子供らに見せてキャッキャと喜んでいるファミリーを見ると、文化の違いを感じる。

 

 

⑤競技

競技場は、観客席から練習場のようなグランドを挟んだ向こう側で、結構遠い。それでも選手たちが暴れ馬に乗ったり、逃げる牛を投げ縄で捕らえたりする様子にはなかなかの迫力がある。また、競技を終えた後に牛を牛舎へ追い込んだり、暴れ馬をなだめるためのカウボーイ姿の係員がおり、彼らがけっこう選手よりも目立つのも興味深い。だが、それらの競技が選手の男女別、もしくは馬の雄雌別で繰り返されるだけなので、やや単調である。よって競技の最中には、客席に近い練習場グラウンドで観客を喜ばせるダンス・ショーや馬乗りサーカス、屈強な男チームが牛を追いかけて捕らえてズボンを穿かせる珍妙な競技などが行われ、観客を飽きさせない仕組みになっている。競技と競技の合間には大会のスポンサー企業の旗を振った騎手が会場をグルリと走る様は、相撲の懸賞旗を思い起こさせる。スポンサー社は建設業やトラック運送業、精肉会社など、やはりトランプ候補支持層臭が強めになっている。

 

 

さて筆者は寒いのと、淋しいのと、多少の飽きで、最後のメインの“牛乗り”は見ずに会場を出た。悲しきアジアン・ボーイ、熱々カウ・ガールとのハプニングなど期待するべくもない。帰宅後にビールを飲みつつこのイベントについて調べていると、会場にはかつて太平洋戦争のおりにはバラックが建てられ、日系移民の一時収容所になっていたのだという。本ブログの、イースト・シエラ・ネヴァダの旅の回で紹介したマンザナール収容所へ送られる前に収容されていたのだ。サリナスへは日本から農業従事者が多く訪れ、彼らが真面目に働くせいで、他の労働者が職を奪われてしまい、顰蹙を買っていたようだ。思いがけず、また日系移民と関係のある場所を訪ねたようだ。来年は反米と鎮魂を胸に、なぎら健壱ルックで出かけてみようかな、萩原流行さんルックでもいいかな。以上が、サリナス・ロデオのルポである。


ティラピアの刺身

2024-08-10 13:05:39 | 食材

ティラピアの刺身とは、淡水魚のティラピアを非加熱のまま薄く小さく切り、醤油などの調味料で味を付けて食べるものをいう。それはHマートという韓国系のスーパーで手にはいる。2024年は早くも8月に入り、パリでは3年ぶりの五輪が開催されている。熱狂や感動の一方で、審判制度・方法に議論が起きている。毎度のニンゲン審判による誤審(またはえこひいき)疑惑がある一方で、それを防ぐために導入されたはずのAI審判の是非にも賛否がある。AI技術が、ニンゲンでは気が付けないレベルの判定を行ってしまうので、『えぇ!?今のがオフサイドぉ!?』などとニンゲンの方が困惑する状況になっているのだ。たとえゴールが決まっても、観客は(選手もだが)、AIが『ヨシ!』というまでは安心できない。人にはえてして過剰な知能を必要としない場面があるのだ。よって“空気を読むAI”が望まれる。

 

 

この刺身の特長は以下のとおりだ、参考にしてもらいたい。

 

 

①韓国スーパーには刺身が売っている。

韓国系のスーパーは、日系スーパーのように魚介類の刺身が売ってある。これは中華やベトナム、もしくはフィリピンといった、他のアジア系スーパーではあまり見られないものだ。調べたところ韓国には“フェ”という生食料理があるのだという。“刺身とは『魚のフェ』であり、日本食の刺身の起源は韓国にある”という主張があるそうだ。ちなみにフェは漢字で“鱠(なます)”と書くので、日本語の“鮨(スシ)”由来ではないようにもみえるから、“刺身の起源は朝鮮”というのも、あながち珍説とも言えない。

 



②ティラピアの刺身の発見

しかし韓国スーパーの刺身(もしくはフェ)はやはり高級だ。タイやヒラメの刺身(もしくはフェ)などはパウンド(おおよそ45グラム)当たり25~35ドルなどという大そうな価格で売っているので、吝嗇な30代独身日本式サラリーマンにとっては、よっぽどな祝い事でもなければ買う気がしない。そして祝い事などはまるでないものだから、買わないのだ。しかしそういったブルジョア専用刺身コーナーの中で、“4.99ドル”という目を見張る安価な刺身(もしくはフェ)があった。それがティラピアだったのだ。ティラピアは、アフリカ起源の淡水魚であるが、“フィッシュとはティラピアのことである”と言えるほどに、北米では一般的な食用魚となっている。とはいえ刺身(もしくはフェ)の状態を見たことがなかったので興味が湧き、購入に至った。

 

 

 

③ティラピアの刺身(もしくはフェ)

その見た目は旨そうな白身魚で、皮に近い部分が鮮やかに赤く、様子は真鯛に似ているため期待が高まる。縦長のパックには20切れ程度の刺身(もしくはフェ)が入りボリューミーだ。だがツマは入っていない。これを中華系スーパーで見つけた濃い目の甘醤油にチョイと付けてお口に放り込めば、これがなかなかに美味で、筆者は思わず一人長屋でデストラーデ選手のようなガッツポーズを決めてしまった。臭みが全くなく、さらにほどよく脂が載っていて、ややパサパサ感があるものの、刺身(もしくはフェ)の歯ごたえがちょうどよく、酒に合う。

 

 

 

嬉しくなって調べてみれば、このティラピアは、日本でも“いずみ鯛”と言う名で鯛の代用として売り出されているようだ。とはいえ養殖が盛んになって価格が落ちたホンモノの鯛に押され気味で、普及していないそうだ。さて、“しかしパウンド4.99ドルはいくらなんでも安すぎだ”と思いよくよくラベルを見れば、この価格はパウンド当たりではなく一パック当りの値段である。一パックにはおおよそ0,5パウンドしか入っておらず、パウンド10ドル計算になる。そう、Hマートは商品によって重量当たりとパック当りを上手に使い分け、消費者の目を狂わせているので気を付けたい。スーパーマーケットでは、物事の本質を見通す力が求められる。

 


Torreyaの実

2024-08-04 10:57:29 | 食材

Torreyaの実とは、筆者が見つけた木の実のことだ。ベイエリアの、とあるアジアスーパーの食品コーナーでそれを見つけた。2024年は早くも8月に入り、パリでは3年ぶりの五輪が開催されている。熱狂や感動の一方で、SNSを通した選手らへの悪口(ヒボー・チューショー)が問題になったりしているようだ。SNSがコミュニケーション手段として確立してからは、駅の便所などでの悪質な落書きを全く見なくなったのだから、つまりそういうことである。このブログは対象物を貶めるような記述は避けるように心がけている。というより筆者が嫌悪するものは、もともと記述対象にしていない。しかしどうやら誰も読んでいないようであるから、気にする必要もないようだ。

 

 

この木の実の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。

 

 

①Torreyaの実を見つける。

Torreyaの実は、アジア系スーパーの豆菓子コーナーで発見された。桃屋の“ごはんですよ”の大びんくらいのサイズのプラスチック透明容器に入っている。前面には紫色の小さな四角いラベルが貼られ、白抜きで“TOREEYA 香榧”とだけ書かれている。主張が少ない。ラベルが小さいので透明容器の中がよく見える。そこには見た目はアーモンドと変わりない実がぎっしり入っている。“TOREEYA 香榧とは、アーモンドをどうにかしたお菓子のことだろうか”と思い、手に取って、上部の紫色ラベルに書かれた内容物を確認すれば、それは“TOREEYA”と“Salt”のみであった。どうやらこれは、TOREEYAと言う名の実のようだ。興味を憶え、購入に至った。値段は安くない(10ドル)。

 

 

 

②Torreyaの実

この商品は本当に主張が少ない。上部のラベルには内容物の他には中国産であること、LIAN FENG(蓮峰)社製であること以外には、何も書かれていない。余計な宣伝文句が並んでおらず好感が持てるのだが、結果として本ブログに書ける情報量も少なくなってしまう。LIAN FENG(蓮峰)社についてネットで調べても有用な情報は得られなかった。しかし“Torreya、香榧”に関して調べれば、これは、“カヤの木”の実であることが判明した。榧は“カヤ”と読む。ウィキペデイアさんによれば、種子はやはり“和製アーモンド”と呼ばれているようだ。他にも木材は最高級の碁盤に使われたり、武士の凱旋時に膳に添えられたり、土俵の中央に埋められたりと、日本文化ともつながりの深い植物のようである。

 

 

 

③Torreyaの実を食べる。

プラスチックの蓋を開けて中の実を手に取ってみる。アーモンド色の部分はとても堅い殻であり、この殻を歯で割れば、黄色いブツブツ状の実が現れる。その実と殻の間には、炒った際の焦げなのか黒いカスがあって、それがボロボロとこぼれてくる。ブツブツの実も案外もろく、歯で殻を割ったときに崩れてしまうことが多い。故に食べやすさでいえば落花生に劣るように思われる。だが口に入れると誠に香ばしく、そしてほのかに甘く、歯ごたえもやさしい。酒と共にひとつひとつ大切に食べたい木の実なのだ。嬉しくなった筆者は久しぶりに長屋で一人、デストラーデ選手ばりのガッツポーズを決めたのだった。

 

 

 

“榧”という文字は初めて見たように思う。日本文化と関係が深い植物であれば、“杉”や“松”のように日本人の名字の多くに使われていてもおかしくないものである。調べてみればごくわずかに榧の付く苗字の人があるようだ。同じカヤでも“萱”の方がメジャーな向きがある。ちなみにTorreyaという発音しにくそうな名前は、西洋の植物学者の名に由来するのだそうだ。そうこうしている間に8月の土曜日が終わろうとしている。