ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

ゴーヤ

2016-11-05 11:47:55 | 食材
 ゴーヤは野菜であり、日本人の、特に琉球や九州の人々には古来から愛される食材である。九州の人々の中は“ニガうり”という名で呼ぶ人も見られる。栄養素が豊富なようで、日本の健康番組にしばしば登場し、沖縄の人々の長寿の秘訣ともされているようだ。このゴーヤは、ここベイエリアでは中華系スーパーや、フィリピン系スーパー、はたまたメキシカンスーパーのチャペスでも目にすることができ、そのいくつかの特長から独身日本式サラリーマン諸氏にもお勧めできる。下記を読み、

「○○君、いつも夕食はどうしているの」
「一応、自炊っすね」
「え、すごいね!」
「いや、自炊っていっても大したものじゃないっすよ」
「え、え、何、何」

という、生まれてこのかた、数百回は繰り返したであろうやりとりの後に繋がるフレーズのレパートリーを増やしてもらえれば幸いだ。


この食材の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。

①ゴーヤ
英語では、ビターメロンということになっているので、スーパーの店員にゴーヤのありかを訪ねる場合は「ビターメロンはどこですか?」と尋ねよう。そうして案内されてゴーヤを目にすると、大抵の場合は我々の知っているゴーヤとは少し様相が異なることに気が付くだろう。我々の知っているゴーヤは、まるでゴジラの地肌のようにゴツゴツのツブツブで覆われていて、濃い緑色だ。それに対してこちらのゴーヤは比較的ツルツルしており、緑色も薄く、例えるならガチャピンで、見た目は瓜だ。この違いについて、それが品種の違いなのか、はたまたガチャピンはゴジラになる前のまだ熟していないものなのか、筆者の中では明らかになっていない。ニジヤではゴジラが売られているのを見たことがあり、ダウンタウンのファーマーズ市場ではゴジラとガチャピンが並べて売られているところも見た。


②特長
ガチャピンの、いやゴーヤのよいところは安く、傷みにくく、美味しく、栄養が豊富なところだ。特に傷みにくいという点が、日本式独身サラリーマン諸氏には嬉しい。ただし、もしも中華系スーパー等で既にビニル等で梱包されているゴーヤを購入したらば、すぐに開封し、よく水洗いした後に冷蔵庫に保管しよう。理由は言わないが、それを薦める。そして味について。ガチャピンの味は、ゴジラほど苦くない。だが、苦くないわけではない。ゴーヤの味がする。

③調理法
そんな、苦くないガチャピンの調理方法は沢山あるのだが、一つだけ、最も簡単なものを諸氏に披露しておく。
1.ガチャピンを縦に切り、中の種と白い皮をスプーン等で取り除く。
2.ガチャピンをスライサーで2、3ミリに切る。別に包丁でもいい。
3.切ったガチャピンの水分をキッチンペーパーでよく取る。
4.ごく少量の塩を自分の手に付け、その手でガチャピンを揉む。
 *塩は少しずつ。足りなければ足せばよいが、入れすぎると取り返しがつかない。
5.かつお節を振りかける。

これでよい。さっぱりとしたゴーヤのお新香の出来上がりだ。これは筆者がグッチ裕三氏に教えてもらった調理方法なので間違いはない。そしてこれを試したら、さっきのやりとりはこうなるだろう。

「え、え、何、何」
「あぁ、ゴーヤのお新香ですよ」
「えーすごいじゃん!」
「いや、大したもんじゃないっすよ」
「・・・でもすごーい」

・・・さぁ、30代独身日本式サラリーマン諸氏も、このビターメロンで季節外れの夏バテ対策といきましょう。

ポイン・トレイズ国定海岸

2016-11-05 09:31:32 | 生活
 ポイント・レイズ国定海岸は、マリンカウンティーに位置する国定海岸だ。ヨセミテやニューメキシコのホワイトサンズ、モアブのアーチーズのようにNational Park、つまり国立公園には指定されてはいないようで、英語ではNational Seashoreとされている。和訳する場合、天然の海岸であるため“国立”海岸というよりは、“国定”海岸とした方が適切であると考える。ベイエリアから金門橋を渡り、北上すると2時間かからない程度でたどり着ける風光明媚な場所であり、独身日本式サラリーマンが休日に訪れるにはぴったりな場所なので、ここで紹介することにした。


この海岸の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①目的地までのドライブ
ナビにポイント・レイズ国定海岸のビジターセンターを入力したら、一体どちらが機械で、どちらがニンゲンなのか不安になりながら、話しかけてくる機械に無言で従って北上する。金門橋を越えてしばらく右側に湾を望みながら進むと、急に曲がりくねった山道を登り始める。山道はやがて下りになり、こんどは左側に入り江や砂州が発達した水辺を眺めつつ、ほぼ水面を走るような低い道路を走ることになる。ここは景色がよい。その道を北上すると目的地へとたどり着くだろう。短いドライブではあるが、様々な景色が楽しめて心が動かされ、決して機械に支配されない自分を感じることができる。

②ビジターセンター
言い忘れていたが、この国定海岸は、景色を楽しみつつハイキングやキャンプを楽しむエリアになっている。このビジターセンターを起点として沢山のコースが整備されているので、そのうちのどれかを選ぶのだが、そのためには地図を手に入れなくてはならない。ここで注意して欲しいのが、ここのセンターで無料で手に入る地図は非常に不親切であるということだ。わかりにくく、これでは不安でハイキングにならない。そして優良な地図が有料で売られているのでこれを買う羽目になる。さぁ、センターでトイレを済ませ、ピーナッツを買って、水筒に水を汲んで出発だ。エリア内は携帯の電波がない。機械とはおさらばだ。

③ハイキング
ビジターセンターは海岸線から離れたところにあるので、ハイカーたちは皆、海を目指してまずは西方向の共通の大き目のトレイルを進む。そしてやがて現れるそれぞれの分岐点で、迷いの中立ち止まるけど、それぞれが選んだトレイルを選択してまた歩きだす。海岸線へ出るのに思ったより時間がかかり、「海はまだか」と思ってしまうちょうどその時に、海は現れるだろう。海岸線は断崖になっていて、断崖の上を海岸線に沿って延々と歩く道になる。この道が、よくインターネット等で見られる光景の道であり、たくさんのハイカーたちとすれ違い、「ハロー」などと声を掛け合う。ところどころに砂浜へ下りられる道があり、そこは静かな綺麗な小さなビーチで癒される。

④ホエールウォッチング
この海岸のハイキング以外のもうひとつのだ醍醐味が、クジラと出会えるということだ。
季節にもよるだろうから、見られる時期を確認して欲しい。探さなくても、周りを歩くハイカーたちが「あっち、あそこよ!」と呼び掛けてくれる。遠くで潮が噴きあがり、クジラがヒレを水面に突き出して水面をたたく、そしてその後少し遅れてその音を聴くことができる。


 この海岸線を北上すると、ところどころにビジターセンターへ戻る東向きのトレイルがあるが、「もう少し」、「もう少し」と進んでいくとやがて車でも来られる大きな砂浜公園に出る。そうなるともう4~5時間も歩いており、引き返すには遠くまで来すぎてしまっている。でもその砂浜の波打ち際を裸足で歩くと、長いハイクで疲れた足が癒されるので、さらに歩いてしまう。そしてついには帰れなくなる。でも大丈夫だ。ビーチで遊ぶ人々は皆親切で、ヒッチハイクでビジターセンターまで連れて行ってくれる。人はナビなど無くても助け合い、支え合いながら目的地まで行けるのだ。親切な若夫婦は、カーナビでビジターセンターの位置を調べて、筆者を連れて行ってくれた。

賢明な日本式独身サラリーマン諸氏は、引き返す勇気を常に持つことだ。人生の折り返し地点はもうすぐそこだ。