タンポポとは、キク科タンポポ属植物の総称である。改めて考えれば珍妙な名前である。“きっと外来語由来であろう”と思い調べたところ、どうやら自国語のようだ(語源の説がウィキペディアに載っているので、興味のある30代独身日本式サラリーマンは参照されたい)。そして英語では“ダンデ・ライオン”というなかなか格好いい名前を持つ。筆者のこれまでの人生経験では、このタンポポはニンゲン界では“雑草”に分類されており、小児らが綿毛で遊ぶ以外には用にならないものだと思っていた。しかし北米のスーパーマーケットの野菜コーナーに、“ダンデ・ライオン”が売られていることを見つけたので、ここで紹介したい。
この食材の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。
①アヤール・プロデュース・マーケット
タンポポの葉は、アジア系スーパー(ベトナム系・韓国系・フィリピン系・中華系・日系)では売られていない。どうやらアレは雑草であって食べ物ではないという考えは、東アジア共通のようだ。筆者がタンポポの葉を見つけたのは、サウス・サンフランシスコの小さな中南米系スーパーの“アヤール・プロデュース・マーケット”だ。町工場のような建屋が並ぶエリアの小汚い運河沿いにあるスーパーで、狭苦しい駐車場に難儀する場所である。野菜コーナーの上部の棚に束されて売られている。
②タンポポの葉
アヤール・プロデュース・マーケットで売られているタンポポの葉は、形状は筆者の知るところのタンポポの葉に近い。細長く、ギザギザしている。しかし手に取ってみると思いのほか大きく、中央の葉脈のしなやかで力強い感触に驚く。それに色が濃く、日本の河川敷や誰もいない児童公園などで咲いているものとは少し品種が違うようにも思われる。とはいえ目下、40代独身ファイヤー民を目指している筆者は、引退後は雑草などで飢えを凌ぐ必要も出てくることも想定し、今のうちからタンポポ食に慣れておくのも悪くない。そう思い購入に至った。値段は1束2ドル強と、雑草としては高級である。
③タンポポの葉を調理する。
こういった雑草はたいていの場合灰汁が強いので、長めに茹でておひたしにするのが定石である。筆者はグラグラ煮たてた鍋にタンポポの葉を放り込み、4,5分ほど茹でてみた。しかし湯の色はほうれん草ほどには緑化せず、ほのかに緑茶のような香りがしてくる。茹で上がったタンポポの葉を切り刻んで、これも定石の、“ゆかりふりかけ”で和えて冷蔵庫に入れておいた。そして夕食時に取り出して食べてみると、これがなかなか旨い。滋味とも呼べる範囲の苦味と繊維が心地よく、ゆかりの香りともマッチしている。筆者は一人長屋で、レスリングの小林孝至さんばりのガッツボーズを決めたのだった。因みにサラダで食べても十分美味しいです(マヨネーズとの相性がよい)。
またもやウィキペディアさんを頼れば、タンポポは欧州(特に東欧や中東)では比較的一般的な食べ物のようで、スロベニアでは人気との記載がある。今回タンポポを発見したたのも、一応スペイン語圏の中南米系スーパーであるし、西洋人の方が雑草食文化があるのだろうか。最近はめっきり米国の普通のスーパー(セイフウェイやホールフーズ等)には行かなくなったので、そちらのスーパーにも調査に出かけてみる必要がある。また、日本でも若葉をおひたしにしたり、根をきんぴらにしたりしているとの記載がある。タンポポの根はまだどこのスーパーでも見かけない。ファイヤーに向け、さらなる調査が望まれる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます