ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

ポイン・トレイズ国定海岸

2016-11-05 09:31:32 | 生活
 ポイント・レイズ国定海岸は、マリンカウンティーに位置する国定海岸だ。ヨセミテやニューメキシコのホワイトサンズ、モアブのアーチーズのようにNational Park、つまり国立公園には指定されてはいないようで、英語ではNational Seashoreとされている。和訳する場合、天然の海岸であるため“国立”海岸というよりは、“国定”海岸とした方が適切であると考える。ベイエリアから金門橋を渡り、北上すると2時間かからない程度でたどり着ける風光明媚な場所であり、独身日本式サラリーマンが休日に訪れるにはぴったりな場所なので、ここで紹介することにした。


この海岸の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①目的地までのドライブ
ナビにポイント・レイズ国定海岸のビジターセンターを入力したら、一体どちらが機械で、どちらがニンゲンなのか不安になりながら、話しかけてくる機械に無言で従って北上する。金門橋を越えてしばらく右側に湾を望みながら進むと、急に曲がりくねった山道を登り始める。山道はやがて下りになり、こんどは左側に入り江や砂州が発達した水辺を眺めつつ、ほぼ水面を走るような低い道路を走ることになる。ここは景色がよい。その道を北上すると目的地へとたどり着くだろう。短いドライブではあるが、様々な景色が楽しめて心が動かされ、決して機械に支配されない自分を感じることができる。

②ビジターセンター
言い忘れていたが、この国定海岸は、景色を楽しみつつハイキングやキャンプを楽しむエリアになっている。このビジターセンターを起点として沢山のコースが整備されているので、そのうちのどれかを選ぶのだが、そのためには地図を手に入れなくてはならない。ここで注意して欲しいのが、ここのセンターで無料で手に入る地図は非常に不親切であるということだ。わかりにくく、これでは不安でハイキングにならない。そして優良な地図が有料で売られているのでこれを買う羽目になる。さぁ、センターでトイレを済ませ、ピーナッツを買って、水筒に水を汲んで出発だ。エリア内は携帯の電波がない。機械とはおさらばだ。

③ハイキング
ビジターセンターは海岸線から離れたところにあるので、ハイカーたちは皆、海を目指してまずは西方向の共通の大き目のトレイルを進む。そしてやがて現れるそれぞれの分岐点で、迷いの中立ち止まるけど、それぞれが選んだトレイルを選択してまた歩きだす。海岸線へ出るのに思ったより時間がかかり、「海はまだか」と思ってしまうちょうどその時に、海は現れるだろう。海岸線は断崖になっていて、断崖の上を海岸線に沿って延々と歩く道になる。この道が、よくインターネット等で見られる光景の道であり、たくさんのハイカーたちとすれ違い、「ハロー」などと声を掛け合う。ところどころに砂浜へ下りられる道があり、そこは静かな綺麗な小さなビーチで癒される。

④ホエールウォッチング
この海岸のハイキング以外のもうひとつのだ醍醐味が、クジラと出会えるということだ。
季節にもよるだろうから、見られる時期を確認して欲しい。探さなくても、周りを歩くハイカーたちが「あっち、あそこよ!」と呼び掛けてくれる。遠くで潮が噴きあがり、クジラがヒレを水面に突き出して水面をたたく、そしてその後少し遅れてその音を聴くことができる。


 この海岸線を北上すると、ところどころにビジターセンターへ戻る東向きのトレイルがあるが、「もう少し」、「もう少し」と進んでいくとやがて車でも来られる大きな砂浜公園に出る。そうなるともう4~5時間も歩いており、引き返すには遠くまで来すぎてしまっている。でもその砂浜の波打ち際を裸足で歩くと、長いハイクで疲れた足が癒されるので、さらに歩いてしまう。そしてついには帰れなくなる。でも大丈夫だ。ビーチで遊ぶ人々は皆親切で、ヒッチハイクでビジターセンターまで連れて行ってくれる。人はナビなど無くても助け合い、支え合いながら目的地まで行けるのだ。親切な若夫婦は、カーナビでビジターセンターの位置を調べて、筆者を連れて行ってくれた。

賢明な日本式独身サラリーマン諸氏は、引き返す勇気を常に持つことだ。人生の折り返し地点はもうすぐそこだ。

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