HELEN MERRILL
私は、この女性歌手を知らなかった。
なぜこのレコードが私の手元にあるかといえば
トランペットがブラウニーだからである。
ブラウニーことクリフォード・ブラウンは
1956年に自動車事故で25歳の若さで死んでしまった。
このアルバムが録音されたのは1954年
ブラウニーが23歳の時である。
1953年にはヨーロッパを巡演し話題と人気を独占したという。
テクニックの面でもブラウニーは、すでにマイルスをしのぐ存在になっていたという。
伸びやかに良く歌うトランペットから想像するに
彼は、マウスピースに唇を押し付けないで演奏するタイプではないかと、
残念ながら限られた数しかレコーディングしていないので、レコードの入手はかなり難しい。
ヘレン・メリルは1929年生まれ、
このアルバムを録音した時は25歳である。
乾いたハスキーな声はもっと年配かと思った。
マイルス・デイビス、バド・パウエル、J.J.ジョンソンらの伴奏で歌ったときにジャズに目覚めたという。
これをレコーディングするに当たって
クリフォード・ブラウンをソロイストに加えること
クインシー・ジョーンズにアレンジと指揮をとってもらうこと
を条件にしたという。
どの曲も良いのだが、A-2
YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO とA-3
WHAT'S NEW
の2曲を挙げておこう。