読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

いかにもロシア的な、「12人の怒れる男」(ロシア/2007年)

2009-01-27 05:29:40 | 映画;洋画
原題:12
監督:ニキータ・ミハルコフ
脚本:ニキータ・ミハルコフ、ウラジーミル・モイセエンコ、アレクサンドル・ノヴォトツキー
音楽:エドゥアルド・アルテミエフ
撮影:ヴラディスラフ・オペリヤンツ

~ロシア人将校である継父を殺害した容疑にかけられたチェチェン人少年の裁判が開始。隣人の目撃証言や物的証拠などから、当初は明らかに有罪だと思われていた事件だったが、いくつか腑に落ちない点があった一人の陪審員(セルゲイ・マコヴェツキー)が、ほかの陪審員に疑問を投げ、審議は二転三転し始める。(シネマトゥデイ)~

シドニー・ルメット監督の1957年の「十二人の怒れる男」(原題:12 Angry Men)と区別するためでしょうか、本作は英数字になっていますが、内容もいかにもロシア的。様々な地域の民族が登場しますね。アメリカ映画をロシアでリメイクするということに隔世の感があります。1991年の三谷幸喜さんの戯曲を映画化した中原俊監督の「12人の優しい日本人」もいかにも日本人的な作品ですが、本作もロシア的な味付けになっていますね。医者のナイフ捌きは圧巻でした。

<映画「12人の怒れる男」オフィシャルサイト>
http://www.12-movie.com/

私はまだ本家の作品を観ていないのですが、本作がこの本家に忠実なストーリー展開であったとするならば、人間心理の揺れ動きの妙味を描いている点、原作にはない女性を登場させている点では「12人の優しい日本人」の方に軍配をあげたいところです。本家の作品については、平野晋さんの詳細な研究や関連サイトが勉強になります。

<徹底研究十二人の怒れる男>
http://www.fps.chuo-u.ac.jp/~cyberian/12AngryMen.advcd(1)html

(本家)<12人の怒れる男特集>
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Cinema/3769/12sp.html

本家の原作者レジナルド・ローズ(1920-2002)。1950年代からテレビドラマで活躍した作家なんだそうですが、こんな人です。

<Reginald Rose - Wikipedia>
http://en.wikipedia.org/wiki/Reginald_Rose


さて、ロシア映画について観る機会が少ないので、スタッフ、キャストについて知る機会も少ないわけですが、ここでは監督のニキータ・ミハルコフ氏についてだけ取上げることにします。

ニキータ・セルゲイビッチ・ミハルコフ(Nikita Sergeyevich Mikhalkov、1945年 - )は、「ロシア・モスクワ出身の映画監督・脚本家・俳優である。父親は作家であり、ソヴィエト国歌およびロシア国歌作詞者のセルゲイ・ミハルコフ、母親は詩人という芸術一家に生まれる。 兄のアンドレイ・ミハルコフ=コンチャロフスキーも映画監督である」。

「子供の頃からモスクワ芸術座で演技を学ぶ。まだ学生であったときにゲオルギー・ダネリヤの『私はモスクワを歩く』に出演。その後兄アンドレイの作品にも出演するなど、俳優として活動していたが、映画製作に興味を持つようになり、全ロシア映画大学に入り、ミハイル・ロンムの元で学んだ。1968年にはじめての短編映画を監督。1976年の『愛の奴隷』はアメリカでも上映されて高い評価を得た」。(ウィキペディア)

関連記事;
「十二人の優しい日本人」(日本/1991年)と「十二人の怒れる男」(アメリカ/1957年)
(2006-10-22)


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