読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

「気高き日本人と闇の権力者たち」(中丸薫著/文芸社)

2006-09-16 23:33:05 | 本;ノンフィクション一般
第一章 疑惑だらけの9・11テロ
第二章 アメリカの大統領選挙のひどい実態
第三章 緊迫を強める中東とアジア
第四章 アジアへ飛び火する緊張
第五章 日本国民もだまされている
第六章 国連やバチカンと闇の権力
第七章 米政権に危機!世界は変わる!

十数年前に廣瀬隆氏の「赤い盾」を読んだ。これはロスチャイルド家の閨閥を細かに研究し、彼らがいかに世界を牛耳ってきたかを詳述した力作。中丸氏はこれにロックフェラー家らを加えた勢力を「闇の権力者たち」とする。具体的には以下のグループを指す。

1)国際金融財閥・国際銀行家のマネーパワーによって形成された国連、多国籍企業、各国の中央銀行、軍産複合体
2)ヨーロッパの王家や欧米の白人富豪家系が形成するビルダーバーグ・グループ
3)外交問題評議会(CFR)
4)日米欧三極委員会(TC)

本書は「9・11テロ」を中心に書かれ、共和党ボブ・ドール氏の元シニア・アドバイザーであり、米政界の内部事情に大変詳しい弁護士スタンリー・ヒルトン氏が代表役を務めるグループがブッシュ大統領を「9・11テロを自作自演した」として訴ったえことを紹介している。

「9・11テロに関しては、アメリカでは報道規制が行われた感が強いが、米政府に対して疑問を持った人々も多く存在した。そこで、上院に対して9・11テロにまつわる不審点の調査を求め、請願書への署名運動も行われた。インターネット上では、2006年6月現在で、約3万人の署名が集まっている。この請願書では、2001年9月11日に起きた同時多発テロに関して、次の12の疑問点を含めて、徹底的な調査と説明を要求している」。

1)9・11の直前にユナイテッド航空とアメリカン航空の株式が大量に空売りされた件
2)9・11の直前にWTCを通じて1億ドル以上の電子取引がなされた件
3)9・11で墜落した4機のブラックボックスの記録公開
4)ハイジャックされた航空機から乗客がかけた携帯電話による通話料が、請求書に記載されていない件
5)9・11当時勤務についていた航空管制官へのインタビュー内容
6)目撃者が、93便が墜落する前に空中爆発した詳細を証言していること
7)93便の墜落現場から約7マイル離れた地点まで機体の破片が広範囲に散乱したこと
8)2001年以前から計画が進んでいた、アフガニスタンにまたがる石油パイプラインの建設推進におけるユノカル社の役割
9)2001年以前から計画が進んでいた、アフガニスタンにまたがって石油パイプラインを建設しようとしているユノカル社の事業におけるカーライル社の役割
10)9・11のハイジャックと墜落において利用された遠隔操作ソフトウェア技術の役割
11)ジョージ・W・ブッシュ大統領が9・11攻撃を事前に知っていた可能性について
12)米国の軍事介入後、アフガニスタンの生産が爆発的に増加したことにおける北部同盟の役割

その他の疑惑として次の点があげられている。
1)世界貿易センタービルは飛行機もろとも爆発、大炎上したにかかわらず、事件直後、「犯人」とされるアラブ人のパスポートが「発見」された。
2)国防総省(ペンタゴン)と世界貿易センターに勤務していた4000人が事件当日、有給休暇をとっていた。
3)世界貿易センタービルにあるモルガンスタンレーに勤務する3500人のうち、行方不明者は5人だけだった。また、ゴールドマン・サックスの社員には事前に警告Eメールが届いていた」。
4)事件直後にボストン空港の駐車場に停めてあったレンタカーから、アラビア語の飛行機操縦マニュアルが「発見」された。(飛行機は低空で機体を急旋回させるという高度な技術、相当の操縦経験が必要とされる離れ業をやってのけたのに、「犯人」は直前までマニュアルを見ていたとでもいうのだろうか?)
5)イスラエルのシャロン首相は、アメリカ東海岸への訪問を直前にキャンセルしていた。
6)テロリストなら必ず「犯行声明」を出して自らの力と存在を誇示するのに、9・11テロでは、パンジャブの弱小地下組織の「犯行声明」が出されただけだった。

世界的規模で確実に蔓延し、憎悪と対立の連鎖を煽る「闇の権力者たち」。その行く末は、彼らが待望するハルマゲドンである。しかしながら著者は希望を持って次のように言及する「そのような時代であればこそ、いかなる宗教にも受容的でかつ経済大国として世界にとどろかせている日本が、憎悪と対立の連鎖を断ち切る国として、使命を果たすべきだと強く思う」。


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