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☆フェアリーベルの暖輪室☆・・・♪京都風日和♪

時空のキラメキのなかで、感性を研ぎ澄ませ、
吹く風のままに・・・ちょっと不思議な話も・・・ 

ショパンの調べ

2010-09-17 01:38:00 | アートライフ
 空が変わり始めた。
 雲が秋の顔を見せている。
 風が通り始めた。
 やっとやっと・・・

 伊丹のアイフォニックホールで今年生誕200年のショパンを聞く。
 ピアノコンサート”田尻洋一のショパン”!!
 今回はもちろんオール・ショパン・プログラムだ!

 始まりは「華麗なる大円舞曲」!
 ショパンの人柄や人生を少し織混ぜて進んでいく。
 やさしいでもショパンらしさを出した「子守唄」
 バラード、どの曲も耳にしたことがある前奏曲集イ短調、「雨だれ」等々
 歯切れ良いリズム、軽やかさと迫力と繊細さ、超絶技巧のピアノが響く・・・
 身体に響く、心の深遠に響く・・・

 田尻さんらしさ溢れる「別れの曲」
 そして大好きな「革命のエチュード」・・・

 ショパンの生涯の「ショパンらしさ」は
 生来のショパンの気質に負うところが大きいと思っていた。
 ポーランド生まれと言うこともそれなりにあるとは思っていたが・・・
 
 ずーっと占領下にあった祖国ポーランド、父は革命軍の大佐だったという。
 迫害を受け虐げられて、理不尽なことを強いられる日常・・・
 占領軍の兵士に乱暴され、湖に身を投げる少女が後を絶たない・・・
 そんな出来事が日常的に身近で起こる・・・
 その才能を期待され、名を上げることで「祖国」に
 貢献したいと言う切なる想い・・・
 また多くの人々の期待も背負って・・・

 そんな切なる思いが、時を刻む人生が
 素晴らしいピアノ曲を生んでいく・・・
 しかし思うように進まない苦悩の生涯
 重く苦難に満ちている部分が多くても仕方が無い。
 本来軽やかな遊び心が楽しい「スケルツォ」さえも、
 ショパンのそれは恐怖や幻覚に満ちた熱情を伴って響く・・・
 
 でも、「ノクターン」はどの曲も何処までも優しく
 哀愁に満ちてなお華麗で美しい・・・
 今回は8番を初めて「生演奏」で聞いたが素晴らしかった!!
 マズルカやポロネーズは圧巻!!・・・
 
 これこそ「ピアノ」!!これこそ「プロ」、これこそ「ピアニスト」!!
 何度もため息・・・
 何度も感嘆符!!!
 満ち足りたショパンな時間・・・
    
                  
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虫の声和して・・・法然院コンサート

2010-09-06 00:38:04 | アートライフ

銀閣寺道から鹿ヶ谷に向かって上っていくと
緑が辺りを覆い始め林が広がる。
涼しさがグーンと増す。木漏れ日が美しい。
空気も爽やかさを増す感じだ。

今夜は友人の音楽家Y夫妻のコンサートが
「法然院」で行われる。
手伝いも兼ねて夕方前に・・・
「哲学の道」などちょっと散策したいものだが
この暑さではその気力が出ない。

法然院では檀家の人たちだろう
この暑さの中清掃活動をされていた。
守られた来た自然と歴史が
美しく調和を見せるこの寺院。
長く多くの人の手が常に入ってのことだろう。
今日は住職の講話も行われていた。

本堂でのコンサートや展示会
ギャラリースペースのお堂での展覧会
打ち合わせ等何度も訪れたことがある。
苔むしたお庭、茅葺の正門、整えられた中庭の風情
時おり高く響く鹿威しの音・・・
鹿ヶ谷の守られた自然と相まって
独特の素晴らしさが受け継がれている場所だ。
「共生き堂(ともいきどう) =法然院森のセンター」もおかれている。

コンサートの行われる講堂は開け放たれているが
エアコンが無い。
扇風機は置いてあるがシンセやスピーカー等機械物を
多く使うので電源の関係で使えない。
準備中も暑いことは暑いが耐えられないことは無い。
同じ京都市内ながら市街とは5度以上違うだろう。

今日のコンサートは熊野修験を撮ったの写真展と
連動して行われたので和歌山から来られた那智山・青岸渡寺の
修験者の方々の法螺貝から始まった。
開け放たれた左右のお庭からさまざまな虫たちが
法螺貝に合わすかのように声を限りに鳴き始めた。
 
コンサートの間中時にはシンセサイザーに合わせ
ギターに合わせボイスパフォーマンスに合わせ・・・
音楽が強く響くと虫の声も一段と大きくなる。
トークの時は虫たちも静かだ。

蝉はチェンソーの音にも集まってくると聞いた。
振動の問題だろうか。
和歌の披講にも反応して虫たちが声を合わせることは
信州で実際に体験したことがある。

時折、鹿威しの音が響く。
半分は演奏を聴き、
半分はさまざまな虫(ひょっとして他の動物も?)たちの
合唱に耳を傾ける不思議な体験の音楽会になった・・・
時に大きく時に小さく演奏と相和した
さまざまな虫の声を聞くことができた。
ちょうどお庭のそばに座っていたことがよかったかも・・・
 
時として心地よい夜風が吹き過ぎる。
真夏の暑さの中でも
秋の気配が漂う法然院ならではのコンサート・・・

ここは「オコジョ」も「ムササビ」も住み続ける森。
京都にあって昔ながらの自然が守られた不思議の森・・・
何処からか精霊たちのささやきも聞こえてきそうな気配・・・

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和して響く・・・星と森国際短歌大会

2010-07-30 00:01:53 | アートライフ
今年で12回目を迎えた「星と森国際短歌大会授賞式」。
大賞歌等の披講が何といっても楽しみだ。
東京・神楽坂の日本出版クラブ会館。
 
厳かな雰囲気で静まった会場
35度を超える暑さも忘れる。
男性6人による披講、今年は国際短歌大会らしく
披講に西洋人が含まれている。

今年の歌題は「逢ふ」。
今年は星と森大賞と副賞1首が選ばれた。
この会は無言のうちに進められる。
前に「松」がおかれ「和歌の神様」と言う設定。

披講が始まる。
事前に入賞歌等の配布はないので
「披講」されてはじめて知ることになる。

まず副賞から
 
 パラソルは白を選びて逢いに行く五月の空を味方に付けて

気持ちの良い歌だ。映像が浮かぶ。
5月の明るい日差しと萌える緑の中を
足取り軽やかに、ちょっと強気の白いパラソルが行く。
柔らかに香る風と抜けるような青空・・・
「わたしも短歌を詠ってみたいなあ」という
気にさせてくれる素敵な力がある。

大賞歌の披講が始まる。
「逢ひたしと 書かれし葉書 ふところに・・・」

どんな風に続くのか想いは巡る。
私の場合、副賞歌の余韻もあってか
明るい方向を期待してしまった。

 逢ひたしと書かれし葉書ふところに焼香の列の中ほどにゐる

挽歌だった。披講の余韻が味わい深い・・・
素直な歌だが何とも深い味わいの短歌だ。
初めの部分で「すぐわかったよ(挽歌ということが)」
という人もいたが、
私は披講を聞きながら先に想いを巡らせた分
また違った感じで披講の良さを実感した。

相聞歌と挽歌。いつもは三首選ばれるのだけれど
この二首が今年は抜けて良かったらしい。

「披講」されるようになってから
本当に「素直な短歌」が入賞歌として
選ばれるようになった気がする。
詠み手の心情がダイレクトに伝わってくる歌・・・

一時選考された短歌を「披講」して最終決定されるようだが
やはりうたってみての響きが文字としてみた時とはちがうと言う
その響きの感じと映像化(イメージとして浮かんでくる)は
関係あるような気がする。

祝賀パーティは
M短歌会主宰のNさん(私たちの参加してる)や
占星術研究家でストーンセラピスト・アロマテラピストでも
あるAちゃんたち常連組とテーブルを囲んで
参加された方々のいつもながらの興味深いお話に
耳を傾けながらシャンパンやコース料理を頂く。
楽しい時間が流れた。
この会主催のIさんとのご縁をつないでくれた
J社の編集者Tさんとも久しぶりに会うことができた。

「いろいろなもの」と「和して歌うこと」の
素晴らしさや言霊の響きを改めて感じる
「いい時」が今年も流れ
気持ちの中に一陣の新しいい風が吹いた・・・


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ショパンとリスト

2010-05-24 00:10:07 | アートライフ

3月に「グランドトリオ」のコンサートへ出かけて以来
ずっと楽しみにしていたピアニスト・田尻洋一氏の「音楽家に出逢う旅」
「ザ・ライブァル ショパンVSリスト」に
珍しく早起きして出かけた。
限定40名ほどの本当に恵まれた講座形式の音楽会だ。

今年はショパンの生誕200年でいろいろな形で
ショパンを聞くことが多い。嬉しいことだ。
今回は「ショパンと同窓生たち」と題した3回シリーズの2回目。
ショパンのエチュード「革命」や「別れの曲」
リストの「ラ・カンパネラ」「愛の夢」等が生で
それも降るような音のシャワーで聞けると思うとワクワクする。

ショパンの生涯のことは興味があって子供のころから
本で読んだりまたいろいろな形で取り上げられたり
しているので知っている部分が多いけれど
リストについては作曲家にして卓越した技巧を持った
すごいピアニストでもあったということぐらいしか知らなかった。

田尻氏の歯切れの良いそれでいて柔らかい味わいの
卓越した技法で奏でられるショパンのエチュード全12曲は
素晴らしく心躍るものだった。
それにしてもショパンがこれらの曲たちを
完成させたのが20歳前後だなんて、、、何とも!!
前まえから思っていたのだが、何でこの曲たち(例えば革命)が
「練習曲(エチュード)なの?」
やはりエチュードをこんなに素晴らしく
難しくしたのはこの2人らしい。
しかし今回12曲全曲通して聴いて「なるほどなー」と
思う部分もあった。
 
リストは幼少期から英才教育でずっと恵まれた
華やかな人生を歩いたらしい。
すごい名声と有り余るお金。
伯爵夫人や公爵夫人との恋愛・逃避行等々。
それでも非難を受けないアイドル的超人気者で
生涯を送ったなんて、、、。
有り余る資金で多くの音楽家を助けたりもして
きっととても魅力的な明るい超素直な人ではなかったのかしら。
ずっと年上の恋人の公爵夫人の言葉に従って
50歳頃で超人気ピアニストは引退。
それ以降は作曲に専念。
その恋人と別れてからは「神の道」!?を意識した作曲活動を・・・
 
本当に超技巧的で臨場感あふれる曲が多いけれど
ピアノの技術力は卓越している事は確かではあるが
曲の方は実に上手く聴衆の気持ちを惹きつける様に
その心に響くように創られていると言う。
作曲したどの曲にも一般大衆をも惹きつける
要素が散りばめれれているらしい。
聴衆をかなり意識した曲作りをしているとか。
そのあたりがひたすら一途に自己の音楽的探求に徹した
ショパンとは大きく違うところだろう。

自ら作曲した「ラ・カンパネラ」や「愛の夢」など
カッコよく大きなパフォーマンスで弾かれたら
その時代の聴衆も狂喜乱舞したことだろう。
目の前の田尻氏の演奏を聞いて「その想いもわかるなあー」と
実感し納得できる気がした。
贅沢な幸せな時間を堪能!!
      
                                                                                       

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1分間の絵

2010-05-11 15:32:41 | アートライフ

久しぶりに「1分間で絵を描こう!」をするというので
知り合いの版画協会の「春のイベント」に参加した。
二つの会議室をつないだ会場にはスケッチブックや絵の具
色鉛筆等を抱えてやる気満々に見える人たちが次々に集まり
30名足らずか。会場はいっぱいになった。
初めての人がほとんどで興味津々で集まったようだ。

決まりごとは、2つ。
「1分間で描いて、1枚の絵として完成と見ること」
「1分過ぎたらそこでやめること」
だから1枚ごとにサインと日時を入れる。
 
指導者による簡単な説明の後、早速開始。
2グループに分かれて前におかれた題材をスケッチする。
休む間もなく次々と題材が変わり集中して描く。
何で描いてもいいのだが今日は鉛筆で描くことにした。

「大変だー!」「時間が短い!」とか「面白い!」
「しんどいけどめっちゃ楽しいわ・・・」とか
みんな時には言葉を発しながら進んでいく。
会場の雰囲気はとてもいい。
参加者の熱気が伝わってくる。

カメラ等のいろいろな道具類や果物、野菜、植物等々を
時には右手で、時には左手で描いていく。
見つめて覚えたものを見ないで描くとか
今日の「1分間の絵」は多彩だ。
一人ひとりの絵を見て回ったり感想を言い合ったり。
休憩もはさみながら後半へ。

後半は1分間で人物スケッチをするという。
二手に分かれて参加者が一人ずつモデルになり
いすに座ってホーズをつける。
それを後の人が「1分間」で描くのだ。
1分間で人物なんか描けるの?大いに疑問がわく。
もちろん初めてのことだし腕に自信はないしどうなることやら・・・。
不安だけどとにかくやって見るしかない。

モデルが次々変わっていく。
捉えるポイントは自由だ。
顔や頭だけでもいいし、全体像でもいい。
描いていて思ったことは
「1分間」でもそこそこ描けるのだ!
びっくりした!
初めは顔中心に描いていた
(結構似るもので自分で描いて驚いた)が
次第に全体を捉えられるようになった。
これも時には「左手で・・・」と言われるので
右ききオンリーの私は大変だった。
それはそれで面白かった。十数枚描いた。

外国人も数名参加、
父母についてきた子供2名(4歳と8歳)も
しかっりと集中して参加でき
一人ひとりの感想はとてもよいものだった。
会場全体がいいエネルギーに満ちて
濃縮された2時間あまりが瞬く間に過ぎた感じがした。

                        
  

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春の歌・・・「グランド・トリオ」リサイタル

2010-03-02 14:41:30 | アートライフ
 早春の香りの中、静かにメンデルスゾーンの「春の歌」が響く。チェロの優雅な響き、ヴァイオリンの哀愁漂う調べ、歯切れ良く美しいビアノの旋律、、、

 芦屋の小さなサロンホールへ、ピアノトリオ「グランド・トリオ」リサイタルに出かけた。1年ほど前ピアニストの田尻洋一氏を紹介され、コンサートに伺っって滅多とないほどいたく感銘を受けた。次の機会をと楽しみにしていたが時間が合わず今日になった。

 チェロは長明康郎氏、ヴァイオリンは渡部基一氏、お互いに音楽家として非常に忙しく活動されていて「グランド・トリオ」としての活動の機会はあまりないらしい。技術的にも芸術的にも素晴らしく、レベルの高い音楽家であることは一目で(一耳で)わかった。

 今日はハイドン・ブラームスそしてメンデルスゾーンの「ピアノトリオ」を聴いた。
ハイドンは優雅でしゃきっとした気品ある調べが素晴らしく、ブラームスは荘重・重厚で重々しい感じ、オーケストラを凝縮させたような感じがした。

 ビアノトリオを代表してるような、メンデルスゾーンの第1番ニ短調は優美で哀愁が漂う。でもポディティブな明るさが基調をなしていていつまでも聴いていたい気持ちになった。メンデルスゾーンはその生き方を少し知ると本当に魅力的に感じ、音楽にも興味が一層わく。メンデルスゾーンの一つの特徴をなす、あのヴァイオリンやチェロの哀調・哀愁を帯びた何ともいえない調べは「ユダヤ節」と呼ばれることを初めて知った。
 日本人にも何か(演歌っぽいとも言われたが)深く内面に響き、感性を揺さぶるものだろう。DNAの奥深くに感じ取るヒビキ・・・思わぬときに古代ユダヤと古代ヤマトの関連性を考えさせられてしまった。

 三人三様の優雅な指の動きその美しさに魅せられた。サロンコンサート(でも100人ぐらいは入っていた)ならではの、全ての動きを間時かに見られたり、一音の響きを感じ取れたり、本当に優雅な時を感じることが出来た。
 
 「芸術はヒカリを届ける」ものでなければならない。特に今の時代においては・・・と感じている今日この頃、たくさんの光が届いた素敵な音楽会を堪能した。
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「3D 」の世界

2009-11-06 00:46:09 | アートライフ

「3D」と言っても、3Dキャンバスのことである。
大きな面の四方に数センチの奥行きのキャンバスがついている。
奥行きがあるキャンバスだ。

今年になって初めて、3Dキャンバスの存在を知った。
初めは「額がいらないんだ!」とか
「組み合わせて使えるんだ!」とか思っただけで
展覧会でもそのように使われている作品を見たりした。
でもちょっとお洒落な感じで興味を持った。
 
画材屋さんに行った時に、初めて売られているのを見た。
そしてその4方にも表の面に続く絵を描けば面白いと思った。
さっそく10センチ平方と20センチ平方のを3枚ずつ購入。
その画材屋さんでは20センチ平方を使った
「3Dキャンバス展」が開かれると聞いた。
いろいろな使い方の作品が去年も出品されたと言う。

「挑戦してみて下さい!」と言われ、ちょっとその気になった。
アクリル絵の具を新しく買い込んで
まず小さい10センチ平方の3Dに紅い「ポピー」を描き込んでみた。
もちろん4方の側面にも。

飾って見ると、面白い。
さすが3D!見る方向や角度によっていろいろに見える。
2作目は20センチ平方の3D。
こちらにも「ポピー」を。
ちょっと凝って花びらや蕾の一部に和紙を貼り付けて
ちょっとだけ立体的に、、、。

と言う感じで芸術の秋?!を楽しんでいる。

                                                                            

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星と森国際短歌大会

2009-07-30 00:37:21 | アートライフ

いつ咲くかと待っていた「月下美人」が
二夜連続で二輪ずつ開いた。
豊かな何ともいえない心地よい香りと妖艶な美しさを胸に
心残りなく東京へ向かった。
2泊3日の予定。
今年で11回目となる「星と森国際短歌大会」と
祝賀会への出席が主な目的だ。
 
この短歌大会は友人の株式会社「星と森」代表の
I・K氏が主催されている。
I氏はM・Aの別名で日本を代表する占星術研究家・エッセイスト
としても知れれている方だ。
 
この大会の特徴は歌を披講するところにある。
「和歌は声に出して歌われてこそ、、、」の想いから始まった
短歌大会なのだ。
初めはバリトン歌手の方による一人披講の形であったが
今では「星と森披講学習会」が結成され
練習が積み重ねられその中の精鋭男性8名による披講が
宮中歌会初めに見られるような正式な披講スタイルで
古式豊かに行われている。

入選歌(大賞・副賞二首)三首が披講される。
その披講はすばらしくそれを聞くだけでも
京都から行った甲斐があると思われるほどだ。
 
まあ言わば「短歌」の合唱のような感じ。
曲想も甲調や乙調などいろいろある。
声の響き、日本の言葉の柔らかな心地よい響きが重なり合い
力がみなぎる。
 
声の出し方も喉を震わせるようなホーミーのような
感じもあり「倍音」が出る。
それが合わさると不思議なことに
どこからか女性の声や鈴の音のような声も響いてきて
聞いていると夢見心地というか
別世界へ意識が飛ぶ感じさえしてくる。

 今回の星と森大賞「時」
   ひぐらしの声鳴きやみて鍬おけば時止まりたる能登の夕暮れ

         副賞
    ほたるの夜時はゆっくり溶けだしてオレンジ色の月が欠け行く

  もう一つの副賞は昆虫少年に贈られた。
    幼虫がしずかにしずかに脱皮して羽根を広げるその時が好き

去年から、選ばれる歌が「現在調」になってきている。
初め披講された時はちょっとびっくりするけれど、、、。
またそれも新しい感覚でいい。
来年は女性の歌は「女性披講」で行われるとか。
それも楽しみだ。 
 
この頃、短歌に寄せる感覚がちょっと変わってきた。
少しはわかってきたのかしらなんて、
それならば嬉しいのだけれど、、、。
あるがままに、ありのままに私も
「詠んでみよう」と思う。

                         

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魅せられて・・・DINYOS

2009-06-14 12:12:17 | アートライフ

ダンスカンパニーDINIOS(ディニオス)の
ソロダンスコンサート「魅せられて」に出かけた。
場所は京都三条[アートコンプレックス1928]。
今年で10回目を迎える。
ほとんど毎年出かけている。
 
DINYOSは京都発信の日本を代表する
プロのダンスカンパニーでその実力はニューヨークをはじめ
ジュッセルドルフやモントリオール・ジョグジャカルタ等
世界でも高く評価されている。
1990年結成。全員女性。
群舞は比類なきが如くの素晴らしさがある。
ソロダンスもこの10年
ダンサーの一人ひとりが確かな実力を磨いてきた。

今年は1日3ステージ、9人全員のソロダンスを観ることになる。
こちらも気合を入れて行かなくては、、、。
「アートコンプレックス」もとても贅沢なスペースで
観客は目の前でダンサーの動きの全てを
観ることができる。
時に汗の飛び散りや息遣い、皮膚感までも、、、。
 
ソロダンスはこれまで様々な女性の生き様に焦点を
当てて展開されてきた。
時の流れや時空の移ろいの中で
テーマや全体を流れる調べが少しずつ変化を見せる。
10回目となる今年はどうだろう。
期待は高まる。
 
今回は「田村俊子」「高群逸枝」「アメノウズメノミコト」
「越路吹雪」「ユディット」「オフェーリア」
6人の女性を主題にした6作品
「猫」「樹霊」など抽象的な2作品
ヴィンセント・ゴッホ追慕のエッセイ風作品合わせて9作品。
すべて渡辺タカシ先生の創作・振付・演出。
それぞれのダンサーの個性や持ち味(隠し味?も)等を
活かしまた引き出して、、、。

「無言歌」と題した「樹霊」を象徴した作品
ダンサーの個性やばねのある俊敏さを
持つ個性的な動きの魅力と合わせて
映像的効果も面白く新しい感覚でとても新鮮で面白かった。
 
「猫」も新しい切り口で渡辺先生の語りもまた味があり
ダンサーの柔軟な動きも美しく茶目っ気のある側面も引き出して
先生やメンバーたちの動物たちに寄せる強く熱い思いも
あふれてくる素敵な作品に仕上がっていた。
 
「ユディット」ではダンサーのいろいろな面での
大きな成長を感じさせられた。  
「神々の原にて」古代や古事記づいてる身にとっては
悠久と神々の気を感じ清らかで大らかさを感じさせる
アマノウズメは新鮮だった。
最後に布紐で舞台上に日本列島が描かれたのを
何人の人が気づいていただろう。
 
今までは作品にもよるのだが
どうしても描かれる人物の物語性や演出に気持ちが
引かれてしまうことがあったが
今回はどの作品もダンサーの動き自体に意識が自ずと向かった。
演出上の関係もあるだろうが
一人ひとりのダンサーのより一層の表現力の向上と
自信や意識の成長が大きいように思う。 
  
  
「ダンスの素晴らしさ」に目を開かせてもらったのは
渡辺先生と「DINYOS」との出会いから。
美しきダンサーたちと素晴らしい演出に「魅せられて」
また今年の夏が始まる。

                                                  
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さくらの中で「さくら・さくらカンパニー」

2009-04-14 13:59:02 | アートライフ
 すっかり暖かくなった。葉桜の中を大阪へ「さくら・さくらカンパニー」の公演「歴史モノローグシリーズAct.4-李香蘭ー」に向かった。
 
 女性だけの演劇集団。今回は李香蘭・川島芳子・愛新覚羅溥儀・甘粕正彦の4人が時間と空間をお互いに絡み合いながら交錯する科白劇だ。いつものことだが今回は特に、Act1の「マリー・アントワネット」同様、脚本・演出がとても良くできていたよう思う。
 中野圭子さんの脚本の特徴とも言えるのだが、「時空間」があちらこちらに揺れ動く。それが面白い演出空間を生み出し、不思議な感覚で物語の中に観客を引き込んでいく。
 
 この所、テレビ等でもこの時代とこの4人が良く取り上げられ、その人となりや生き様が見直されている。そうした視点でもこの公演では、4人の「人物感」がしっかりと表現できていたように思う。甘粕正彦にしても怪しく極悪のように取り上げられることが多かったが、この所、その人となりの潔い側面も聞こえてくるようになった。
 
 ・・・描きたかったことはただ一つです。人は泣き笑い怒り悲しむ、、、どの時代に生まれてもそれは変わりません。ただ、「戦争」という人が国が、争い殺し合う時代に生まれてしまった人達が、それでも必死に「自分」を探して、「人生」を全うしようとしたその生き様を体感してください。そして現代を生きる私たちが何処かにしまっている「忘れ物」を見つけてください・・・と中野さんは言う。

 人は「本来の自分を生きる」ために、何度も転生し、人生を送っていると言う。
まずは「本来の自分が自分の中にある」ということへの気づきから始まり、「本来の自分を見つけ、見つめ続け」て、「あるがままに、ありのままに(他者の賛同を得るために演じることなく)自分らしく生きる」ことの大切さをこの頃、自分や他者の生き様を長い道のりで観察する中で痛感している。
  
 さくら吹雪の季節に「さくら・さくらカンパニー」らしさが、十分に発揮された舞台に出会えて嬉しかった!

 

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