☆フェアリーベルの暖輪室☆・・・♪京都風日和♪

時空のキラメキのなかで、感性を研ぎ澄ませ、
吹く風のままに・・・ちょっと不思議な話も・・・ 

お水取りのうた・・・差懸の響時空を駆ける

2017-03-11 00:04:30 | 徒然・・・お水取り


今年も東大寺のお水取りの本行が始まっている
寒の戻りも例年通り…
 

東大寺お水取り(修二会)のはじまりは天平勝宝四年 (752) で
十一面観音に罪過を懺悔して罪の消滅とともに

天下泰平 (せかいへいわ)、風雨順次、五酷豊穣、
万民の幸せを祈るというもので
約1か月にわたり行われる

今日まで1266回(1266年間)
1年たりとも休まずにおこなわれていることに
深く感じるものがある
 

子供のころから大仏殿等には幾度となく訪れていたが
20数年前に「ご縁」を頂いてから今年で19年
お水取り「東大寺修二会」のお松明に毎年
通わせて頂いている

長い長い時を翔けて連面と続く修二会の
今年へ続く「行」の何とも張り詰めた清々しい大気の流れ
浄化の波の流れの中に身を置く幸せを
身の引き締まる思いで深く深く感じる時…

お水取りに寄せて詠んだ短歌を少し…

     紅花とくちなし染の和紙椿花ごしらえも水取の行
        
      京都の工房で毎年様々な工程で丁寧に染め上げられた

        紅花の鮮やかな赤とクチナシの実の黄色を使って
        籠りの僧(練行衆)によって作られる「東大寺椿」
        「花ごしらえ」の雅な響きもいい…

      
       参籠の僧を守りし白紙衣(かみこ)繕い張りて成就の日まで

             行の一番の大敵は寒さより暑さとか
          激しい行に耐えるには紙衣しかないと言う
          これも練行衆自身が作られるらしい、繕いも…
         「 行」の厳しさを物語るように満願の日が近づくころに

         「参篭お見舞」に伺うとかなり痛みが…

     
            天頂の輝く月とオリオンに届けとばかり松明は燃ゆ

            今年の本行4日目はとても良いお天気で空は晴れ渡り暖かく
            三日月より少し膨らんだ月も星座も美しく見え、どのお松明も
            勢いよく燃え上がり火の粉をまき散らせて…


      松明の残り香清し二月堂差懸の響時空を駆ける

        修二会の行は火と水の行、お松明の香りと声明に

           鐘、ほら貝、差懸の響きが重なり合って
          堂内の「気」が高まっていく…


      ほら貝と差懸の音轟きて南無観自在気は高まりぬ

      
無観自在菩薩から南無観自在、南無観、南無観、南無観…

        次第に声明は響きを増していく
        満願成就の日に近づくにつれて堂内外に気は高まり
        満ちていく…
     


     声明の内なる宙に響き居り暗き局に星降るごとく

      局で行に接していると時間のたつのが本当に早い
        沁みる声明、ほら貝鐘の音、差懸の響き…

       1260年以上の続く歴史の重み…
        永遠へと続く時空が広がっている

               

                                                                                           

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揺れる川面に日は降り注ぐ・・・わが冬のうた2017<2>

2017-03-01 00:01:37 | 風歌

 
 
まだまだ吹く風は冷たく京の底冷えは続きそうだけれど
 降り注ぐ光は一足先に春に向かっています
 明日からは弥生3月
 玄関にミモザと黄緑のデンドロビウムと薄オレンジのスイトピーを活けました
 種々のミニ雛
を飾って春を待ちます

     そこかしこ飾りて待つや雛の月陶雛貝雛ちりめんの雛


  わが冬のうた2(短歌)

  紅白の梅の香ほのかに漂いてつがいメジロが飛び交い遊ぶ

         「梅に鶯」と言うけれど昔の人は「あの美しい声で啼く鳥はきっと梅に
          よく来るあの黄緑の綺麗な鳥だろう」とメジロのことを鶯と勘違いしてた
          とか。だから鶯色は美しいメジロの色なのでしょう。    
          
鶯も確かにモスグリーンではあるけれど声に比べ地味な鳥ですものね。

  
  梅林の甘き香りが春を呼ぶ光のどかな天神ノ森

     この日も長岡天満宮の森には鶯の笹啼きが聞こえてました。
        梅の香りはほんとに甘く清しくいいですね

  
  「お父ちゃん!」呼びかける声久しくて親子の姿振り返り見る

              近頃は京都でもほんとに耳にしなくなった「お父ちゃん」!
          結構びっくりしてどんな親子かなと思わず振り向いてしまいました

  
   西陣の技も華やぐ袋帯年を重ねて今壁飾る

          いいものは年を重ねても味わいが深まります
        重厚ではんなり、素敵なタペストリーとして今も活躍しています

  
   カワセミの煌めく青を目で追えば揺れる川面に日は降り注ぐ

          光は春の色をして水ぬるむ春を呼んでいるよう…
        「春よこい」の季節です…



             
             
                     

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