わたしは長崎東高の図書館にあった桃源社版〈曾野綾子作品選集〉ではじめて曾野さんの小説をまとめて読んだんですが、これ全十二巻で、中身ぎっしり本文二段組、すべて短編かせいぜい中編、または短編の連作ばかりで、相当読みごたえのあるシリーズでした。当時まだ曾野さんは確か四十代で、まだそれほどのトシでもないのにこの人短編だけでももうこんなに書いてるんだとびっくりしたのをおぼえています。しかもそれだけの分量がありながら「全集」ぢゃなくて「選集」っていうんだから。
桃源社からこの選集が出たのは1974年から75年にかけてで、わたしが東高にかよったのは80年ごろですから、刊行後、五六年て時期だったのですね。東高の図書館には司書の先生がいらしたので、たぶんその方が選書してくれたんぢゃないのかなあ。図書館の本とはいえ、まだきれいでした。カラフルなカバーの色が褪せてなくてあざやかさを保ってました。そのオレンジとかマリンブルーとかのきれいな色のカバーに引かれて手に取ったようなもんですよ。背表紙に印刷されている巻ごとのタイトルも『海の見える芝生で』とか『愛の証明』とか『夢を売る商人』とか『花束と抱擁』とか、なんかお洒落でね、中身もお洒落な小説なんだろうと思ったらまんまとだまされましたわ。でも読んだ。なんでかな。まづ、文章がよかったんですかね。わたしに合った。高校から大学時代にかけてのわたしの文章は、ほぼまるまる、曾野さんの文体の真似でした。
ああそうか。曾野さんがあの選集を出したのは今のわたしとおんなじ年のころなんですねえ。あらー。やっぱすごい人だわ。
桃源社からこの選集が出たのは1974年から75年にかけてで、わたしが東高にかよったのは80年ごろですから、刊行後、五六年て時期だったのですね。東高の図書館には司書の先生がいらしたので、たぶんその方が選書してくれたんぢゃないのかなあ。図書館の本とはいえ、まだきれいでした。カラフルなカバーの色が褪せてなくてあざやかさを保ってました。そのオレンジとかマリンブルーとかのきれいな色のカバーに引かれて手に取ったようなもんですよ。背表紙に印刷されている巻ごとのタイトルも『海の見える芝生で』とか『愛の証明』とか『夢を売る商人』とか『花束と抱擁』とか、なんかお洒落でね、中身もお洒落な小説なんだろうと思ったらまんまとだまされましたわ。でも読んだ。なんでかな。まづ、文章がよかったんですかね。わたしに合った。高校から大学時代にかけてのわたしの文章は、ほぼまるまる、曾野さんの文体の真似でした。
ああそうか。曾野さんがあの選集を出したのは今のわたしとおんなじ年のころなんですねえ。あらー。やっぱすごい人だわ。
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