歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

コナン・ドイル『バスカヴィル家の犬』

2009年05月19日 | 本とか雑誌とか
ドイル/日暮雅通訳『バスカヴィル家の犬』(光文社文庫)読了。ミステリとしてはたいしたことなく、むしろホラー小説、冒険小説として読んだほうがそこそこ楽しめる。物語の舞台としてDevonshireのムア(moor。ヒースの茂る荒れ地)が登場。ムアそのものが主人公のような小説。とはいえわたしはまだピンとこないんですが、薄気味の悪い牧羊地、のような感じ?

わたしはホームズものとは縁が薄くて、ほとんど知らないんですよ。クリスティばかり読んでいた。ホームズがモリアーティ教授と絡み合って滝壺に落ちる話は知ってるんですが、それが文庫本だったのか、子供向けにリライトされたのを読んだのか、それはぜんぜん憶えてない。おとなになってから(学生時代?)、新潮文庫に挑戦してみたけど延原謙さんの格調高い翻訳文体についていけなくて、挫折した。

光文社文庫の日暮さんという人の訳は読みやすい。すらすら読めるので、二十世紀初頭の読みもの、って雰囲気は文章からはあまり感じ取れませんが、イギリスで当時描かれた挿絵を挿入しているのはよい趣向です。

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