高倉健さんが
◇
映画の中で
相手役の
倍賞千恵子さんに
つまり
一夜を過ごしたあとに
昨夜のことを
聞かれ
つまり
千恵子さんが
楽しげに
画面から外れたときに
心の声で
『樺太まで聞こえるかと思ったぜ』
と
単に観客を湧かせる
軽いジョーク
なんだけど
◇
このセリフを
高倉健は
言いたくない
と倉本監督?に迫ったと
◇
どうして
と聞かれて
言ったせりふが
『倍賞さんに失礼です!』
と
◇
倉本氏は
口をあんぐりと開けて
『だからそれは
役の中の話で』
と
◇
健さんは納得しないで
食い下がるのだと
◇
◇
役と実のその人に
区別がない
◇
一体化
している
しまっている
◇
これを
倍賞千恵子本人が聞いたら
心の底を
揺り動かされる
ガサン
と
◇
一方そこまで
気遣われて
重く
感じる面もあるが
もうちょっと
力を抜いてくれたら
と
だが
底から
ズサンと
心を動かされて
しまっている事には
変わりない
◇
◇
今回のBS番組
再放送だと思うんですけど
いい番組でした
やっぱり
一回
見たような
気も少しするのですが
◇
◇
これは
別のときに
聞いた話だと
思いますが
◇
八甲田山の
雪中行軍の撮影の
休憩時間で
健さん
率いた部隊ごと
動かないんだと
休憩しない
◇
何時間か
知りませんが
◇
亡くなった
本物の部隊の方に申し訳ない?
それから
演技に
魂がぬける?
動いて
しまっては
◇
分からないが
◇
部隊の役の
者たちも
この時は
健さんに同化して
同じ気持ちだったか
確かにそれは
魂が降りる
と言う事がもしあれば
ここに
降りるであろうことは
違いないです
◇
◇
だが大変
だが大変だ
◇
◇
最後の作品で
健さんが確か82歳ぐらいの
実年令で
共演の
確か89歳の
大滝秀治さんを評して
『ああいうお年寄りは』
と発言した事がある
◇
自分を
老人と少しも
思っていない
確かに
確かに
その時
少しも男である事を
失っていない
◇
女性方に
聞いてみると
それは分かると
思います
◇
◇
そしてまた
この件
◇
山田洋二監督
だったかなあ
健さんは
老け役
老人の役は
ハナから嫌がったと
相手にしなかった
◇
そこは受け入れならなかった
老いへの拒絶
◇
それを
受け入れられれば
また違った境地も
ゆとりも
あったかも
知れませんが
◇
まあ
それは他の俳優に
あればいい
健さんには
求めないかも
知れないです
誰も
◇
◇
ギリシャ神話で
大グマ座と子グマ座の話
大グマに変身させられた母が
立派に成人した息子に
なつかしくて
駆け寄ろうとした時
息子は矢をつがえ
放とうとする時
(全ての原因を作った)ゼウスが
間一髪の処で
天に救い上げて
ふたつの星座にしたと
◇
◇
健さんが
82歳のあの映画を最後に
亡くなったのは
神様が
健さんを
ギリギリの処で
掬い上げて
行ったような
気がいたします
◇
◇
色んなエピソードを
聞きます
◇
ブラックレインの
撮影で
松田優作が
『健さんが先に撮影に行かれて
いたので、その後に行った自分は
日本人の俳優だというだけで尊敬される』
と
◇
もうひとつ
エピソードあったですが
書いてるうちに
忘れました
◇
◇
おなじみ
『おれ一人もんです』
のシーン
◇
倍賞の
『奥さんご病気なんですか?』
みたいな語りかけと
共に思い出されます
◇
この何気ない会話を装うための
倍賞のカゴ?を棚に置くスピード
いいなあ
◇
帰り際
レジの倍賞の
「奥さんじゃないです」
と聞いた後の
でかい音の戸の閉め方
走り出る早さ
◇
ここだね
恋は
最初の20秒
◇
◇
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