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もし
街頭でインタビューを受けたら
マイクを向けられたら
答えるより
この歌声が出る
『デヴィッド大佐、聴こえますか?』
This is ground control to major Tom
原文の
トム大佐に替えて
(あ、少佐だそうです)
◇
今夜
そう語り掛けたい
◇
印象的な
メロディと歌詞だった
◇
◇
あれが
ボウイの最初のメジャーヒットだったのか
ちっともそんな気はしなかったが
あの時
◇
あー
ミュージックライフ誌を
読んでいたからかな
すでに多少
なじみの顔だった
◇
何十年たったが
なんでか
これらの歌詞を
覚えている
『This is major Tom to ground control, I’m stepping through the door』
初めて
聞いたとき
ああ行っちゃった
と思ったっけ
もう帰らない
設定だろうな
と
◇
『Tell my wife I love her very much, she knows』
『彼女に愛してると伝えて下さい。』
ああホラ
行っちゃった
と思ったものです
◇
Ground control to major Tom, your circuits dead, there’s something wrong
◇
Can you hear me, major Tom?
Can you hear me, major Tom?
この呼びかけの
繰り返しがねえ
◇
◇
あれから長い
◇
いつか私も
おじいさん
◇
今日になってウキペデ調べすれば
デヴィッド・ボウイ
長く
精力的に活動し
また病気で
手ひどいダメージを受け
創作意欲をなくし
引退状態であり
しかし
このたび新作を発表したばかりと
◇
お別れの
作品
メッセージと云う
事だそうです
◇
発表と
同時か
◇
充分か
早いか
分からぬ年令
◇
知らない
私と何年別れの日が違う?
◇
◇
思い出す
Fー1ドライバーの
ゲナー・ニルソン
◇
先輩ロニー・ピーターソンと
二人、スウェーデン出身
◇
頬の肉付き豊かな
まるいお鼻の容貌
それが死病に冒され
尖った高い鼻と
痩せた別人になって
同僚の
ピーターソンのところへ
現れた
それを見る
ピーターソンの
悲しげな顔
◇
目に残っている
◇
直後
レース中の事故で
ピーターソン他界
◇
葬儀で
そのやせ衰えた容貌で
彼の棺を担ぐ
ゲナー
◇
◇
その姿
忘れられない
◇
◇
やがて
彼も去って
にんげん
順番も
時期の違いも分からない
◇
ボウイ
感慨とてないが
だいたい
ココ・シャネルのような
人でも死ぬんだ
◇
平安は
心の中に
なにがあったら
得られるのだろう
◇
ボウイ
それ
あったかい?
あった!
ああそれはいいなあ
心底
うらやましい
◇
◇
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