青い空とわたし

青い空の日  白い雲の帆船をみていると

どこかへ どこまでも Harmonyと

走っていきたくなります

やすらぎの刻~道 with 主題歌

2019年08月27日 21時30分00秒 | 文芸・アート

8月27日(火)

テレビ朝日の「やすらぎの刻(とき)~道」(月~金 午後12時30分~50分)が、今面白い。

 

 倉本聰の脚本だが、2017年に同じ時間帯に放送された「やすらぎの郷(さと)」の続編になるもの。

「やすらぎの郷」は、テレビ界を退いた芸能人専用の老人ホーム「やすらぎの郷」での、往年のスターが過去の名声と老いた現状のはざまで織りなすドタバタ劇だった。それは全く面白くなかった。80年代に「北の国」を手掛けた時の倉本には、バブルに突き進もうとしていた日本の中で、一人自然回帰を唱える新しい視点があった。しかし、「やすらぎの郷」は芸能人だけに通じる内輪ネタドラマであり、テーマに広がりを持たないドラマだった。84歳になった倉本も視野が狭まってしまうのも仕方がないか・・と落胆と諦めのドラマだった。

一方、今年の4月に始まった「やすらぎの刻」は、スター専用老人ホームのドタバタ劇の続編でありつつ、太平洋戦争前後の無名の庶民を生き抜いた一生=道を同時並行に描くドラマだ。二つの時代を同時並行してドラマ化して、視聴者に見せる手法は、当初「わかりにくい」「どちらか一本でいいのでは」という感想が多く、ボクも内容の貧弱さを2本同時上映でカバーしようとしているだけではないかと思った。(「いだてん」の落語家半生と東京五輪史が正にそうなのだが)

しかし、「やすらぎの刻」の道編が徴兵拒否、逃亡を扱うようになってから、俄然、重い、深い内容のドラマになってきた。二人の主人公が、赤紙を前にして、自分の敵でもない人間を殺すのは嫌だいう信念、怖いという心情から、一人は山中へ逃亡、一人は自殺してしまうのだ。徴兵拒否が戦争中に実際あったのかどうかは知らない。しかし、徴兵拒否を公にドラマ化したり、その可否を議論することは日本でタブーだったような気がする。徴兵に順に(純に)応じて死んだ多くの兵士をおもんばかってのことだ。戦争に負けた以上、英霊の死は「犬死」となってしまうからだ。それは分かる。

しかし、再度戦争のリスクも出てきた現在、もうそろそろ徴兵拒否という選択肢も含めて、なぜ戦争をするか、相手を殺してまで何を守ろうとするのかを考えなければならないと思うのだ。倉本聰の考えは、このドラマを通じて明らかに伝わってくる。

 

 

しのちゃん・・   結婚しよう (公平)

 

 主題歌(期間限定)