10月4日(月)【続き】
▲ 夕日に映える神の山・湯殿山
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足を下ろすガレキを選びながら下山を開始すると・・
あれッ あれッ ピピッツ 左の内腿の筋肉が攣った!
イテテー、こうなるともうダメ。ツムラ漢方を飲む。ペットボトルを落とす。しゃがみ込んで拾えない。横を通る方に拾ってもらう。しばらくしたら攣りが収まる。
歩き始めて、しばらくすると右内腿が同じく攣り始めた。うmmm。こちらはなんとか鎮めた。左右ともに攣ってバランスが取れていいやとは・・思えなかった。すぐ脳裡をかすめたのは、「もしあの長い鉄バシゴを下りている際に攣ったらどうしよう、万事休す。処置できなくなる!」
しかし、とにかく下りていかねばならない。
腿内側の筋肉に負担をかけないように、どうにか降り始めた。
▲ 左へ下りればロープウェイ駅へ、右を進めば金姥の分岐点までのピストンコース。
ロープウェイに乗って降りたかったが、Harmonyは湯殿山に駐車してあり、できっこない。
このまま単純往復ピストンコースで戻るしかない。そして鉄ハシゴをクリアしていくしかない。
それでも、報道使命から写真は撮り続けるのであって、
▲ 左側の紅葉
ふもとを横に山人が歩いていくのが見える。あのコースが先ほどの牛首でロープウェイ駅に行く道だ。
▲ もう少しズームしてみよう。
山人が立ち止まって、紅葉模様を見上げているのが分かる。
▲ あそこはいいねえ。
次回の紅葉はあのコースにするか。
▲ 前方の姥ケ岳のふもと、金姥の分岐点が見え始めたとき・・・
う、うっつ。
また攣りそうだ。立ち止まっていると。
三人の女性組がやってきた。「どうしたんですか?」 脚が攣ったことを告げると。「ああ、同じバスで一番最後に乗ってきたかたですね」となると、三人の女性が口々にアドバイスし始めた。
・冷たい水より暖かい湯を飲まないといけない。「コップ持ってますか?」コーンスープをといで飲ませてくれた。
・「レインウェア持ってますか」「ハイ」「からだを温めないとだめ、着た方がいい」。上下のレインウェアを暑いのに着用した。下は痛みで履けないので、履かせてくれた。「寝たきり老人みたいでスミマセン」と馬鹿な冗談を言った。
・「塩持ってますか」塩飴をなめたと言ったが、岩塩の粒を二つくれて飲むように言われた。
・「お一人ですね」「はい、ボッチ山です。ボッチ山のときは他のかたが言われるとおりなんでもやることにしてます」とまた余計なことまで喋って。あの鉄バシゴが心配だと告げると
・「登山中に脚を攣って動けなくなった人を見たことありますよ」「ヘリで運ばれましたよ」「一緒に行きましょう」
この三人の女性は福島から来たとのこと。「へえー、福島の女性はえらく親切ですね。ありがとうございます」「東北人はみんなそうですよ」
▲ 右横に右折していく金姥の分岐点が見えてきた。
分岐して
▲ 右に月山への稜線。
姥ケ岳の山影が伸びてきている。
月山さようなら。またね。
う回路をどんどん下りて行く。道はなだらかな下りで、大丈夫かな。少し安心。
▲ 湯殿山が見えてきた。
▲ ボクが最初に歩いて、三人組がそのあとをついてきてくれる。
感謝です。
どれだけ心強かったことか。
▲ 夕日を浴びる湯殿山
▲ すべて往路と同じ道を下っているので、朝みた風景と同じのはずだが。
夕日が違うのだろう。
紅葉をもっと明るく、鮮やかに照り輝かせてくれる。
ボクの心も不安だが明るい。
そして来た。鉄バシゴの連続スポットに。
▲ 2列の鉄バシゴ
元気なら立ったまま下るのだが、それは早いが危険。
背を外に向けてハシゴに対峙しながら、降りることにした。すると、片足ずつ下ろして足を掛けていく感じで、内腿の筋肉には負担がかからなかった。当然、攣らなかった。
連続する鉄バシゴを無事下り切った。
▲ もう大丈夫だから、と三人組には先に行ってもらった。16:36PM
ありがとうございます。
「先に行って、バスにはまだ一人いるから待っててくれるよう言うからね」
もう、涙です。
バス停にボクが戻った。
「もうレインウェアは脱いでいいと思うわよ」
「あらつ、シャツが汗でベタベタじゃない。脱水症状になってない?」
「そのシャツも脱いだら?」「いや、替え持ってないので脱いだらハダカになってしまいます」
どこまでも親切な福島の女性たちだった、
▲ 「けど、バス来ないわね」
▲ 16時45分の最終発が来るはずなのに、もう17時を過ぎても来ない。
女性の一人が、バス運行会社に電話しているがラチがあがらない。「いま事情を調べてます」を繰り返すだけ。
だめだこりゃ。
待っているより、歩いて下りよう。
▲ バスなら8分ほどで下りるところを、テクテクと我らは下り始めた。
▲ 途中、前方の空にウロコ雲と、夕陽が見えた。
▲ 湯殿山前駐車場にたどり着いた。17:34PM
だあれの人影も無し。
そりゃそうだ、この駐車場は16;30PMに閉まる。
▲ Harmonyがポツンと待っている。
向こうに見える小さいクルマは管理者用で置いてあるだけ。昨日もあったから知っている。
女性たちの乗用車も下段の駐車場に一台だけ残っていた。
帰りしなに、クルマから再度「ありがとうございました。お気をつけて」と声をかけると、
「いい旅を続けてくださいね」
どこまでも、福島の女性は親切で、優しい。
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一番近い道の駅へ直行する。
もう真っ暗の中、山中の道の駅にしかわ(西川)に到着。
▲ ここは日帰り温泉を併設している
なんか、きのうから頭が混乱するほど色んな状況に出くわした。
疲労こんばい。
また明日考えよう。
了