詩のノォト fossil in blue

生涯にわたる詩のブログ、生と死に揺らぐ詩、精神の暗く重い音のない叫びの詩

白い天井

2014年03月21日 | 音の前 contrablue

視界の先の揺らめく曇天
意識の中に肥大した錆だらけの巨大な空洞
前後左右上下さえも定まりも果ても無い絶望の薄いもやの漂うだけの絶無さながらの景色、空域に

俄かに色が着き
形が現れ
白い天井として
浮かび始める

柱も無く壁も無く部屋も無く
ただ天井だけが
浮いている

それはわたしが入る箱ではなく
わたし一人が座るだけのイスではなく
まごうことなき建造物

何も落ちてはこない
わたしの上に屋根がある

レッスンの帰り道
旧国の、松の緑の一本道で。

2014.2.10



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