詩のノォト fossil in blue

生涯にわたる詩のブログ、生と死に揺らぐ詩、精神の暗く重い音のない叫びの詩

白い小石

2007年12月08日 | 白い小石-M君の。

海で見つけた白い小石
君が消えてしまったから
あの小さな石はもう
絆にならない
きっと
消えてしまうのだろう

捨てられるんだろうね
他の人には価値も無い
思い出も無い
思い入れも
願いも祈りも

初めて会った日の海だよ
君の好きな真っ白い色の小石
わたしは祈る思いで探した

あの頃もメタメタに傷んでいた君は力の無い声でそれでも
いたいけな子供みたいに笑って言った

きれい

きれいだよね
白い小石
君の傷んだ心と深く繋がる濡れて光る白い色

わたしの手元に残ったわたしの石は
決して手放さない
君の心を抱きしめる想いで
持っているよ

あの日の純白な君の心のままの
白い小石
頼りない頼りない不安に負けて泣きそうな二人が寄り添って見ていた
白い小石

二人だけの壊れそうな空間に儚げに光っていた
白い小石。

2007.12.8 am3:38



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