ダマスクローズはタキュイナムサニタティスの”薔薇“としての題材だけではなく、その他のところ
でも顔を出します。
Women taking roses to make rose water with its petals. 14th century. Folio 93r. 1300年頃に描かれたAqua rosata ( 薔薇水 )。
Vienna, ONB, sn.2644, folio 55 verso.から ウィーン出版。“春”が題材です。
赤い薔薇の花と、白い薔薇の花、その上には鳥が。「薔薇物語」の中の一場面かと思えるような絵です。
この絵も同じTacuinum Sanitatis( 健康全書Wien,er.nov.2044 um1390 )からの引用ですが、題材はGaudia (喜び) となっています。恋人との逢瀬の場を描いたのでしょうか、後ろにはダマスクローズが咲き誇っています。「薔薇物語」の時と同じように上の方には鳥が描かれています。空を飛ぶ「鳥」は、天、すなわち神の身近に住み、カスミを食べて生きている尊い存在なのです。ウィーンが出版元です。