カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

紅花が咲いた明日香

2012年07月02日 | ☆ ふるさと・大和

明日香に紅花が咲いたとの報道がありました。

紅花は、地中海沿岸、中央アジア原産。
6世紀に高句麗の僧侶が日本に紹介し、推古天皇の時代から、紅色の染料をとるための植物として
利用してきた、古い歴史のある花です。
6世紀の藤ノ木古墳からの紅花の花粉が検出されているそうです。


6月29日の天気予報は午後から雨とのことでしたので、雨の降らないうちに帰れるように、
家事を終えたらすぐ家を出ました。
石舞台の北側だとのことでしたので、場所はすぐわかりました。
少し先の稲淵への分岐の所に駐車して石舞台まで戻りました。
小高い丘になっています。
石舞台古墳は道路を隔てて真向かいに見えています。


石舞台にピントを合わせて引き寄せました。


今度は紅花にピントを合わせました。
明日香に咲く紅花をカメラに収めることのできる嬉しい時です。


丘に登ってすぐ目に入った紅花畑です。
「遅かったのかなぁ、枯れてるよ。」そう思いながら近づいていきますと・・・



まだまだ葉っぱも濃い緑色をしています。

紅花は、山形県の県花で、特に最上川周辺で栽培が盛んだそうです。
花は咲き始めは黄色、しだいに赤っぽく変わとのことですが、一つ一つよく見ていますと、
赤い花もあり黄色い花もあります。
種子からコレステロールを取り除くリノール酸を含む良質の油が採れるので、
今では食用油としての需要が多い(→ べにばなサラダ油)と資料を読んでいますと、書かれていました。
我が家も、有機栽培の紅花油を使っています。


6世紀の頃から日本人の生活と深い関わりのある紅花は、万葉集にも詠われていますし、
源氏物語に登場する女性に、「末摘花」と言う姫君がいます。
鼻が赤いので源氏の君はそう呼んでいました。
紅花の別名は「末摘花」といいます。
この花の収穫の様子をテレビで見ていたのですが、花の中央をつまむようにして花びらだけを
上手に摘んでいるのです。
花ごと切取るのでなく花の末を摘む、収穫の行動のままに命名したのでしょう。

現在も紅花染めの工芸品や衣服もあります。
先にあげたように食生活にも用いられています。

古代の古墳を見下ろす丘の上に、今年初めて咲いた紅花を、これからも植栽して欲しいと思いながら、
ポツリポツリと車のウインドウに落ちる雨の中を帰ってきました。




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8 コメント

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Unknown (とんとん・とん)
2012-07-02 06:48:57
紅花は花摘みの時は棘に気をつけるようにと聞いたように思います・・・・でも奇麗な花ですね
返信する
とんとん・とんさんへ (anikobe)
2012-07-02 06:54:37
よく見ますと、葉っぱには棘があるのです。
刺されば、取れにくそうです。
さわってみればよかったなぁ~~~
ありがとうございました。
返信する
紅花 (東京老人)
2012-07-02 11:57:46
遠く6世紀に日本に入ってきて、
今は山形県の花、
食用油として日本中で売られている、
歴史ですね。
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東京老人さんへ (anikobe)
2012-07-02 13:25:52
古代、渡来人によってこの国にもたらされたものはずいぶん多かったことでしょうが、それが引き続いて現在までこの地に定着しているものの一つに当時の花のまま(多分)こうして、古代ロマンの明日香で、見るのも何か物語性があるような気がします。
ありがとうございました。
返信する
紅花.. (ひまわり)
2012-07-02 16:54:25
こんにちは~
今日は.暑いです。 昨日だけの雨でしたが..

紅花 綺麗ですね..紅花油.売られてますね。
花は.ドライフラワ―にも出来ますから.
長く見られて~飾って.いいですね。
ステキです..。
返信する
ひまわりさんへ (anikobe)
2012-07-02 17:14:00
こんにちは
こちらは、たった1日の貴重な晴れの日でした。
暑いです。
蒸し暑いです。
湿気が多いためでしょうね。

紅花を実際に見たのは初めてでした。
綺麗な花ですね。
来年も見られるといいなぁと思っています。
返信する
ベニバナ (マオママ)
2012-07-02 18:12:45
紅色だと思っていたのに・・・・
源氏物語の中の末摘花はあばら家に住んでしこめ(ぶさいく)だったように・・・

石舞台と紅花2作品
とてもきれいですね(拍手)
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マオママさんへ (anikobe)
2012-07-02 22:18:41
この前テレビで紅花染めをアナウンサーの女性がしていたのですが、1度では薄いピンクでした。
何度も何度も重ねて紅色に染めるようです。

源氏物語の末摘花、寂聴源氏の巻き二の1に書かれているしこめの表現は源氏の目から見たそのままを着ていますが、「そこまで書くか」と思うほどの醜い姫君ですが、現在では考えられない逢瀬だから、最初から顔は見てなかったのが悲劇でしたね。
紅花の美しいのを見たら、末摘花が可哀想になってきます。
ありがとうございました。
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