超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

復活してゲーテ伝読む

2020-03-26 20:05:02 | 無題
今日は雪解け水の流れる川を見て、専門店街のベーカリーでスープを食し、
いろいろ仕事上のやりとりをしたあと、久しぶりにビフテキを食べて復活する。
夜、人と思想・ゲーテを読み終える。
ゲーテは一時弁護士になるが、心ここにあらずで、「ゲッツ」や「若きウェルテルの悩み」を書く。
「若きウェルテルの悩み」は手紙スタイルで語られる恋愛小説で、失恋したウェルテルが自殺するまで
描かれる。この悲しく甘美な恋愛小説はヨーロッパで大流行し、各国語に訳されて末永く愛され、ドイツ語の地位を高めた。
ゲーテはワイマール公国の貴族に気に入られ、ワイマール公国の宰相となり何十年も公務に奔走する。
ゲーテの南への憧れは強く、イタリア旅行でその渇きを満たした。
「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」と「ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代」の連作を書く。
修業と遍歴という人生行路は、親方=マイスター社会の常道だった。西東詩集は、西洋の目から東洋の詩篇を書いた詩集。
生涯最後にゲーテはライフワークの「ファウスト」を書き上げる。ファウスト伝説はドイツでは有名で、数々のファウスト物語がゲーテ以前にあった。
ファウストはメフィストと契約して、時間よ止まれ、お前は美しい、と一回でも言ったら、魂を悪魔に譲り渡すという。
メフィストはファウストと乙女グレートヒェンを引き合わせ、ファウストはグレートヒェンと恋に落ちる。
やがて一人になったグレートヒェンはファウストの子を死なせてしまい、死罪を言い渡される。
ファウストはグレートヒェンを救いに行ったが間に合わなかった。
第二部でメフィストは古代ギリシアの最高の美女ヘレナを現代に呼び寄せ、ファウストは幸せを手に入れ、
自分が建国した国が栄えるのを見て、時間よ止まれ、お前は美しい、と言って息絶える。
メフィストがファウストの魂を持ち去ろうとしたところ、天から花が降り注ぎ、天使たちがやって来て、ファウストの魂を天へと引き上げる。天使のなかにはあのグレートヒェンもいた。
何とも壮大な人生賛美。ゲーテはナポレオンとも付き合い、シラーと仲が良く、ベートーヴェンもエグモント序曲を書いて、ゲーテを尊敬していた。しかし、何とも恋多き人生ではある。スピノザを継ぐ汎神論者であったとか、そういう話ももっと知りたかったが、いずれ機会もあるだろう。内容の濃い本だった。

好き放題悪魔とともに享受してやがて天使に召される不思議

コメント
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