超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

<span itemprop="headline">フェリーニ見て宙に舞う道化に戸惑う</span>

2018-11-29 07:53:07 | 無題
昨日は帰宅後、英語版のフェリーニの道化師が届いていたので見る。
フェリーニは子どもの頃見たサーカスの光景がトラウマになる。
自分は笑えなかった。町にはもっと道化のような変わり者があちこちにうろついていたからだ、と言って回想を再現する。
大人になったフェリーニが昔の道化たちに聞き取り取材をして撮影してゆく形で話は進む。聞き取った話から作った夢幻的な再現フィルムが新鮮。
最後に道化の葬式が大狂乱の祝祭へ突入する。それを見てひとり語りをして去って行く物悲しい老いた道化師。道化たちはレクイエムを奏でながら消えて行く。
サイコ病院の慰問で道化たちが宙を舞うショウとかちょっと怖すぎる場面もある。
町にいる変わり者たちの描写も怖い。狂気とばか騒ぎが紙一重となる。死と笑いが重なる。
かなり奥深い映画だが、道化がコメディア・デラルテの世界より今風でチープな印象である。
今の若い人が見るには、かなりどぎつくて難解だ。輸入盤で日本で見れるのはブルーレイだけ。DVDは仕様が日本と異なる。私は子どもの頃、海外のお土産に道化の帽子の上に道化が幾重にも乗っているイラストの大きなポスターを貰ったことがあるが、何とこれはフェリーニの道化師の広告ポスターだった。私はアルレッキーノのポスターがほしかったので内心がっかりしていたが、今思うと感慨深い。サナトリウムの慰問で道化が宙に舞う場面が危うくてひと際美しい映画である。
慰問先サナトリウムで宙に舞う道化が笑う狂うさなかに


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする