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雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

新・本と映像の森 155 灰谷健次郎『兎の眼』理論社、原書1974

2018年07月13日 17時20分50秒 | 本と映像の森


新・本と映像の森 155 灰谷健次郎『兎の眼』理論社、原書1974

 286ページ、1986年第59刷、定価980円。

 舞台はS町。H工業地帯のなか、T駅の近くの学校など。学校のとなりには「塵埃処理所」がある。つまり焼却場である。

 いま『兎の眼』を読み返して、物語の舞台に焼却場とゴミ問題が大きな役割を果たしているのを気がついた。不思議なことにゴミ環境ネットの運動をやっていた時は、そのことをまったく思い出さなかった。

 登場「人物」を登場順に書いていくのが本書の紹介になると思う。では最初から。

  小谷芙美先生 結婚10日目。小学校の先生.1年4組の担任
  臼井鉄三  長屋の子ども。小学生。ハエたちを飼っているハエ博士。
  教頭先生
  カエルたち 鉄三にふみつぶされる
  ハエたち
  子どもたち
  文治
  バクじいさん 鉄三の祖父
  文治の父
  鳩たち
  足立先生
  キチ  鉄三の犬
  功 長屋の子ども
  芳吉 長屋の子ども
  純 長屋の子ども
  四郎 長屋の子ども
  武男 長屋の子ども
  銀色の目をしたネズミ
  海のカメ
  春川きみ  2年生
  春川諭(さとし) 1年生
  ショウジョウバエたち
  ミドリキンバエたち
  イエバエたち
  村野康子先生
  瀬沼浩二
  折橋先生
  徳治  鳩ぐるい。鳩をとろうとして製鋼所の屋根から転落して入院
  キンタロウ  鳩。徳治がいちばん可愛がっている鳩
  ゴンタ 鳩。いちばんの年寄り
  小谷先生の夫 名前不明。もっと前に出てきたけどメモに取り忘れた
  建築士
  善財童子 
  小谷先生の高校時代の恩師
  セミたち
  木村幸子先生
  みさえ  純の妹
  恵子
  金龍生
  伊藤みな子
  淳一
  勇二
  照江
  みな子のおばあちゃん
  道子
  清
  やよい
  毛虫
  山内先生
  太田先生
  みな子のお母さん
  ヒヨコたち
  ミドリガメたち
  小谷先生の家に入ったドロボー
  犬とりたち
  警察署長
  せっしゃのオッチャン
  勝一
  校長先生
  課長
江川洋子先生
  小谷先生の両親と夫の両親
  指導主事
  トンビ

 286ページ。これで、いちおう登場「人物」一覧は終わり。ところが本のタイトルの「兎の目」や「ウサギ」は出てこない。

 それで困って、ボクがいま思いついた解決。

 小谷先生は「ウサギ」年で、その「ウサギ」年の小谷先生から見たことを小説にしたってこと。違うかな?

 もちろん、著者の灰谷健次郎さんは、足立先生に投影されていると思う。  

 あと、これは作品のなかから、ボクが気のついた珠玉のほんの一部。

 「「ほかにもよい作品があるのに、あなたが見落としているかもしれないということ。作品だけでなしに人間もね。」
 そういわれて、小谷先生はきゅうに不安になった。
 「臼井鉄三に手こずっているようだけど、ぼくの経験からいうと、ああいう子にこそタラモノはいっぱいつまっているもんだ」」(p13)

 「心の冷えていくのが小谷先生にわかった。わたしのつらいことは、あなのいっているつらいこととまるっきりちがう、と小谷先生はいいたかったが、もう口がひらかなかった。
 その夜、小谷先生はウィスキーをがぶのみした。そして自分がこの世でひとり生まれてきたようなさびしい気持ちになった。
 ウィスキーのビンの口にハエが1匹とまった。おっぱらわないで、じっとそれを見た。小谷先生はいつまでも、そのハエを見つめていた。」(p59)
 

 


雨宮日記 7月13日(金)の1 いま、ここから前へ生きるとは

2018年07月13日 10時44分59秒 | 雨宮日誌

雨宮日記 7月13日(金)の1 いま、ここから前へ生きるとは

 「いま、ここ」から前へ生きるとは。「いま、ここ」までの成果に安住するのなら、生きてるとは言えない。もう君は死んでいる。ゲーテ『ファウスト』を見よ。

 生きるためには、過去を捨て去らねばならない。

 過去を捨てるために、過去を回顧するんだけどね。過去を「よかったね」と賛美するためではない。

 「青い地球とオレンジの花」は過去の徹底批判でなければならない。自分のしてきた運動の賛美ではない。

    ☆

 大雨洪水の本質に迫った報道がすこしは出ている。すこしです。

 ① 人間があまりにも山に近づき過ぎた。 
 ② 山がときどき崩れるのは山の本質である 
 ③ じゃあ、どうすればいいのか、という解決策はわからない。誰もまだそれには触れてはいないと思う。