新・本と映像の森 152 小松美彦『自己決定権は幻想である』洋泉社新書、2004年
222ページ、定価本体740円。
どういうことかを語るために本書の詳細目次などから拾うことにする。
「自己決定権は、70年代アメリカを起源とする」(p16)
「自己決定権と、新自由主義という国家意思について」(p26)
「われわれは、英語にマインド・コントロールされつつある」(p32)
「ナチスの優生政策/安楽死法」(p38~39)
「自己決定権批判の根拠/死は所有できない」(p44)
「マリオネットの自我について」(p98)
「清潔な抽象より、泥の臭いのする個別性を採る」(p109)
「健康増進法の危険な罠」(p116)
「よい友だちとよくない友だち」(p130)
「人は死んだら、残された者の心の中に行く」(p171)
「「高瀬舟」には乗れない」(p189)
「健康で正しいほど人間を無情にするものはない(金子光晴)」(p193)
ボク自身は小松美彦さんに大体賛成である。ただし「自己決定権は全能ではない」という意味で。そして「自己決定が必要な時もある」という意味で。
以下、目次。
「序章 自己決定権とは何だったのか
第1章 私はなぜ自己決定権を認めないのか
第2章 自己決定と自己決定権はどう違うのか
第3章 自己決定権と福祉国家の行方
第4章 死をめぐる感性、批判をめぐる感性
第5章 ノンと言い続けることの重要さについて
終章 自己決定権の課題はどこにあるのか」
なお松尾匡さんの「民族自決権論」を参照してください。こちらでも「自決権」を絶対化していないので面白いです。