四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

歌会始の作品

2009-01-28 14:55:07 | 歌の花束
 正月、皇居で開催される歌会始のお題は「生」でした。両陛下の御前で自分の作品を朗々と披露されるのは一族の名誉でしょうね。選ばれた作品の中から、私の好きな歌をご紹介します。
○大空に春の余白を生みながら雲のひとつとなる飛行船   菅野 耕平
   @最後に無機質の飛行船が出てきて、抒情の前半から肩透かしの面白さが。

○熱線の人がたの影くつきりと生きてる僕の影だけ動く   北川 光
   @広島の原爆の生々しい傷痕に佇み、生きている自分を確認している。

○百年を町屋大工に生きて来し爺さま親父そしてわたくし  五十嵐 弘治
   @いのちの元へ感謝の思いがにじみます。

○還り来し父ありてこそわが生まれしと思ふ今日の日終戦の日は  藤倉 美知子 
   @復員のお父さんなくんば、彼女の今はないのです。

○田に水のつぎつぎ張られ見はるかす讃岐平野に空生まれたり   薮内 眞由美
   @日本伝統のみずみずしい初夏の景を、大きく詠いました。 

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