四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

ガイドの一日

2008-11-30 08:04:18 | 生かされて今日
 ボランテァの称名寺ガイドに参加しました。NPO横浜金澤シティガイド協会では土日の10時から15時の間無料の庭園ガイドを提供しているのです。
 日ざしが当たると秋日和ですが、曇ると冬で冷え込みます。おひさまの偉大な恵みを体感します。金沢文庫の「釈迦追慕」展で来られる方も多く、日曜画家のカンバスも並びます。文庫のタイトル「釈迦追慕」は形容矛盾の表現で、「釈尊」追慕とすべきです。釈迦と呼び捨てて追慕とは冷徹でアンマッチな表現だと思います。
 ガイドしたご夫婦にご亭主が退職後、四国の遍路を一遍に四十日余かけて巡礼した方がいました。夫婦で秋遍路を満行した私のいとこの話をしますと、単独行よりも複数で歩く方がはるかに難行なのだそうです。歩くリズム、体調、気分等不一致なものが一緒に四十数日気を使いつつ歩くのは、相当に難しい由です。ひとりで気ままに歩く方がやさしいそうです。なるほどなぁ。
ガイドした客の奥さま曰く、「満行してもアナタ何も変わらないわね」。
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称名寺の反り橋

2008-11-28 18:52:16 | 生かされて今日
 まだ工事中で朱色に塗られていませんが、横浜市金沢区にある称名寺の心字池に反り橋が懸かっていました。白木の欄干が冬日を照りかえしてまばゆいばかりです。腐食が進み危険な為再建が待ち遠しい状態でした。朱の太鼓橋と平橋が名苑のアクセントですから、橋が無いではワサビ抜きのお寿司の風景でした。
 鎌倉時代の後期に完成した浄土式庭園で、金沢区民のやすらぎの公園です。隣りには中世最高の図書館、「金沢文庫」があります。
今、素晴らしい釈尊像や運慶の大威徳明王像などのお宝が十二月七日まで展示中です。是非お越しください。65歳以上の方は証明があればナント無料です。
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2009年新手帳

2008-11-26 08:02:57 | 生かされて今日
 私は永年、ズボンの尻ポケットにハンディな手帳は手放せませんが、自分にピッタシの手帳に出会ったためしがないのです。晩秋の本屋さんにはカラフルに数多くの新手帳が並んでいますが格好のものに出会いません。これは無理なことのようですから、自分用に継ぎ足して使用しています。縦横の長さ厚みの手触り、装丁、予定表のデザインと季節の時候、西暦と年号、シオリの紐があれば他のほとんどはメモ用で可なのです。
おせっかいなアクセサリーは要りません。
 先手を打って秋の終わりから使える手帳を早めに使用し始めることをお勧めします。すると今年の出来事を振り返り総括が出来ますし、新しい年への心構えも出来てきますよ。
「日記」も正月からはじめるのでなく、十一月から切りかえるといいです。簡便で、324円と安価な新潮文庫の「マイブック」がお勧めです。
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郁子は「むべ」

2008-11-24 19:16:42 | 俳句
 近くの方が、庭に生ったムベを蔓の葉っぱ付きで持参されました。私のふるさと鹿児島では「ウンベ」と云いなつかしいくだものです。
いく子と書きますが、ムベと読んで下さい。
 アケビに似ていますが、熟れて割れ目が走ることはありません。二つに割ると黒い種がゼリー状の果肉に包まれて詰まっています。スプーンで掬うと野趣に富んだ甘みがなつかしいです。伯父さんの家にぶら下がっている庭の景色は情緒満点で、故郷の記憶のワンシーンです。

   ♪塗り盆に茶屋の女房の郁子をのせ  高浜虚子
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横浜も紅葉

2008-11-21 06:11:53 | 生かされて今日
 我家の近くの公園にたった1本の山カエデが見事な色かたちを見せています。
「君は本当にきれいだ。ありがとう」と立ちどまって声を掛けます。私たちもオンリーユー、世界でたった一つのいのちをこのように咲かせたいものです。
 昨日、家族の「年金特別便」の確認に社会保険事務所へ行きましたら、ナント3時間待ちとなりました。病棟のような味気ない建物ですから、絵か秋の花ぐらいは置いてもらいたいものです。旧厚生省官僚を刹傷する事件の後でもありますから。
甘い汁を吸った「厚生労働族」の議員先生の無定見が招いた混乱に呆然とするばかりだ。
 でも紅葉黄葉のいろどるニホンはほんとに綺麗ですね。ありがとう。
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暮らしの歌

2008-11-18 05:52:35 | 歌の花束
 朝日歌壇から感銘した歌をどうぞ。
「ゴハンヨ」と幼き曾孫は呼びに来てスリッパを逆に揃えてくれぬ 
山本富士子さん 
 しつけの出来たご家庭の温みが伝わります。玄関の靴を揃える、使った椅子は戻す、名前を呼んで夫婦で朝の挨拶をするを立正佼成会では指導しています。
休日のみ顔合わす子よ日曜の夜の「おやすみ」は「さよなら」に似る
長尾幹也氏  
 親も子も忙しすぎてすれ違う、せめて休日は語りあいたいですね。
見えぬ眼でじっと見つめる老い母に私の涙見えぬ幸い
後藤順子さん 
 私も涙がにじみます。みんな行かねばならぬ道ですが辛いですね。
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一度きりの秋

2008-11-15 06:01:44 | 生かされて今日
 菊薫る11月、今日は七五三で神社仏閣がにぎわうでしょう。愛児やお孫さんの健やかな成長を神仏に祈る日本人のよき伝統です。応援団は「金満好み」にならないようにね。
 ♪父親はただよふばかり七五三 駿(若いお父さんはカヤの外でウロウロが多いです)

今月の句会で私が採った句をどうぞ。
 ♪着ぶくれて細く息吐く倦怠期  量子
 ♪破れ蓮(やれはちす)時に男の声を出す  計枝
 ♪病院へ帰ると云う父秋日和   弘子
私の作品 
 ♪背にねむる嬰(やや)はわたくし菊日和   駿

今日の秋の景色は、今の年齢にはタッタ一度きりの貴重な時間、戻らざる人生の旅路です。
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おそまつな政治

2008-11-13 06:35:16 | 生かされて今日
言語道断、給付金の判断丸投げに
 お粗末な対症療法の「給付金」に、恥の上塗りをする政治判断は異常だとあきれてしまいます。地方自治体に責任を事実上押し付けるとは中央政府のすることでしょうか。
 選挙による国民の判断を受けない総理大臣が2人連続(安倍・福田)でヤーメタと任期途中で最高権力を投出した上に、自民・公明の無能力なこのダッチロールでは国難をしのげないではないかと不安です。小利口な役人と同じ発想では国がますます疲弊する。
 痛みはあっても国民を安心させる大胆な制度改革よりも、政権の甘い汁にしがみつく目先ばかりのエゴイズムの醜態です。日本を建て直す総選挙で国民の審判を受けて欲しいと思いますがいかがですか。
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琳派さんさん

2008-11-12 18:06:25 | 生かされて今日
 上野国立博物館の「大琳派展」へ参りました。ゆりの木やかつらの紅葉が晩秋の庭を彩っていました。すっかり冬支度のブーツが颯爽と平成館へ急ぎます。
 我がやまとの国の繊細な美的センスが、
    本阿弥光悦・俵屋宗達⇒尾形光琳・尾形乾山⇒酒井抱一⇒鈴木基一
と流れた証が、あまたの絵画、書跡、塗り物や陶芸、染色、小袖や建具などに展示されていました。中でも国宝「風神雷神図」(宗達)と模写した光琳と抱一と基一の見比べが出来るコーナーが素晴らしい。やはり伸びやかな宗達の勝ちですね。
 入場制限はありませんでしたけれど、熱心なお客様で肩越しの鑑賞になり勝ちでした。彼らは本当に「神のみ手」を持っていたのですね。
 裏庭が開放されてわが故郷薩摩藩出身の初代館長、町田久成の堂堂たる石碑にも会えました。彼の像はJR鹿児島中央駅にあり、墓は上野寛永寺にあるそうです。
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ドサクサに選挙か

2008-11-10 22:15:54 | 生かされて今日
 自民・公明の政治屋たちは国家財政が大赤字にもかかわらず、小手先の子供だまし「ナントカ給付金」をばら撒いて、選挙対策に使う愚行を犯そうとしています。
 枝葉末節の手続きである所得制限がどうのこうの云う前に、血税をばらまくか否かについて議論すべきである。マスコミも尻馬に乗り、ナンボもらえる貰えないの技術論ばっかしで情けない。麻生首相は所得制限はめんどくさいから全対象者に払い、高額所得者には辞退させればと無責任なことを云う。リッチな麻生家の金ならそれでいいでしょうが、国民の税金・財産を軽んじています。そのツケは将来の国民(子供や孫)にかぶせることじゃないか。
 戦争は正しかったと主張する航空自衛隊最高幹部を処罰も出来ずに定年退官扱いにし、6千万円の退職金は自主返納させるなんて防衛省大臣のマヌケ発言と同じだ。衆愚政治の代議士や官僚は、志が低く末期的症状でタガが緩みすぎです。
 バラマキ給付金と正月気分に浮かれるドサクサマギレに選挙する気なのでしょう。
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横浜の誇る「金沢文庫」

2008-11-09 05:13:31 | 生かされて今日
 「金沢文庫」は鎌倉時代最高の武家文庫、図書博物館です。現在は神奈川県が管理する文化施設で、ヨコハマの隠れたアカデミックな名所なのです。
横浜から京浜急行で20分、金沢文庫駅から徒歩10分、古刹称名寺と並んで私ども金沢区民の誇りです。
 現在金沢文庫では驚くべきお宝を展示しています。是非ご来館されますよう。
①清涼寺式釈迦像と十大弟子像 
②弥勒菩薩像に内蔵されていた弘法大師の仏舎利(京都の東寺と女人高野の室生寺)
③運慶の明王像と内蔵の書付
④御正体(みしょうたい)は伊勢神宮の神様
⑤鎌倉極楽寺の釈尊像 
 などなど日本文化の精髄でじっくり拝観すると心が躍りますよ。私はもう3回行きました。
  ♪行く秋や美男阿難の目に圧され   駿
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万葉の情ある歌

2008-11-06 12:48:55 | 歌の花束
 万葉集は貴族だけでなく大衆の歌もあり、しかも素朴でなつかしい。
旅人の宿りせむ野に霜降らば我が子羽ぐくめ天の鶴群(たづむら)
 千年前命がけの遣唐使船が難波を離れる際に、我が子を見送った母の歌です。まさに水盃の別れだったでしょう。今は絶滅危惧の鶴がそこいらにいたんです。
一世にはふたたび見えぬ父母を置きてや長く我が別れなむ
 熊本から京へ上がる旅の途中、急病で十八才の命を終らんとしての歌。逆縁ほど辛いものはないでしょう。我が肉体は「仮和合(けわごう)」、借り物なんですね。
しろがねも金(くがね)も玉も何せむにまされる宝子にしかめやも 
 山上憶良の有名な歌。拝金でなく子を宝とする健全な時代でした。安心して出産できる日本じゃないなんて、文明社会はどうなっているの。
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国宝の地蔵堂

2008-11-04 16:28:42 | 生かされて今日
 東京の建物でただ一つの国宝が東村山市にあり、地蔵祭に公開されると聞き出かけました。京急品川へ出てJRで、早大のある高田馬場から西武新宿線に乗り換えます。西武沿線はほとんど縁が無かったので武蔵野の面影や畑、街並を楽しみました。海の見える埋め立ての横浜とは雰囲気が違う気がします。
東村山とはなにかユーモアのはやり歌しか思い浮かばず、初めての駅でした。正福寺へのアクセスはいかにも畦道が元になる小道で、案内板も少なく迷いつつたどり着きました。
国宝なのでもう少し駅からの案内をしつかりしてほしいです。
屋台が並ぶ人ごみを抜けると、鳥が羽ばたくような屋根のお堂は素晴らしい。御参りする列がすでに門を溢れています。八代執権・北条時宗が開基。彼は19才で執権となりましたが、僅か33才で亡くなりました。2度の元寇が命を削ったのでしょうか。私と同じようなボランテァガイドが派手な帽子で活動されていました。
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政治権力と宗教団体

2008-11-02 06:44:21 | 生かされて今日
 「我々の支持母体は簡単に選挙日程を変えるわけにはいかないんです。日程が頻繁に変わるのは困る。選挙協力をやる上でもよく考えていただきたい」
毎日新聞の報道によると公明党は、早期解散を麻生首相にそう迫ったそうです。
国民が政治・国の暴走を止める防波堤は憲法です。憲法第20条は下記の通り。

『信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。』

国務大臣を出し、解散時期を左右せんとする宗教団体は、政党というダミーを使って最高の聖域である日本国憲法を侵していると思いませんか。報道機関、新聞や雑誌も不買運動におびえて沈黙するのは、憲兵を恐れて戦争を止められなかった戦前と同じだと思います。
小の為(金のため)に、理想・大義を捨てる商業主義一辺倒のマスコミは幻滅だ。ドイツのような「憲法裁判所」で、政治の逸脱を正す制度が必要だ。
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