四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

自信が失われる時

2017-05-31 06:41:34 | 元気を頂く言葉(庭野日敬師

 『新横綱の曙関は、横綱に昇進した初土俵で黒星を喫してしまった夜、何度も負ける夢を見て、汗びっしょりになって目が覚めたといいます。同じように、現・北勝海親方も新横綱の土俵で負けて、「このまま連敗したら引退しなければならん」という思いが胸をよぎったというのです。しかし、そのとき先輩横綱の千代の富士関(現・九重親方)に、「力があるから横綱になったんだ。強気でいけ」と言われて、ようやく平常心を取り戻すことができたといわれています。自分の才能への自信、積み重ねてきた努力によって得た自信が、一つのつまずきでガラガラとくずれてしまうことがあるのですね。それに、もう一つのものが加わらないと、本当の自信にならないわけです。

山田恵諦猊下は「自分の努力、まわりの援助、それに神仏のご加護が加わらなくては事は成らぬ」とおっしゃっておられます。背後で自分を見守り、押しだしてくれる力を感じたとき、自分が蓄えてきた力を百パーセント出しきることができて、信じられないようなことが可能になるのです。

自分のすべてをまかせられる帰依の対象を持つことによって、考えられないような不思議が起こるのは、そこなのです。』

 

庭野日敬著『開祖随感』より

 

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人間関係の基本は

2017-05-27 04:28:48 | 元気を頂く言葉(庭野日敬師

 『自分を産み育ててくれた親の恩に比べられるものは、ほかにありません。それを、ごくあたりまえのことのように考えたり、うっかりすると、親を恨んだりしている人がいるのです。しかし、心の奥の奥では、だれしも親の恩を感じない人などいないはずです。何かが、その気持ちを素直に表に出すことを妨げているのです。

 この、親の恩をかみしめることが信仰の出発点であり、幸せへの出発点だといってもいいでしょう。

親に心から感謝できるようになると、夫婦同士でも、互いに感謝できるようになってきます。子どもやご近所の人と対するときも、また会社の上司や仲間を見る目も違ってきます。人間としての軌道に乗ってくるわけです。親への感謝ができなくては、ほかのだれともうまくいくはずがありません。親への感謝が人間への信頼感を生み、それが社会の絆にふくらんでいくのです。

 最近、アメリカでも家族が見直されているそうです。家庭がくずれると社会の秩序までバラバラになってしまう、という苦い体験からの知恵だと思うのです。』

 

庭野日敬著『開祖随感』より

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布施する生き方へ

2017-05-23 07:29:12 | 元気を頂く言葉(庭野日敬師

 『内科学の権威である日野原重明先生によると、六十歳で亡くなられた人の脳を開いてみると、ふつうの人なら四分の一、よほど使った人でも、まだ半分しか使っていないということです。半分以上は白紙のままなわけです。

それをそのまま残したのでは、まことにもったいない。六十を過ぎると「あとは余生」と考える人が多いけれども、とんでもない。まったく新しいことに挑戦する出発の時だという心構えが大事だ、と日野原先生は言われるのです。

私が、世界宗教者平和会議の実現に取り組み、明るい社会づくり運動を提唱したのは、六十歳を過ぎてからでした。

ジェラール・シャンドリーという人が、「人の一生の終わりに残るものは、われわれが集めたものではなく、与えたものである」という言葉を遺されているそうです。その人の人生の究極の価値は、がむしゃらになって手に入れた地位でもなければ財産でもなく、どれだけ人さまに奉仕し、人さまに与え、遺すことができたかで決まるのだ、と言われているのではないでしょうか。』

 

庭野日敬著『開祖随感』より

 

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不都合は自分次第でプラスに

2017-05-17 05:38:07 | 元気を頂く言葉(庭野日敬師

 『法華経には、石を投げつけられようが杖でたたかれようが、一心に相手を拝み続ける常不軽菩薩(じょうふきょうぼさつ)の礼拝行が説かれています。そしてもう一つ、自分に仇をなす相手をもお師匠さんと拝む「提婆達多(だいばだった)が善知識」の礼拝行が説かれます。この二つの礼拝行を忘れずにいれば、信仰者として合格だと思うのです。

 「こうなってほしい」「ああなってほしい」と、自分にとって都合のいいことばかりを願っていると、それがことごとく裏目に出て、いつもしかめっ面でいなくてはならなくなってしまうことが多いのです。あれこれと心配ばかりしていると、その心配したとおりの結果になりがちなのですね。

ですから、どんなことが起ころうと、どんな人に出会おうと、「これが自分の修行課題なんだ」と心を決めてしまうのです。

 そう心が定まると、自分のほうの都合で、いい悪い、好きだ嫌いだ、と選り好みするのでなく、なにごとも向こうさま次第の考え方ができるようになってきます。やってくるものは、なんでも真正面から受け止めて全力を尽くせばいいのだ、と腹がすわってきます。』

 

庭野日敬著『開祖随感』より

 

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心もとない自信では

2017-05-11 06:47:07 | 元気を頂く言葉(庭野日敬師

 『ひと突きふた突きで土俵の外へ相手を吹っ飛ばしてしまうお相撲さんが、ちょっとしたつまずきで自信をなくすと、真っ暗闇のトンネルに入ったように、何も見えなくなってしまうことがあるといいます。手も出なければ足も出なくなってしまう。

大事なのは、負けが込んでもあくまでも自分の相撲をとり続ける精神力で、それには、「これだけ稽古をしてるんだから、大丈夫なんだ」という心の支えが必要だというのです。それは相撲だけではありません。

 どんな仕事でも、ふだん自信にあふれていても、その自信が土台から突きくずされるといった場面に、人生では幾度もぶつかります。そういうときに、自分で自分を信じる、いわば一本柱の土台がいかに心もとないものか、思い知らされます。

「自分にできる精いっぱいの努力をしたのだから、あとはおまかせしていれば、必ずお守りいただけるのだ」という、もう一つの支えができると、二本の柱でしっかりと立った土台ができてきます。そうなると、ちょっとやそっとのことで大きくくずれる心配はまずありません。』          庭野日敬著『開祖随感』より

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誰でも出来る布施を実行しよう

2017-05-06 06:44:15 | 元気を頂く言葉(庭野日敬師

 『心がどれほど体に影響するか、案外知らずにいる人が多いのではないでしょうか。庭野平和賞を受賞されたノーマン・カズンズ博士は、膠原病にかかったときに、「どんな患者も自分の中に主治医を持っている。それをどう引きだすかだ」というシュバイツァー博士の言葉を思いだして、「笑う治療法」で病気を克服されたのだそうです。

笑うと、血液の流れがよくなって、ウイルス感染から細胞を守るインターフェロンが働きだし、不快な顔になると、とたんにその流れが止まってしまうことが、最近の医学で分かってきたそうです。無理に笑うのでも、効果があるといいます。

確かに、どんな苦しいときであっても笑顔をつくると、心が明るくなってくるのですね。

いつも苦虫をかみつぶしたような顔をしている人がいますが、こっちが笑顔で接していくと、表情が和みます。布施の一つに笑顔で人に接する「和顔施(わげんせ)」があるのはご存じでしょう。

和顔施は、何がなくても、だれもが、いつでもできる布施行です。その布施で相手が心も体も健康になり、自分も健康になれるのですから、まさに「和顔施は人のためならず」です。』

 

庭野日敬著『開祖随感』より

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相手に合わす夫婦に

2017-05-04 05:29:59 | 元気を頂く言葉(庭野日敬師

 『結婚について、ある詩人がこんなことを言っています。「結婚して三日間は夢中、三年間は優しく愛し合うが、あとの三十年間はがまんのし合い。だが、互いに鼻につきだしてからの三十年間に、夫婦の本当の愛情がわいてくる」と。

 私の祖父は仲人の名人でしたが、「こんな娘を」「こんな婿を」と条件をつけられると、「そりゃ、わしの手に負えない」と断わるのです。「いくら相手に注文をつけてみても、一生のことは分かるものじゃない。夫婦というものは、こっちの出ようで相手はどうにでも変わるものだ」というのが、祖父の口癖でした。

 最近は「三高」などといって、女性のほうからも結婚相手にさまざまな条件を出すようになりました。しかし長い結婚生活は、身長が高くて、高学歴で、高収入でなどという外側の条件だけでなく、さまざまな条件が合わなくてはやっていけません。それが最初からピッタリ合う相手などいるわけがありません。

 互いに、相手に合わせてそういう条件をつくりだしていくのが結婚生活でしょう。合わせる心こそがいちばんの条件。それさえあれば、すべてが整っていきます。』

 

庭野日敬著『開祖随感』より

 

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