四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

上皇后美智子さまの歌

2019-08-23 10:39:25 | 歌の花束

気高き陛下は現代日本有数の歌人です。初めて民間から皇室に嫁がれ、因習の巣窟での摩擦でひとりご心痛いかばかりかと想像されます。一時お声が出ぬ苦しみの日々もありました。

上皇さまが皇太子時代、軽井沢でのテニスコートを通じて美智子さまを射止められた頃の御製。

 語らいを重ねゆきつつ気がつきぬ

        われのこころに開きたる窓

美智子さまを「こころに開きたる窓」と詠われる恋歌。よくぞ最高のやまとなでしこをご説得されました。

お母さん、正田富美子さまを詠まれた歌。

彼岸花咲ける間(あわひ)の道をゆく

          行き極まれば母に会ふらし

母堂をなくされてからの歌。自由に甘えることさえ出来ず懺悔が滲むとても切ない歌です。

次は夫君つまり上皇さまを詠まれた歌。

 遠白き神代の時に入るごとく

                               伊勢参道を君とゆきし日

 ご結婚を大神宮へご報告の日と思われます。

天皇としての重責を負われる陛下を案じておられます。

 ことなべて御身ひとつに負ひ給ひ

        うらら陽のなか何思(おぼ)すらむ

昭和天皇をしのばれた歌。

セキレイの冬のみ園に遊ぶさま

                               告げたしと思ひ覚めてさみしむ

今生天皇のご成婚を喜ぶ歌

 たづさへて登りゆきませ山はいま

        木々青葉してさやけくもあらむ

現皇后が愛子さまをご懐妊を詠う。

 いとしくも母となる身の籠れるを

        初凩のゆうべは思ふ

戦場慰霊の歌。

 いまはとて島果の崖踏みけりし

        をみなの足裏思へば悲し(サイパン島)

 慰霊地は今安らかに水をたたふ

              如何ばかり君ら水を欲(ほ)りけむ(硫黄島) 

アフガニスタン大仏の爆破を悲しむ。

 知らずしてわれも撃ちしや春闌くる

         バーミヤンの野にみ仏在(ま)さず

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JAL123便の悲劇

2019-08-13 14:08:30 | 生かされて今日
 今から34年前、お盆前の8月12日の夕刻、羽田発大阪伊丹空港行きの日本航空123便が墜落、520名の命が絶たれました。その日私は東京本社での営業会議が早めに終わり予定を早めて伊丹空港へ帰着しました。1、2便前の搭乗でした。
到着した伊丹空港が騒然とした人込みで何が起こつたのか分かりませんでした。その時は123便が交信不能でどこに消えたのか捜索中でした。羽田発の18時頃の便は出張帰りや単身赴任の働き盛りが多数でしたし、夏休み中でもあり帰省のご家族も多かったでしょう。お子様一人旅の少年もいました。私の妻と2人の息子は横浜の実家へ行っておりました。事故後、兄から帰りは新幹線にしろと電話がきたそうです。
 犠牲者の多くは一流企業の働き盛りの男性が多かったと思います。ダッチロールの長い地獄の中で、手帳や紙切れに決別の言葉を走り書きされたのには涙を禁じえません。会社での前途豊かな壮年がいかに怨みを抱えて亡くなったことでしょう。遺体の確認も困難で、体内に食い込んだ社章で分かったと松下電器の方に聞きました。私と同じ年代の方々で実に無念だった思います。有名な歌手、坂本九ちゃんも犠牲になりました。南無妙法蓮華経
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