四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

おおみそか

2007-12-31 08:41:01 | 俳句
 大晦日となりました。俗世間を離れた芭蕉翁も町の賑わいが気になっておられた様子で親近感がわきます。芭蕉翁の三句です。
♪何にこの師走の市にゆくからす   
     餌を求めてすっ飛んでゆくカラスを笑いながら、実は自分に残る俗物の残滓を叱っている作品。

♪年の市線香買に出(いで)ばやな  
♪めでたき人のかずにも入(いら)む老の暮  

私の駄作 
   年の瀬の押しよせてくる魚の市   駿
皆さまには健康でよき年をお迎えされますよう祈念いたします。GOOD LUCK
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客船入港日本一

2007-12-28 08:17:30 | 生かされて今日
 庶民にはまだ客船の旅は高嶺の花ですが、ゆとりあるスローな暮らしは大自然に溶け込む東洋人の理想郷です。現実はセカセカ、カッカ走り回る仕事がないと生きてゆけないですが。
今年横浜港が5年連続、客船の入港が日本一(2位は神戸港)となるそうです。なんせ世界中の港町、様々な人種や言葉につながる桟橋はロマンが膨らみます。
 テロや戦争、地球の破壊、非寛容な宗教戦争、世界の南北問題などから平和な共生できる地球を足元から創らないといけませんね。
歳末の店にはロシア、フランスなどからの美食が並び、モンゴルからは馬刺しが来ていました。三食いただけぬ国もあるのに金満のごう慢で行き過ぎた美食といえませんか。質素に簡素が一番だ。
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十二月の葬

2007-12-25 07:46:11 | 生かされて今日
 冬の満月、デザイナーの義兄の通夜、葬儀がありました。病に耐えて晩年、日本伝統の文芸である俳句に目覚め、あかざ俳句会でメキメキ頭角をあらわし第2回新人賞にかがやいたばかりでした。骨を犯す癌に抗すべく俳号は「多骨」と称しました。
読経の後、飯村寿美子主宰からの一句を捧げるために私が仏前に読み上げました。こみ上げてきて声が途切れました。

 哀悼  「彼岸でも句に遊ばれよ嶺に雪」 寿美子

今年私が戴いた多骨からの年賀状には、恵まれた4人の孫に自分の将来を見た句でした。
     「初日の出あまた瞳の赫(かがや)けり」  多骨
冬来たりなば春遠からずで、寒さに耐えて冬芽が輝いています。
  
    
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師走句会

2007-12-23 06:31:51 | 俳句
 冬の小雨になりましたが十五人が港の見える丘公園近くの横浜近代文学館の和室に集まりました。一年間無事の師走句会を喜び合いました。
 外人墓地にはクリスマスリースや献花が見られ、石川町や中華街は歳末気分のにぎやかさです。兄を亡くした私には異邦の国をさまよう気分です。
感銘句をご紹介します。
 ♪綿虫の飛ぶ高さいま日が落ちる  花子
 ♪冬の廊幾度も曲り納骨す     好子
 ♪「きてくれてありがとぢいちゃん」小春風  英子
 ♪大仏の懐に入る枯野かな     教子
 
私の句 ♪菊日和駅に手書の新ダイヤ  駿
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もみじばふう

2007-12-21 13:20:02 | 生かされて今日
 紅葉葉楓と書いてモミジバフウ。アメリカ東部からメキシコにかけてが原産の高木です。
見事な黄葉(もみじ)を見せてくれます。
 なんだか人間の晩年を輝かすお手本の様に感じます。力をふりしぼってさりげなく周囲を明るくしてくれる生き方に学びたいものです。
芭蕉翁の言葉に「松のことは松に習え。 竹のことは竹に習え」とあります。
紅葉は秋だけではないのですね。師走の冬もみじも美しい。
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昔陸軍今お役人

2007-12-20 06:20:57 | 生かされて今日
 奈良はさすがに歴史の重みを暮らしの中に感じさせます。志賀直哉旧居近くのおごそかな土壁には町内会の役員名が連なる小屋根の掲示板がありました。
少し傾いでいるのが古都の風情で、なんだかひげを生やしたかみしもの老人達を連想させます。
 国民年金問題の是正に無責任でトボケた発言の総理大臣には怒りを感じます。先の参議院選挙運動で安倍前総理が絶叫して公約した事を「選挙スローガン」だからと軽視する感覚は信じられません。
公明党も片棒をかつぎ行政改革で高級官僚にあやつられて、外郭団体の整理が出来ません。役人は国を内側からむしばむ癌細胞、政治家が長い眼で高度な判断が出来なければホント困りますね。選挙の洗礼を受けぬ官僚が権力を振るう民主国家はありえない。
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104歳

2007-12-18 06:31:22 | 生かされて今日
 薬師寺にはり出してあるポスターに上品な笑みをこぼされている老婦人は、8千巻の写経を納められていて、横浜在住のなんと104歳だそうです。
筆先に集中しないと出来ないであろう写経を8000巻とは凄いですね。その布施の功徳がこの笑顔となっています。尊さがセレブの条件でしょう。
 国民の血税をかくれて吸うダニもいますが、社会のためにコツコツお布施、仕事に励む善男善女のお蔭でまともな日本が支えられています。
目先の利害に右往左往する餓鬼の顔でなく、代議士はじめ日本社会の幹部は特に尊さが顔かたちにでる人であって欲しい。
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高田光胤さん(奈良の旅その6)

2007-12-16 17:37:57 | 俳句
 ♪五重塔舞ひ降りてくる小六月   駿
師走句会でめずらしく最高点を取り先生にほめられました。

「かたよらない心 こだわらない心 とらわれない心
ひろく ひろく もっとひろく これが般若心経 空の心なり」と、
有名な故高田光胤(こういん)師が修学旅行生や観光客に説かれ、全国から写経を納めてもらい薬師寺を再興されました。
妻は20年ほど前に求めた一巻に写経して納めました。8千巻も納めた百才のお婆さんが横浜に居られるそうです。
お坊さんの勧めで姉と妹が一巻づつ写経用紙を持ち帰りました。この五重塔は国宝で千年以上の風雨に耐えて見飽きない美しさです。空からやわらかく舞い降りた感じでした。
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新薬師寺(奈良の旅その5)

2007-12-14 14:41:02 | 生かされて今日
 昔、道に迷って行きそびれた新薬師寺は聖武天皇の眼病快復を祈願された光明皇后が建立した寺です。春日大社に近く、なで肩の優美な皇后をしのばせる本堂が、白いさざんかと共に静まり返っていました。丸い天平のいらかの色合いが微妙な淡い美しさで素晴らしい。私たちが今朝最初の訪問者じゃないでしょうか。寺の名は新しいではなく、「あらたか」、仏の霊験がいちじるしい効き目のあると云う意味だそうです。むろん本尊は薬師如来で、体内から発見された法華経は国宝です。
合掌して癌を病む兄のために、世界の病苦の人のために、家族の健康の為に祈願しました。お堂は薄暗くて骨にしみる底冷えです。如来をとりまいて国宝の十二神将がにらみを利かせ、当時のきらびやか豪華な色彩を想像しました。
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ふゆもみじ(奈良の旅その4)

2007-12-13 06:59:10 | 生かされて今日
 飛行機の窓から見た墓苑のある生駒山は全山冬紅葉でかがやいていました。秋は無論ですが、師走のもみじも目を見張る美しさですね。日本人に生れてよかったー。
 母の13回忌墓参のため東京から次男坊が日帰りで駆けつけてくれました。皆で持参した各地の小石を撒き写真、お菓子に花と香を捧げ、私が法華経の方便品と寿量品の二品を読誦しました。途中でおのが不孝を思い出し読み詰まりました。また来るからねー。

 ♪じんと読みさす墓前のお経冬ぬくし   駿
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鹿の苑(奈良の旅その3)

2007-12-12 09:11:08 | 俳句
 春日大社の灯篭群をめぐり、むかし興福寺の僧が行き来したという小道を下ると広広とした原っぱ、鹿苑に出ました。お釈迦さまが思索にふけられた印度の風景に似る感じです。芭蕉翁も歩かれました。 
 『びいと啼(な)く尻声悲し夜の鹿』  芭蕉(妻を求める鹿は秋の季題で、尻声とは語尾が上に引く音)
 バンビも混じりビッコの鹿もいましたので、車が走る道路が近いとひかれはしないかとハラハラして心配です。
 この辺は昔、京の天皇貴族を大いに悩ませた弁慶みたいな強訴の僧兵がうようよした荒っぽい歴史があります。平家の軍勢が攻め込んできて東大寺を焼き落としてしまいました。

♪鹿の音(ね)にかのひと思ふ奈良小春   駿
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あまのじゃく(奈良の旅その2)

2007-12-10 17:27:33 | 生かされて今日
 ひねくれたヤツのことを天邪鬼といいますが、東大寺大仏さんの裏にそそり立つ広目天(こうもくてん)に踏みつけられていました。なんとなくユーモラスな顔ですが、私達の108つの煩悩の象徴でしょうか。広目天は千里眼で筆と巻物を持つ仏法の守護神だそうです。

 ♪「相思(あいおも)はぬ人を思ふは大寺の
             餓鬼の後方(しりへ)に額ずくごとし」  万葉集

(私を見向きもしない彼を焦がれているのは、まるで餓鬼のお尻を拝んでるように絶望的だわ。1200年前の女性の失恋歌ですが、現代的ですよね。)


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奈良墓参の旅(1)

2007-12-09 15:54:24 | 生かされて今日
 母の十三回忌墓参で兄弟姉妹五人が奈良へ集まりました。大阪伊丹空港から奈良行リムジンバス車内で、たまたま鹿児島組と合流しました。博多からの姉とはホテルで遭遇、その他今回の旅では不思議好都合なお手配を頂きました。
 義姉は足が不自由なので、観光案内所で車椅子をお借りでき私が押して東大寺へ参りました。亡き母への懺悔の気持ちで初めて車椅子を押しました。世界遺産・国宝の多い奈良ですが、駅舎の上下の移動や道路や坂道、車椅子自体のレベルなどまだまだ弱者へのいたわりが遅れていると思います。正倉院や興福寺にも寄りました。
 奈良の市街は思ったより活気があり元気な風情でした。久しぶりに一堂に会した食堂の壁にはふるさと桜島の版画があり嬉しく驚きでした。小春日和に恵まれ冬紅葉の素晴らしさを認識した一日でした。
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最高の日

2007-12-08 07:09:26 | 生かされて今日
 今日は釈尊が悟りをひらかれた「成道会」(じょうどうえ)です。
お誕生日の「花祭り」、入滅された日「涅槃会(ねはんえ)」と三つが大切な法事の日となります。
釈尊の成道がなければ私達人間の人生は、真っ暗がりを行くようなものです。
「何時でも何処でも、誰にでも当てはまる真理」を、足の裏が板の様になり身もボロボロとなるまで私の為に遊行されたと受け止めております。
悟りの大恩と布教された大恩に感謝を捧げます。南無妙法蓮華経。
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みなとみらいの夜景

2007-12-04 07:43:37 | 生かされて今日
 帆船・日本丸も、コスモロック21の大観覧車も電飾がなされて華やいだ桜木町の師走です。忘年会もはじまりました。
明日は母の13回忌の墓参で奈良へ兄弟姉妹が集まります。大阪勤務が永かったし転勤族でしたので、日本の真中の奈良に墓を設けてありました。各地から小石を持ち寄り墓前に撒く計画です。私は小石に法華経の文句を書いています。
「恩は石に刻め」と云いますが、親のいる時にもっとやさしく出来なかった悔いが心のオリになってしまいました。
 ♪親もとを離れいくとせ雁渡る    駿
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