四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

塵は積もる

2006-12-31 07:22:52 | 生かされて今日
 年も押し迫り、ようよう部屋の掃除をしました。塵とほこりはなんでこう積もるのでしょう。自分の三毒の罪も、知らず知らずにうず高くなる如しです。三毒とは、貪欲と怒りと愚痴。
釈尊のお言葉「法句経」にいわく。
『その罪の熟すまで おろかの人は それを蜜のごとしと思い その罪まさに熟する日
彼ははじめて 苦しみをなむ』
 除夜の鐘は108種の煩悩とか。新年を豊かにする為にPlan Do See の順序を、先ず足元のSee(一年の反省)から。そして新年の計へ。
世界平和も個々の心、特に家庭での実行からと教えられています。


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岩船地蔵さん

2006-12-29 08:12:33 | 生かされて今日
 横浜の古道・金沢道に、栃木県にある高勝寺にご縁の船型台座の地蔵さんがおられます。江戸時代の享保四年(1719年)に地元中里村の篤志家八人が寄進されたそうです。
大変な遠方をものともしない古人達の篤い信心に驚きます。子授け、子育て、安産の霊力、効き目がある由。花が供えてありました。少産の時代に大いに活躍して頂きたいものです。
 この古道はペリー艦隊来日の頃に、若かりし伊藤博文が浦賀へ歩いたとの言い伝えが近くのお寺にあります。
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恋の嘆き

2006-12-27 08:56:41 | 歌の花束
 ♪由良の門(ゆらのと)を渡る舟人梶(ふなびとかじ)を絶え行方も知らぬ恋の道かも   新古今集 

由良の門は京都府宮津市にある川口。舟を動かす櫓が無くてどこへ流され行く恋なのだろうという、男の嘆きの唄。
諸行無常で明日も分らない人生ですもの。知らぬが仏の楽観、思い込んだ期待で行くしかないですね。過去は過ぎ去り、未来はまだ到らず、今をこそベストに重ねることになります。
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三代目の横浜駅

2006-12-26 07:12:25 | 生かされて今日
 温かいクリスマス、年の瀬の横浜駅西口の風景です。「汽笛いっせい新橋を」と歌われれ、日本で初めて蒸気機関車が走った初代横浜駅はここの場所ではありません。
現在の桜木町駅が初代の横浜駅です。関東大震災の後の二代目は、高島町にあり、現在の駅は三代目です。
今は写真の西口が賑わっていますが、開設当時は東口が繁華街で西口はうらぶれた駅裏、資財置き場の風だったそうです。
地上より地下街、ビルの中の街に人の大波がうねっています。
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出漁

2006-12-25 04:35:08 | 生かされて今日
 師走の空は鉛色が立ち込めてまだ午後三時ですでに暮色が始まります。英国の画家、ターナーの空の如しです。
漁師さんらしい方二人が、三浦半島から舟を出します。葛飾北斎の怒とうの海は凪いで、陸風も冷たくはありません。いかな釣果が期待できるのかな。
舟小屋は沈黙して人影もありませんでした。
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年の瀬の募金

2006-12-23 06:30:24 | 生かされて今日
 社会福祉協議会の街頭募金に参加しました。寒風の中を声を張り上げ駅前に立つと、恥ずかしさも消えて仲間同士率先して更に声が高まるものです。
日蓮聖人の辻説法の真似事です。去年は身体障害者施設へ車椅子などを贈呈して喜ばれました。
 えてして立派な身なりの方よりも質素な通行人が多く募金してくれます。幼児に硬貨を持たせてくれる若いお母さんやご老年の方のお布施をいただくと、その金額で測れない「尊い重さ」を感じます。
わが身を削るお布施は「慈悲」の実践です。因縁果報が真理ですからこの布施は必ず報いが生ずるでしょう。釈尊の托鉢(たくはつ)は自己の修行より、布施する功徳を周囲に与える慈悲の実践でした。

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キャベツの顔

2006-12-22 05:21:07 | 生かされて今日
 神奈川県三浦半島は広広とした台地で、大根など野菜やスイカやメロンなどの栽培が盛んです。もちろん相模灘の大海での漁業も有名ですし、葛飾北斎の版画も目に浮かびます。。
鎌倉時代は三浦一族が有力で、頼朝を支えた和田義盛もいました。気候温暖で眺めも良く、観光や田舎暮らしの穴場です。
 キャベツの中に入るとエリザベスカラーの女性に見つめられている感じでした。襟の高い西洋中世の貴婦人です。
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もう来ない年賀状

2006-12-21 06:14:23 | 生かされて今日
 今年いただいた年賀状をかたわらにすると、亡くなった方の賀状に手がとまってしまいます。幼なじみや同窓、俳句の仲間など・・・。
「赤毛のアン」も育ててくれたおじいさんと訣別のシーンに、涙が落ちました。

 ○もう来ない君の葉書や冬ごもり  駿

『人の生を受くるは難く、やがて死すべきものの、今いのちあるは有難し』法句経
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師走の空

2006-12-20 06:19:35 | 俳句
 いよいよ年も押し迫りました。2006年、平成18年もあとわずか、俳句の季語では「数へ日」、「年詰まる」、「歳末」などが実感されます。
今年のあなたの10大事件はいかがですか。福と厄とが裏と表に、あざなえる縄のごとしでしょう。来年の目標、「願」は今のうちに立てたいものです。
なんとなくセカセカする気分で近場ばかり見ていますが、大空がありますよ。

 ♪たたずめば大空のあり街師走   駿
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悲しいクリスマス

2006-12-18 18:16:47 | 俳句
 ♪しゃべれないので泣きますメリークリスマス   

過日の師走句会で最も感銘を受けました。事故か病気か高齢のためにしゃべることが出来ない悲しみを描いた思いやりあふれる句である。
七四八の破調が句材の重さ尊さから気にならず、どんなに辛い状況だろうかと想像されます。
下五の「メリークリスマス」がカラッとした表記で救われました。
 失ってはじめてあたり前が、あたり前でないことに気付かされます。
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死をみつめて生る

2006-12-16 05:03:12 | 生かされて今日
 中山法華経寺の奥の院。鎌倉を追われた日蓮聖人はここで100日間法を説かれたそうです。

『人の寿命は無常なり。風の前の露。かしこきも、はかなきも、老いたるも、若きも定めなき習いなり。されば先ず臨終のことを習うて後に他事を習うべし。』 身延にて57歳

 現在の家庭は身近な死からほど遠くなりました。私は病院でなく暮らす家で往生したいと思います。
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縄文人と弥生人

2006-12-14 05:43:57 | 生かされて今日
 房総風土記の丘の博物館に、我々の祖先である弥生人の顔が復元されていました。日本人のルーツは、土着の縄文人と朝鮮半島から南下した弥生人とのハイブリッド、混血という説が一般的らしい。牧歌的温和な縄文人が大陸の戦闘的弥生人に追い立てられたそうです。
目じりが二重とか毛深いとかなんとか斑があるとかその違いが云われていますがどうなんでしょうね。四十過ぎたら顔に責任を持てとは、リンカーンでしたか。鏡で己が顔を確かめましたが、責任までは・・・。
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激しい恋歌

2006-12-13 07:53:01 | 歌の花束
 『人言(ひとごと)を繁(しげ)み言痛(こちた)み 己(おの)が世に


未だ渡らぬ朝川(あさかわ)渡る』 万葉集  但馬皇女(たじまのひめみこ)


 夫ある身の恋する姫様の不倫のうたです。うわさが広がってうるさいけれども、初めて朝川を押し渡り逢いに行きますわ。更に一歩危険なレベルへ踏み出す激しさが感じられますね。現代の恋愛もリーダーシップは逃げないおみなのものでしょうか。
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荒行100日

2006-12-12 05:43:37 | 生かされて今日
 中山法華経寺では荒行堂で100日間娑婆から隔離しての修行が、来年の2月10日まで続けられています。午前2時半起床、3時寒水をかぶる水行(日に七回の水行)、読誦三昧、食事は朝夕梅干しとかゆの二食。睡眠時間2時間半の荒行とか。
知識や教養としての仏教でなく、人の魂を救う実践する行者として法を求める強い意志がなければ満願は果たせないでしょう。
全国から100人を越える僧が命がげの修行中で、気迫のこもる声が聞こえます。
 鎌倉幕府の武人に素手で立ち向かった日蓮聖人の捨身に近づかんと尊い努力には頭が下がります。このお堂には日蓮聖人が佐渡で書かれた国宝の、「立正安国論」「観心本尊抄」が納められています。南無妙法蓮華経
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研修バスの旅

2006-12-11 07:30:02 | 生かされて今日
 横浜金澤シティガイド協会では毎年、バスで史跡を巡る研修会を催しています。今回は千葉県の中山法華経寺から千葉風土記の丘へ参りました。好奇心たくましい熱心な男女42名が、ガイドの知識を磨くために参加されました。
 写真は明治32年建築の「旧学習院初等科正堂」を移築保存したものです。横板のあか抜けた壁で、明治人のしゃんとした姿勢が感じられました。

 ♪古墳縫う落葉に染まるひと日かな  駿
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