四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

日曜画家

2008-10-31 14:09:57 | 生かされて今日
 浄土式庭園の称名寺(横浜市金沢区)にはアマチュア画家が多く来られます。街の騒ぎから離れた清閑な時間を黙々と絵筆を動かしています。
土日はカンバスがくっくく程の盛況で、スケッチ愛好家にはまさしく無料で楽しめる浄土なんです。絵を描く趣味は優雅でうらやましいですね。
阿字ヶ池には冬鳥がみおを引き、亀たちは甲羅干し。瑠璃色のカワセミもいます。
 日曜画家たちの人だかりを覗き込むと、腕の立つ青年画家が取り囲まれていました。みな感心の体で参考にせんものと一心に筆遣いに見入っていました。

 ♪秋山をゆらし真鯉の来たりけり  駿
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国民を買収する愚行

2008-10-30 05:01:30 | 生かされて今日
定額減税、全世帯へ給付金で合意
 アメリカ発の金融危機、株の大暴落を受けて与党の自民・公明が議論もせずにただちに打ち出した大盤振る舞いはその場限りの大愚行だ。
「選挙に当選する為に、政治権力を維持するために」正になりふり構わぬ血税を使った国民の買収であり、そのつけは将来の大人、つまり子供や孫へ押し付けます。
現在でも国の借金は膨大な上に、今の自分さえよければと、将来へ借金をかぶせようとは誠にオソマツ幼稚な愚行である。良識ある政治家、役人は身を挺して反対してもらいたい。暮らしを守るとはシステムを変革することではないのか。はした金で血税を浪費する子供だましであり、自民公明の堕落を歎く者である。私たち国民もなめられたものだ。
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運慶のお宝発見

2008-10-28 05:14:01 | 生かされて今日
 横浜金沢区にある「金沢文庫」では大仏師運慶が最晩年に刻んだお像を展示中です。わずか21センチの明王(みょうおう)像で、体内に納められた願文(右側)が発見され運慶の作と分かったそうです。水牛に乗る憤怒のお像で仏敵を粉砕するパワーを秘めている由。この像は将軍家・源頼朝の子実朝の乳母であったつぼねが作らせたと書いてあるそうです。 鎌倉時代日本を統治した北条執権一族の北条実時は、鎌倉の外港六浦(むつうら)を支配し称名寺を建立しました。学問好きな殿様で内外から陶磁器、書籍、絵画や経文を集めて当時最高の図書館・金沢文庫を別荘のこの地に残しました。家康はじめ時の権力者にお宝をだいぶ横取りされましが、横浜で国宝があるのはここ金沢文庫のみです。是非かくれた名所へおこし下さい。
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那珂川の落ちアユ

2008-10-27 06:47:36 | 俳句
 那須の山並みを水源として、茨城県水戸市へ流れ込む那珂川は黒羽を南北に貫通しています。芭蕉翁の頃はその水運による経済、文化の花が咲いていたと書いてありました。ダムが無い分その水位は大幅に高かつたと思います。
 簗(やな)は杭や竹、岩石で流れをせき止め、魚を獲る仕掛けで、一匹太く大きなヤマメが打ち揚げられてもがいていたのを、網で掬って逃がしてやりました。
落ちアユが狙いなのでしょう。
 川はお米づくりの母胎、生活発展の動力で、故郷の思い出の源泉である。私のふるさと、鹿児島市には甲突川(こうつきがわ)が流れ、江戸時代の優美な石橋がかかっていました。
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温かい師弟関係

2008-10-25 06:32:17 | 俳句
 大関藩の家老、浄法寺図書(兄500石、29才)の屋敷址は、黒羽(くろばね)城址に続く丘にあり、うす紅葉が覆う素晴らしい空間でした。
左に加藤楸邨の書になる『山も庭も動き入るるや夏座敷』の句碑が見えています。同行した曽良によると「山も庭に」となっています。
大歓待され兄の屋敷に8泊、弟宅(448石、28才)に5泊、合計13泊14日も滞在しました。兄弟は江戸で芭蕉翁に弟子入りしていたそうです。じっと佇むとふたりの師匠への思いが滲むあたたかい秋日和でした。あてどなき旅先で人情がしみたことでしょう。
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芭蕉さんの雲巌寺だ

2008-10-23 05:45:42 | 生かされて今日
 320年前「おくのほそ道」の途上、大関藩の家老たちに歓待され、なんと14日間も滞在された栃木県の黒羽(大田原市くろばね)へ参りました。秋晴れのなか、「昔の文学少女」たち20人とバスでくりこみ、那珂川のやなでアユ尽くしの昼食を頂き、さらに山奥の雲巌寺へ。
ここは芭蕉さんが尊敬しておられた座禅の師・仏頂和尚が修行された岩屋があった禅寺で、翁と曽良は近在の若者達と一緒に11キロ歩いて詣でています。
うす紅葉の古刹は思わず深呼吸する深山の清き香りに満ちていました。
  『啄木(きつつき)も庵(いお)は破らず夏木立』
仏頂禅師のお徳により寺壊しのあだ名があるキツツキも遠慮しているよと詠いました。
 江戸深川に隠棲した芭蕉はたまたま近くの臨川寺に滞在中の禅師と仏縁を得、和尚の鹿島根本寺へ曽良を伴い月見へ出向いた紀行文が「鹿島詣」です。
  『月はやし梢(こずえ)は雨を持ちながら』 雨のため寝ていたら仏頂和尚に「月が出たぞ」とおこされたのでした。和尚は芭蕉より2才年上で、この寺で74才の長寿を終られました。
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サムシング・グレート

2008-10-21 05:13:25 | 生かされて今日
 麻生首相は20日午前、東京・南青山の霊園を訪ね、祖父の吉田茂元首相、ご両親の墓参りをされたそうです。墓石を清め、花束を手向けて、十字を切るしぐさをしながらお祈りをした由。目に見えざるものに畏敬を払うことは良い事である。大樹を支えているのは、土の中で肉眼には見えない根っこなのですから。
 まして重責をになう者が信仰を持たないのは信じがたい。自力のみでは責任は果たせないと思う。努力にプラスして親をはじめとする先祖、その先に存在する根源的宇宙のエネルギーの支えが必要である。サムシング・グレート、仏教では本仏釈尊を指します。
 私のいとこ夫婦の歩き遍路は1ヶ月を過ぎて香川県高松に達した模様である。私はただ感嘆するのみです。頑健に育ててくれた四人の親の支援を体感していることでしょう。当たり前に感謝できれば真理に近づいた証拠だ。キバレ!満願までもうすこし。

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お会式(日蓮忌)

2008-10-18 16:21:50 | 俳句
 鎌倉時代、はじめて名も無き庶民に法華経を布教された日蓮聖人は、晩年病を治さんと寒冷の身延山から下りられましたが途中東京大田区の池上で六十歳の生涯を終えられました。その忌日を「お会式(おえしき)」あるいは「御命講(おめいこう)」と云い、信徒は夜、うちわ太鼓を叩き万灯を押し立て、南無妙法蓮華経をとなえて行進し詣でます。
鎌倉幕府の武断権力に媚びずなびかず、堂堂たる大法師のご生涯を慕いハッピに褌姿などたいへん勇ましくパワフルな秋祭です。
みかどのおわす京の都では、経済力を握る町衆に強く支持された法華宗の祖の祭です。
 松尾芭蕉翁も次の句を詠まれました。
   『御命講(おめいこ)や
             油のやうな酒五升』

       ♪見物も太鼓に揺るる日蓮忌  駿
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かわいい俳人たち

2008-10-15 18:10:55 | 俳句
 半世紀を超える歴史を誇る「横浜俳話会」は、流派・師系のワクを壊した横断的俳句人の集まりです。毎年十月の祝日、体育の日に横浜俳句大会を開催し、今年はなんと53回目の俳句大会となりました。今年は1444句の応募がありました。
 青少年の部では小学生4人、中学生4人の方が壇上で表彰を受けました。両親や応援のお爺さんやお婆チャンもが列席して、家族の温かさが滲んでおりました。大人になっても継続して芭蕉翁の伝統を受け継いで欲しいものです。おめでとう。

 ♪たんぽぽのわた毛が空を散歩する  小4 沼澤瑠羽珠(るーじゅ)さん
 ♪かき氷ズキンとぼくをねらいうち  小6 海野圭介くん
 ♪夏空とつながっているぼくたちは  中2 河田那津子さん
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新潟唯一の国宝

2008-10-13 07:21:37 | 生かされて今日
 新潟県十日町市の名誉市民・庭野日敬師(明治39年~平成11年)はテンプルトン賞を授与された世界的宗教者で、ローマ法王や比叡山延暦寺の山田恵諦座主、中国仏教会の趙僕初会長らと手を繋ぎ世界宗教者平和会議を創設されました。立正佼成会を興した庭野日敬師の誕生地、十日町市で「生誕地祭り」が開催、全国多くの教会の弟子達がパレードに参加しました。
 時間を縫って十日町市博物館にあるという新潟県ただひとつの国宝・火焔土器を見に行きました。信濃川流域は縄文遺跡の宝庫だそうです。この火焔土器ほかの出土品は平成11年に発見されたばかりです。
祭礼に使用した煮炊き用の器のようです。凄く手の込んだ土器でまさに「火焔」です。
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ペットボトルの回収運動

2008-10-09 06:51:04 | 生かされて今日
 普段は焼却されるペットボトルのキャップを集めて、貧しい地域の子供へポリオワクチン等を送る運動に立正佼成会横浜教会が取り組み4ヶ月、10万個を突破しました。教会へ参拝される皆様のご理解で、食堂入口にある回収ボックスがあふれるのです。
ゴミ箱と間違えぬかと心配しましたが、さしてトラブルはありません。日常の暮らしの中に社会貢献がなじんでさりげない「布施」が溜まります。
 教会青年部では「アフリカへ毛布を送る運動」を応援しています。不要となった毛布の提供を広く呼びかけ、前回はタンザニアに部員が出向いて手ずから子供達にお届けしたそうです。寒暖の激しい現地では毛布は命を守る程の価値があるんだそうです。お釈迦さまは他人への「布施」こそが、確たる幸せをもたらす行動だと教えておられます。
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ありがとう王監督

2008-10-08 06:30:45 | 生かされて今日
 50年間日本のプロ野球界で奮戦されたソフトバンク・ホークスの王貞治監督が引退されました。「世界の王」の最終シーズンが最下位で終ったのは、意外ですがむしろ王さんが纏う悲劇的ヒーローにふさわしいのかもしれません。
背番号3、常勝巨人のシンボル長嶋の華やかさに比べて、地味でひたむきな王さんの方が好きな人は多いのではないでしょうか。「巨人・大鵬・卵焼き」(このフレーズも死語に近い)が嫌いな、へそ曲がりの判官びいきです。
 苦労人の野村監督から花束を渡されたことも王さんにふさわしい。巨人入団当時の初々しい背番号1やホームランを打ちまくった一本足打法の勇姿に王シフトが刻み込まれている私には、奥様を亡くされ胃を病んで痩せられたお顔は痛々しい。
半世紀に亘るご労苦に感謝をささげます。有難うございました、王さん!
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足摺岬へ夫婦の遍路

2008-10-05 08:48:33 | 生かされて今日
 我がいとこ夫婦の歩き遍路は、徳島県を突破して高知県の「最後の清流四万十川」を渡り足摺岬へ向うそうです。最大1日約30キロメートル、大変な荒行とビックリするばかり。決意をクリクリ坊主にして写真を送ってまいりました。絵葉書も奥様から頂きました。足の裏はマメだらけだと想像しています。
きっと夫婦の四人の親とお大師さんが後ろから押してもらって歩けるのでしょうね。
 功利的でお金が最大の価値という拝金現代に、夫婦で一歩一歩健康で歩ける「内なる幸せ」を求めるスタンスにちぎれんばかりの拍手を送るものです。
 光り輝くカボチャの如き、ご夫婦の実りの秋に期待します。
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じゃこう猫のコーヒー

2008-10-04 07:34:10 | 生かされて今日
 横浜の珈琲専門店で、奇妙なコーヒー豆が売られていました。麝香ネコは完熟のおいしい実しか食べないそうで、そのネコが排泄した豆だそうです。
「コピ」はコーヒーを指すインドネシア語、「ルアク」はマレージャコウネコの現地での呼び名、産出量が少なく、高価だそうです。
外皮を取り除き高温で焙煎してあるので、衛生面の心配はない由。
昔インドネシアはオランダの植民地で、獲れるコーヒー豆は全て奪われた為に現地農民が苦心して発見した豆だという。それを又現代の金満国が買い上げているんでしょう。
人間の嗜好が行きついた最先端の味なのでしょうが、どんな味なんだろう。

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秋ははかなき

2008-10-03 08:25:38 | 俳句
 すがすがしい秋日和に誘われて、自転車で大船の植物園に秋の花と薄もみぢを見に行きました。朝方はクーラーの中にいるような快適な秋そのものです。区をまたがる長いトンネルや坂道は自転車を引き約1時間20分ぐらいで到着。
睡蓮、コスモス、野紺菊やダリアなどの秋の花を堪能できました。秋芝に寝転びますと秋の空と一体となります。孫と遊ぶ老夫婦が楽しそうでした。展示室では盆栽のように小さな秋の花や木の実が、同好の士により飾られていました。
 秋の花は春や夏の花と異なり繊細で、頼りげない風情で、平安時代の貴族のお姫様の感じがします。秋の色は白とされ、冬や死への過渡期、無常をにじませるものとするのが日本文芸の約束です。月の明かりやローソクの揺れる明かりでは、虫の声もとてもさびしいものだったでしょうね。群れ飛ぶ蜻蛉も、いるのかいないのか頼りなげに光り漂うのです。
  ♪寝転べばとんぼの空に抱かれけり  駿
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