四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

皇后さまの歌(2)

2008-12-30 08:45:37 | 歌の花束
◎ご家族を詠う
 「彼岸花咲ける間(あわひ)の道をゆく
                行き極まれば母に会ふらし」  
 ・はじめて民間から皇室に嫁ぎ、私たちの様に自由に行き来できなかったお母さんを思うと悲しいですね。

 「母吾(われ)を遠くに呼びて走り来し
             汝(な)を抱きたるかの日恋しき」  娘・紀宮の思い出

 「初(うひ)にして身ごもるごとき面輪(おもわ)にて
                  胎動をいふ月の窓辺に」  秋篠宮妃を気づかう

◎私が最も感動した一首
  「知らずしてわれも撃ちしや春闌(た)くる
                 バーミヤンの野にみ仏在(ま)さず」
 ・アフガニスタンのタリバンが偶像崇拝だと爆破した大仏を思い出されたのでしょうか。「自分もタリバン同様に、仏を撃ったのでは」という自責の念に、篤き信仰者の謙虚なお姿を伏し拝みたいものです。
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美智子皇后さまの歌(その1)

2008-12-28 12:12:55 | 歌の花束
 心の枯れた国民の癒しである皇后陛下は、現代の有数な歌人でもあります。慌しい年の瀬、私が感動させられました短歌をご鑑賞ください。
◎慰霊・反戦の歌
 「いまはとて島果ての崖(がけ)踏みけりし
       をみなの足裏(あうら)思へばかなし」  サイパン島
 「慰霊地は今安らかに水をたたふ
       如何(いか)ばかり君ら水を欲(ほ)りけむ」  硫黄島
 「初夏の光の中に苗木植うる
       この子どもらに戦(いくさ)あらすな」

◎皇太子ご夫妻への歌
 「たづさへて登りゆきませ山はいま
       木々青葉してさやけくあらむ」    ご成婚
 「いとしくも母となる身の籠(こも)れるを
       初凩(はつこがらし)のゆふべは思ふ」  愛子さまご懐妊
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にわかクリスチャン

2008-12-25 07:26:41 | 生かされて今日
 日本人は異国の文化にアレルギーが薄いようで、よい面とおかしい面とが混在しています。良い事例としては、異国の宗教である仏教を国づくりの基本とされた聖徳太子の大英断で、十七条憲法により日本人の心の背骨となり芸術文化の基礎となりました。
幕末にペリーの異国船・黒船が来航した節も多くの平民農民達がこわごわ好奇心から小船で群がって来たそうで、新しモノ好きなのですね。
 反面明治政府の失政である西欧文化礼賛から、伝統的日本文化がおとしめられ多数の名品が海外へ売り飛ばされました。
 この頃のクリスマス商戦や馬鹿騒ぎ、住宅街でのハデな電飾、教会での結婚式へのあこがれやバレンタイン、カボチャのお面での騒きなどいかがなものでしょうか。商売に利用されているだけでしょうが軽薄な感じがします。
 世界基準とか云ってアメリカ流のドライな経営がもてはやされ、強欲礼賛弱肉強食を推進した挙句今日の大世界不況を招いています。小欲知足、私は遅まきながら日本伝統の素晴らしさにようやく気付けました。
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今年最後の句会

2008-12-20 21:28:22 | 生かされて今日
 師走句会と横浜中華街での忘年会に18人の仲間が集まりました。雇用不安・経済不況のじわじわ締め上げるムードの歳晩を忘れて五七五に集中しました。
何はさておき元気で俳句を楽しめることに感謝し合いました。
私の好きな句をどうぞ。
 ♪冬病棟ナースキャップにあるお洒落   綾子
    私の「この一句」です。厳しい病棟に灯をともす看護婦さんの心根に敬意をはら    い、称えたいと思います。又、おしゃれを発見した作者の詩人の視点に敬服。
 ♪冬枯や割り切る事の早くなり     明
 ♪笑ひ皺もつと刻まん初鏡       寿美子
 ♪還暦のかろき扉や明の春       恵美子
私の句
 ♪少年の太き吉書の躍りけり 
 ♪新人賞の句友の墓前しぐれけり
 ♪柿たわわ印相まねる夫とゐる
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師走の募金に

2008-12-17 13:03:01 | 生かされて今日
 今年最後の街頭募金は朝から冷たい雨で、横着な私は止めようと思いましたが妻に励まされてバスで金沢文庫駅へ。「明るい社会づくり運動」金沢区協議会のノボリを立てていつもの仲間がもう呼びかけをしていました。神奈川県議会議員の松崎 淳さんも参加されました。過日心臓の手術を受けたばかりの老女も氷雨の中参加され、奉仕は楽しいと立たれ敬服します。エコ・キャップ運動のために大袋のキャップを持参されて参加する方もおられました。
 高校野球で全国制覇した横浜高校の渡辺監督が立ち寄り募金してくれて握手しました。外人の宣教師らしい方やヤンキーな格好の金髪青年などせわしない駅頭で立ちどまって財布を取り出してくれました。「ご苦労さま」と声をかける人や、「こっちの方が金欲しい」とつぶやく人もいてさまざまです。
去年この団体は、横浜市社会福祉協議会と区協議会から募金活動と高齢者施設での奉仕活動により表彰を受けました。精神障害者支援の団体へも寄付をさせて頂いています。
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役人天国

2008-12-14 17:51:24 | 生かされて今日
 アメリカ発の恐慌が兆し、米国3大自動車メーカーさえ倒産の危機が懸念されています。日本でも株式がドーンと下がり、真っ先に派遣労働者や定時社員、中高年の解雇や新卒の内定取り消し、下請け企業へのしわ寄せが火焔のように拡がって不安を掻き立てています。
 まして、国を建て直す役目の政治が機能不全、官僚は無慈悲な税金浪費と民意に鈍感なる肥大化が続いています。
 国民年金や厚生年金をくいものにした自民党の厚生族議員、あろうことか国民をだましていた社会保険庁。
国家財政は大赤字なのに公務員の年収は民間に比べて高すぎ、減額すべきだ。更に退官後は地方のこっぱ役人でさえ天下りして、老壮年の転職を妨げているのです。雇用のパイが小さくなっているのだから、身を引いて職場を民間人に開放すべきだ。まさに小役人が日本の内なる病根で、それをコントロールできない政治にいきどおりたい。
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オールドタイマーの学習熱

2008-12-11 20:34:38 | 生かされて今日
 鎌倉女子大が主催する社会人向け講座は充実した講師と良心的価格とで毎年受講させていただいています。芭蕉の『野ざらし紀行』を読むの5回シリーズに参加しました。講師は上智大名誉教授で伝統俳句協会理事、横浜俳話会顧問の大輪靖宏先生です。
前回は『おくのほそ道』を先生に学びました。丁寧で分かりやすい解説とソフトな人柄でフアンが多く、今回も200人ほどもが講義に集中していました。先生によると現役の学生よりも老荘の学徒のほうが熱心だとおっしゃっていました。
 この女子大は昔の「松竹大船撮影所」址にあり、新しい綺麗な学舎です。孫のような学生は想像したより整然と真面目に講義を受けているのがガラス越しに見えました。
仲間と学食のランチを青空のデッキで食べ、青春に戻る感じでした。
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12月8日は

2008-12-09 18:12:42 | 生かされて今日
 12月8日は日本帝国海軍航空隊の真珠湾奇襲攻撃により太平洋戦争の地獄の蓋が開いた日です。また、2500年前にお釈迦さまが仏の覚りに到達された日であり、仏教の3大行事のひとつである成道会(じょうどうえ)の日です。
 仏伝には釈尊が悟りを開いた瞬間、『奇なるかな。奇なるかな。一切衆生ことごとくみな、如来の智慧・ 徳相を具有す。ただ妄想・執着あるを以ての故に証得せず』と、つぶやかれたと記されています。
人間は本来仏さまとおなじ悟りを得る可能性(仏性)をもっているが、度を知らぬ激しい欲望や錯覚妄想のために悪因悪果におちいり苦しみの海に漂流しているのです。ゆがんだ肉眼で見るために、自業自得なのですね。
   ♪千両や暁(あけ)の読経の帰り道  駿
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元気をもらう書道展

2008-12-07 05:39:10 | 生かされて今日
 すっかり黄葉した上野公園にある東京都美術館の書道展へ参りました。同時に開催のフェルメール展には長蛇の列で、1時間待ちのプラカードが出て混雑しています。
人垣を縫って句会仲間の女性の作品を見に行きました。彼女は師範をされているそうで俳句が典雅なかな文字で大書され、行きつ戻りつ鑑賞し写真に収めました。
相当な数の漢字と仮名の力作ばかりで、気迫がほとばしるようでした。別室には子供のコーナーがあり、溌剌たる元気を発散しています。「みつばち」は小学一年生です。役員の方に聞くと、書道の授業はあるけれど先生の技量が乏しく、又墨で汚れるので熱が上がらない由。更に中高校生になると受験勉強でおろそかになるのは残念なことだ。私の愛する俳句も同じで、日本の伝統文芸が継承しがたいのは遺憾だ。英語重視から国語を中心にした教育にすべきだ。国語は全ての学問、素養の基礎ですから。
 夕暮れの西洋美術館は電飾されてロダンの考える人や地獄の門を照らしていました。
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正岡子規記念球場

2008-12-05 06:32:16 | 生かされて今日
 ♪春風やまりを投げたき草の原  子規

黄葉に染まる上野公園には修学旅行の学生も多く、毎日がお祭りのような賑わいです。今まで知らなかったのですが「正岡子規記念球場」と称するグランドがありました。新しい石碑も出来ていて上の俳句が刻まれていました。
米国から野球が輸入された明治時代、普及に貢献したとして平成14年に日本の野球殿堂入りしたそうです。
彼の幼名は升(のぼる)、それに引っ掛けて野球(のぼーる)と号する程の野球好きだったのです。「打者」「走者」「直球」は彼の英訳によるそうです。
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師走の法事

2008-12-03 10:06:29 | 生かされて今日
 義兄の一周忌の法事には、底冷えの中を三十一名の有縁の方々が集まってくれました。福島や伊豆七島からも参列者がありました。
天真爛漫な人柄で68才の生涯でしたが、四人の孫も墓苑を駆け回り寒くても温かい墓参となりました。
 発病してから俳句に集中してメキメキ腕を上げ、兄弟句会も幾度か開きました。お酒も入る合評になると喧嘩にもなりましたけれど・・・。骨ガンでしたので俳号は「多骨」と称するお茶目ぶりでした。
 法事の会食の際、喪主代表・長男の挨拶に故人自慢の句が披露され、あかざ俳句会の仲間として嬉しいスピーチとなりました。義兄もまんざらでもネェなぁと云っている様です。季語は秋あかねでとんぼです。
    ♪山門をくぐるでもなく秋茜   多骨
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