県立金沢文庫の兼好法師展を見てまいりました。一般的には吉田兼好でおなじみですが「卜部兼好(うらべけんこう)」の方が正確らしいです。この方は約700年も前の生まれながら、『徒然草』を読むとかなりの合理主義者でトテモおもろい考えの方です。
鎌倉幕府が崩壊する動乱の世の下級貴族で、当時の和歌の四天王のひとりとされ、兄には比叡山座主や官僚がいたそうですが、昨今の研究ではその出自も疑いが持たれているそうです。
わが町、横浜市金沢区には称名寺と金沢文庫とがありましたので少なくとも二回は京から来て住んだことがあるそうです。だから棒切れを振り回して道をやって来る兼好法師のよき幻想を楽しんでいるので、あまり学問が進み今持っているイメージが壊されるのは厭ですね。
★長生きすると恥をかくから長くても40そこそこでくたばったほうがいいと言いつつ、自分はかなりの長寿でした。
★一番人生を狂わせるのは女の色香。久米の仙人でさえ洗濯女のすねを見て神通力が失われました。これは現代も当りですね。
★字のまずいやつでも筆まめはよろしいそうです。
★このごろお寺の名前に珍しき名を付けたがるのは教養がない。現代では子供の名前に珍妙で読めない名前が多すぎる。学校の先生に同情します。
★月は満月のみが美しいのではなく、欠けている満月前後がいいのだ。恋もしかり。この美的感覚は日本人の風流人に定着した。
★今を楽しまない人は、死が後ろに忍び寄っている無常に気づかないからだ。
★よき友は3つ。ものくれる友、医者、智慧あるひと。
★吉日や仏滅などのいわれに囚われるのはアホだ。
★女はどうしようもない生き物で、妻は持つべきではない。オイオイこれは言い過ぎでしょう。