『子どもにとっていちばん大事なのは、外から帰ってホッとできるぬくもりのある家庭です。
その家庭のぬくもりは、お父さんとお母さんの夫婦仲のむつまじさがあってこそ生まれてくるのですね。
一家の和合は、かりに奥さんがいたらなかったら、ご主人がかばってあげる。ご主人の足りないところは、奥さんが一生懸命につくろってあげる。
そうした支え合いがあって初めて、「互いに足りない者同士だから、二人三脚で人生を乗りきっていこう」という励まし合いが生まれてきます。そうして両親が心を一つにしている姿が、子どもになによりもの安心を与えるのです。
逆に、夫婦同士で、どちらが正しくてどちらが悪いんだと言い合い、「お前だけが頼りなんだから」と、子どもの頭をなでてあげても、子どもはうれしいはずがありません。
奥さんがご主人を立てる努力をしなければ、ご主人も奥さんをいたわることもせずに、いくら子どもに期待しても、子どもには重荷になるだけです。
夫婦仲が壊れてしまった家には、子どものいる場所がなくなってしまうのです。』
庭野日敬著『開祖随感』より