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ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

「読書の秋」

2007年10月08日 | 中学受験 合格力随想
「秋深し隣は何を読む…」、今回は「読書の秋」にちなんだ話題を。「えー読書?もう耳にタコができてるよ」という声が聞こえてきそうですが、しばしお付き合いを。

『文章を読んで意味を理解することと、文章を書く際の推論の仕方の点で、生徒が立派な成績を収めるか否かは、まったく本人の語彙次第です。語彙を十分に増やす方法は、読書以外にありません。本当にそれしかありません』―ある高校教師の談。

ここで皆さんは、立派な成績は語彙の多さに、語彙の多さは読書の量に比例する。「それは分かっているんですが……どうしたら子供に本を読みたいと思わせることができるか、それが問題なんです」とおっしゃるでしょう。3才までの読み聞かせが有効であることはよく知られています。しかし、その大切さに気付く時、ほとんどの方のお子さんは3才以上になっています。では、もう間に合わないのでしょうか。そんなことはありません。今からでもできることを二つほどあげてみましょう。

(1)親自ら読書にいそしむ
アメリカはニューズウイーク紙に、かつて「読書の上手な子どもの育て方」という記事が掲載されました。『もし親が、寝そべってテレビばかり見ているなら、子供もおそらくそうなるだろう。一方、もし子供が、楽しそうに本を読んでいる親の姿を目にするなら、親は読書の益について説くだけでなく、自分も読書を習慣にしているのだということを理解するだろう』。
「好き嫌いは許しません。ピーマンも残しちゃダメよ。もちろん、お母さんはきらいだから食べないけど」。これでは説得力がありませんね。親が好まないものはおいしくないもの、面白くないもの。子供がそう思うのも当然です。読書についても同じことが言えるでしょう。

(2)楽しんで読書ができるよう環境を整備する
時間的な環境を整備しなければなりません。テレビを見る時間を制限しましょう。子供は普通、読書よりテレビを優先するものです。制限しなければ、読書のための時間はまず残らないでしょう。
次に物理的な環境の整備です。静かな時間と静かな部屋、そして良書のつまった本棚。これらがそろっていれば、子供が本を読みたくなる確率は高まります。
最後に感情的な環境。無理強いしないことです。そもそも、いくら「読みなさい」といってもまず子供は読みません。ですから言うだけ無駄なのです。読むものと読むチャンスを与えたら、あとはじっと待ちましょう。

読書の益は強調しても強調しきれないほど大きなものですが、ご注意をひとこと。極端に走らないようにしましょう。テレビを完全に排除する必要はありません。テレビで見た番組に触発され、原作を手に取る子供もいますし、関連分野を扱った本に興味を持つようになる子供もいるからです。また、読書に没頭するあまり、周囲から孤立してしまうような事態も好ましくないでしょう。要はバランスです。ただ、この点で子供に裁量権を与えてしまうなら、望みどおりの結果にはなりません。手本を示し、環境を整備してやる。つまり、不言実行を合言葉にイニシアティブを取る。これがコツのコツかもしれません。


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