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ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

対象の総合化

2007年10月02日 | 中学受験 合格力随想
みなさんの前に、チョコレートのアイスと、ストロベリーのアイスがあるとしましょう。あなたは、どちらも同じくらい好きです。どちらも今すぐに食べたい。みなさんなら、どうするでしょうか。

(1) 二つをまぜて食べる。
(2) 今日は一つ食べて、明日もう一つ食べる。
(3) 友達を一人呼んできて、それぞれを半分ずつ食べる。

(1)だと、味がまざってしまって、それぞれのおいしさがわからなくなってしまうような気がします。(2)、これは悪くないと思いますが、今日食べたいので二つ買ったのに一つはがまんすることになります。もしかすると、明日は寒くてアイスどころじゃないかもしれません。誰かに食べられてしまう可能性だってあります。さてそうなると、(3)がいちばんいい方法なのではないでしょうか。量的にも一つ分は食べられますし、味も両方味わえる。おまけに友達と楽しくおしゃべりしながら食べることができるのですから。

これは心理テストではありません。(そうだと思いましたか?)受験学習を続けていると、論理的思考の一段階として「対象の総合化=主題と優先順位の把握」というものが必要となります。これはその一パターンで、二つの意見を出して「どちらの意見も大切だけれど、もっと大事なのは○○である。」というふうに、物事の奥底にある主題をみつける思考法の修得を目指すものです。

二つの意見が出ているわけですから、ついそれらをまぜたものを最後の主題にしたくなるのですが、これはアイスと同じでもったいない。なんとかして、二つの味をそれぞれに味わえる答えを出してみる。低学年からこのような思考のトレーニングをおこなうことは、中学受験時、社会・理科に近年増えている観察・実験・資料読解・グラフ把握等に大きな力になっていくことは言うまでもありません。

「友達を呼んでくる」というような、少し他の角度からものごとを見ることが大事かもしれません。



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