ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

たくさん願うということ

2015年10月26日 | 中学受験 行雲流水録

体の細胞は、常に新陳代謝をしています。新陳代謝の期間は場所によって異なり、皮膚は約1ヶ月、筋肉は2ヶ月、骨は3ヶ月と言われています。爪を怪我すると、その怪我のあとが根元からだんだんと先の方へ移動していきます。根元から先端まで行く期間が約6ヶ月と言われ流ことを考えれば、人間の体全体も、約6ヶ月ですべて新しく生まれ変わると言っていいのかもしれません。

ところで、脳は新陳代謝をしません。脳の細胞は生まれたときにできたままで新しく生まれ変わることはないからです。もし、脳も半年ぐらいで新陳代謝をしているのであれば、人間の知的能力や考え方もそれに合わせて変化すると言えるのでしょうが、そういうことはないのです。

しかし、自分自身の経験をふりかえると、何かの学習を始めてから、その成果が結果となって出てくるのにやはり6ヶ月ぐらいかかるようです。この仕組みについて、うまく解明されているわけではないのですが、少なくとも知性や感情への働きかけが脳細胞に限定されるのではなく、体全体の細胞の新陳代謝と関係があるということは言えそうです。

つまり、ここで考えていただきたいことは、なぜそういう仕組みになっているかということではなく、その仕組みを生かせばことがうまく進むのではないかということです。私たちは、よくいろいろな決心をします。いろいろな希望を抱き、目標を持ち、実現しようと努力します。しかし、たいていの目標は、半年もたたないうちにあいまいになり、熱意も薄らぎ、やがて忘れ去られていきます。それは、半年間継続する仕組みを作っていないからです。

逆に言えば、本当に実現したいことであれば、半年続ける仕組みとセットにして考えるということです。更に言うと、人生でいちばん大事なことは、そのセットの仕組みを最初に作るということです。その仕組みの秘訣が、私は朝御飯前にあると思っています。つまり、朝起きて、朝食を食べるまでの時間に、自分が実現したいことを決心し直すのです。決心し直すというのは、言葉にして改めて自分に言い聞かせるということです。その場合の決心はいくつあってもかまいません。物事の中には早めに実現しやすいものと、なかなか実現しにくいものがあり、たくさん決心しておいた方が、次々と実現していく感覚がつかめるものです。

その決心の中に、「世界中の人が平和で幸せに暮らせるように」ということを入れておいてもいいでしょう。世界中の人の幸せを願うというような決心は、単独に願うだけでは6ヶ月も続きません。しかし、ほかの自分のたくさんの願い事とセットにしておけば、毎日ついでに思い出すことができす。

たくさんの願い事を毎日続けていると、簡単なことからどんどん実現していきます。大事なのは、たくさん願うということです。少数の願い事に絞っていると、実現に時間がかかるので、そのうちに飽きて忘れてしまいます。本当に実現する時は、過去をふりかえってみると願い事が平均して半年ぐらいで形になって現れています。

もちろん、世界の人の幸せは半年やそこらではよくわかりません。しかし、願い続ける日々や願う人々が増え続けていくことが、大切なことなのです。



最新の画像もっと見る