goo blog サービス終了のお知らせ 

ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

下手の長糸

2014年12月16日 | 中学受験 行雲流水録

久しぶりの更新です。随分寒くなりました。今は自転車通勤をしているのですが、コートは欠かせなくなりました。

そんな昨日のこと。前々から危ないなあとは思っていたのですが、家に着くとコートの一番下のボタンが無くなっていました。自転車をこぐ方はお判りだと思いますが、ロングコートを着て自転車をこぐと、コートの一番下のボタンに結構負荷が掛かります。

家にあるストックのボタンを合わせましたが、23mmは有りませんでした。やむなく、四条まで出て手芸屋さんで23mmのボタンを購入しました。色目が多少違うので、前ボタン4個とも全て変更することにしました。購入後、事務所に戻り、さあ-と付け替えを始めましたが、糸が絡まってうまくいきません。

そんな時、母に昔言われた言葉を思い出しました。ウチは母子家庭でしたから、母が不在がちなので割と何でも自分でやっていました。そんな一コマの裁縫をしているとき、「ケンジ、裁縫の糸は下手の長糸っていうて、うまい人ほど短めの糸にして何度も糸を変えるンよ」と。

『下手の長糸』、言い得て妙です。裁縫に自信のないものほど何度も糸を通すことを億劫に思い、長目の糸にして、結局絡まり失敗してしまいます。自信のないこと、不慣れなことほどスモールステップで確実にクリアしていくべきだと言うことなのでしょう。

母には色々言われました。「貰うよりあげろ」、「笑うより笑われろ」、「リンゴはリンゴを動かして剥く」、「柿の木は登るな」…等々。思い起こせば様々に出てきます。これらは全て学校では教えてくれません。母の生きる知恵とでも言うべきものでしょう。今、自分自身の来し方を振り返るとき、私は母ほど自分の子どもたちに真の生きる知恵を伝えたという実感がありません。正に、「後悔先に立たず」。今しみじみ思う悔悟です。



最新の画像もっと見る