懐かしい人が尋ねてきました。10年以上前、講師としてフル回転してくれた彼。今は故郷で教職に就いています。向かって左手がその彼です。右手は当時の教え子。彼も来年から教師です。
思い返せば、熱意溢れる指導をしていました。ほとばしる熱情が多くの子供達を感化していきました。右手の教え子もそのひとり。彼を見るたびに教育とはまず教えるものの気持ちなのだという思いを新たにしたものです。きっと郷里でも熱い授業をしていることでしょう。
だから、教え子の中から後に続くものが生まれてきたと思うのです。そして、彼らはこれからも教育という現場で何百、何千という子どもたちを育てていってくれるはずです。そう思うと、京都の片隅の小さな塾から始まった一滴の講師の指導が一人の生徒を育て、その一滴が何百倍、何千倍の子どもたちをはぐくんでいくのです。素晴らしいことです。多少なりともウチの塾もお役に立ったかなと思える一事です。
教育の現場は確かに楽しいことばかりではないかも知れません。しかし、敢えて、好きで自分が選んだ職です。心のままに精一杯これからも羽ばたいてくれるはずです。冬期講習中のため、短い時間での対応だったのが悔やまれます。別れるときは不覚にも潤んでしまいました。懐かしい人が冬期講習を乗り切るエネルギーを冬空のもと運んでくれました。