保護者の方にとって、毎日同じことをさせるということは、簡単そうに見えて実は一番大変なことです。それに比べれば、目先を変えて次々に新しいことをさせていくことははるかに簡単です。例えば、今週はこっちのドリルをやり、それが終わったら、来週はあっちの問題集をやるというような学習は、割合簡単に続けることができます。しかし、本当に学力がついていくのは、同じことを毎日コツコツと続けていく学習なのです。それでは、この学習の仕方はどのようにして身につけてゆけばよいのでしょう。そのことを考える上で大事なことが二つあります。
第一は、やりやすい状況をつくることです。 まず自習する時間を決めておきます。それも、ただ決めただけではなく、その決まった時間が来る３０分ぐらい前にひとこと、「あと３０分で時間ですよ」と声をかけるのです。さらに、１０分ほど前になったとき、「あと１０分で時間ですよ」とまた声をかけます。このようにして心の準備をさせておくことで、時間がきたときスムーズに学習へと移行していくことができるようになります。
これは、ゲームをやめさせるときも同じです。突然、「もう時間だからやめなさい」と言ってやめさせたのでは、子供はなかなかそれに従うことができません。すると、「あと、もう少し」ということになり、保護者の方がその「もう少し」を認めてしまへば、決まったことでも守らなくても何とかなるという家庭の文化を作っていくことになります。
ゲームの時間を例えば３０分と決めておいたら、途中で必ず「あと１０分ぐらいで終わりですよ」と声をかけておきます。そうすれば、心の準備ができるので、決まった時間にすぐに終わることになります。仮に、ゲームの状況によってすぐには終えられないときでも、延長の時間はわずかです。
そして、できれば終了時に一言、「いつも時間が守れてえらいねえ」と褒めてあげてください。「成功させて褒める」は習慣作りの基本です。そこまでやらなければならないのか、という方もいらっしゃるかもしれませんが、子育ては大人の仕事と同じ。何ごとにおいても、褒めて育てることが基本中の基本なのです。
また、これも仕事と同じノウハウですが、いろいろなツールを上手に使うことです。時間制限でよく使うのがタイマーやアラーム。学習時間の１５分前にアラームが一度鳴るようにし、そこから１５分後にタイマーが鳴るようにしておけば、学習開始の時間がを守りやすくなります。さらに、このやり方は子供たちが慣れてきたら、自分自身でアラームやタイマーをセットし、時間管理の意識を植え付けることにも役立ちます。
第二は、例外を作らないことです。よく、できなかったことを叱る保護者の方がいらっしゃいますが、できなかったという状態ができた時点で、もうそれは失敗です。できなかったことを叱っても、できるようにはなりません。できない状態を極力作らないようにすること、つまり例外を作らないことが、いい習慣を作る大前提なのです。極論すれば、できない状態になりそうなことを決めるぐらいなら、何も決めない方がましだ、ということです。なぜなら、無理な約束をしてそれが守れない状態を作ってしまうと、保護者の方と子供達の約束に権威がなくなってしまうからです。
例えば、突然、朝１時間早く起きるという約束をしたとします。当然、そういう約束は二、三日で実行できなくなります。なぜなら、早起きの習慣など、そんなにたやすく身につくものではないからです。しかし、約束して実行できなかったという状態を作ると、子供は、約束というのは結局うやむやにしてもいいものだと思うようになります。いったん、こういう関係を作ると、他の約束も全て同じように守らなくても良いのだという精神構造になっていきます。
保護者の方の言うことをよく聞く子と、なかなかきかない子との差は、ここにあります。できない約束をさせて、できない状態を作ってしまえば、子供たちは親の言うことを聞かなくなります。親が、できない状態を極力作らないようにすれば、子供は保護者の方の言うことをよく聞くようになるのです。では、どのようにしたら例外を作らないようにすることができるでしょう。
第一は、決めたことを実行させやすい環境を保護者の方が工夫することです。第二は、できないときは、形だけでもやっておくということです。第三に、どうしてもできないときは、理由をはっきり言ってできないことにするということです。
例えば、毎朝自習をすると決めているのに、遅く起きてしまって時間がないときは、第二の方法として、「今日は時間がないから、５回だけ読んでおしまいにしよう」というような方法で対応します。このような臨機応変な対応は、子供自らではできません。やはり保護者の方が、子供たちの様子を見ながら無理なく実行できる枠組みを作ってあげることが大切です。
また、どうしてもできないときは、第三の方法を使って、理由をはっきり言っておくことです。「今日は、もう遅くなってしまったから、特別に自習はなしにしておこう」という言い方です。それも、いかにも不満そうに、「今日は時間がないから……」などと言うのではなく、にっこり笑いながら言わなければなりません（笑）。
子供たちにとっては学習をすること自体が、明日の自分自身を『生かす学習』となります。しかし、保護者の方にとってはにっこり笑って褒め続けることが、『いかす学習』となるのです。
第一は、やりやすい状況をつくることです。 まず自習する時間を決めておきます。それも、ただ決めただけではなく、その決まった時間が来る３０分ぐらい前にひとこと、「あと３０分で時間ですよ」と声をかけるのです。さらに、１０分ほど前になったとき、「あと１０分で時間ですよ」とまた声をかけます。このようにして心の準備をさせておくことで、時間がきたときスムーズに学習へと移行していくことができるようになります。
これは、ゲームをやめさせるときも同じです。突然、「もう時間だからやめなさい」と言ってやめさせたのでは、子供はなかなかそれに従うことができません。すると、「あと、もう少し」ということになり、保護者の方がその「もう少し」を認めてしまへば、決まったことでも守らなくても何とかなるという家庭の文化を作っていくことになります。
ゲームの時間を例えば３０分と決めておいたら、途中で必ず「あと１０分ぐらいで終わりですよ」と声をかけておきます。そうすれば、心の準備ができるので、決まった時間にすぐに終わることになります。仮に、ゲームの状況によってすぐには終えられないときでも、延長の時間はわずかです。
そして、できれば終了時に一言、「いつも時間が守れてえらいねえ」と褒めてあげてください。「成功させて褒める」は習慣作りの基本です。そこまでやらなければならないのか、という方もいらっしゃるかもしれませんが、子育ては大人の仕事と同じ。何ごとにおいても、褒めて育てることが基本中の基本なのです。
また、これも仕事と同じノウハウですが、いろいろなツールを上手に使うことです。時間制限でよく使うのがタイマーやアラーム。学習時間の１５分前にアラームが一度鳴るようにし、そこから１５分後にタイマーが鳴るようにしておけば、学習開始の時間がを守りやすくなります。さらに、このやり方は子供たちが慣れてきたら、自分自身でアラームやタイマーをセットし、時間管理の意識を植え付けることにも役立ちます。
第二は、例外を作らないことです。よく、できなかったことを叱る保護者の方がいらっしゃいますが、できなかったという状態ができた時点で、もうそれは失敗です。できなかったことを叱っても、できるようにはなりません。できない状態を極力作らないようにすること、つまり例外を作らないことが、いい習慣を作る大前提なのです。極論すれば、できない状態になりそうなことを決めるぐらいなら、何も決めない方がましだ、ということです。なぜなら、無理な約束をしてそれが守れない状態を作ってしまうと、保護者の方と子供達の約束に権威がなくなってしまうからです。
例えば、突然、朝１時間早く起きるという約束をしたとします。当然、そういう約束は二、三日で実行できなくなります。なぜなら、早起きの習慣など、そんなにたやすく身につくものではないからです。しかし、約束して実行できなかったという状態を作ると、子供は、約束というのは結局うやむやにしてもいいものだと思うようになります。いったん、こういう関係を作ると、他の約束も全て同じように守らなくても良いのだという精神構造になっていきます。
保護者の方の言うことをよく聞く子と、なかなかきかない子との差は、ここにあります。できない約束をさせて、できない状態を作ってしまえば、子供たちは親の言うことを聞かなくなります。親が、できない状態を極力作らないようにすれば、子供は保護者の方の言うことをよく聞くようになるのです。では、どのようにしたら例外を作らないようにすることができるでしょう。
第一は、決めたことを実行させやすい環境を保護者の方が工夫することです。第二は、できないときは、形だけでもやっておくということです。第三に、どうしてもできないときは、理由をはっきり言ってできないことにするということです。
例えば、毎朝自習をすると決めているのに、遅く起きてしまって時間がないときは、第二の方法として、「今日は時間がないから、５回だけ読んでおしまいにしよう」というような方法で対応します。このような臨機応変な対応は、子供自らではできません。やはり保護者の方が、子供たちの様子を見ながら無理なく実行できる枠組みを作ってあげることが大切です。
また、どうしてもできないときは、第三の方法を使って、理由をはっきり言っておくことです。「今日は、もう遅くなってしまったから、特別に自習はなしにしておこう」という言い方です。それも、いかにも不満そうに、「今日は時間がないから……」などと言うのではなく、にっこり笑いながら言わなければなりません（笑）。
子供たちにとっては学習をすること自体が、明日の自分自身を『生かす学習』となります。しかし、保護者の方にとってはにっこり笑って褒め続けることが、『いかす学習』となるのです。
