読書は、食事と同じようなものです。ある程度の食いだめはできますが、1日腹いっぱい食べたから、これで1週間は大丈夫というわけには行きません。小学生のころにたくさん本を読んだから、中学生のころはあまり読まなくても大丈夫かというと、そうではありません。やはり、本はその年代に応じて読み続けなければならないようです。
「三日書を読まざれば、則ち面目憎むべし、語言味なし」という言葉があります(宗代の書家、黄庭堅)。つまり、「三日も本を読まないと、人相が悪くなり、話すことや書くことに味がなくなる」というのです。これは、決してオーバーな話ではありません。中学生や高校生で、作文がなかなか書けないというとき、その原因は大抵本を読んでいないことにあります。数日間本を読んでいないと、文章力のある子でもやはりなぜか作文を書きにくくなるのです。私は生徒たちに、作文や小論文の試験に臨むときも今読みかけの本を1冊持っていくことをすすめています。行きの電車の中で本を読んでいると、意外とそれが生きてきます。
ところで、小学生のころには読むにふさわしい本がたくさんありますが、中学生や高校生になると、年齢に応じたよい本が書店ではなかなか見つからなくなります。中学生や高校生のころには、物語文だけでなく、評論文や随筆文を読む必要があるのですが、そういう本はあまり売れないので書店は置きたがりません。私は、以前まで「もっと図書館を利用しよう」と言っていました。しかし、今はインターネット書店という味方があります。アマゾンなどで、自分の関心のあるテーマを検索すると、読みたい本がたくさん見つかります。
考えてみれば、私たちはずいぶん便利な時代に生きているものです。家にいながらにして読みたい本を手にすることができます。しかし、この便利さが大きな読書の楽しみを奪っていることを忘れてはなりません。インターネット書店で本の購入をするとき、どうしても読みたい本・必要な本に偏りがちです。もちろんいつでも読みたくない本を買うことはないのですが、どうしても手慣れた本・なじみの作者を注文することが多くなります。それはそれで良いのです。しかし、本の持つ魅力の一つ『未知なる知との遭遇』はナカナカ起こりえなくなります。毎日通っている定食屋もいいけれど、旅先のふと入ったちょっと古びたホルモン屋が大当たり、ナンテことはインターネット書店では起こりにくいのです。
『読書の楽しみは漁書にあり』といった人もいます。古本屋であれこれいろいろな本を見比べ、走り読みし、悩み、手に取り、戻す楽しさ。これは読書の楽しみの一つです。昔、村の鎮守の秋祭り。出店の間を50円玉を握りしめて、あちこちのぞき込み、悩んでナカナカ買えない、はたまた買わない気持ちに通じます。子どもたちには、一回でも多くあの本への畏敬と憧憬の交じった高揚感を味わって欲しいものです。その経験は百万言の「もっと本を読みなさい」より有効です。
「三日書を読まざれば、則ち面目憎むべし、語言味なし」という言葉があります(宗代の書家、黄庭堅)。つまり、「三日も本を読まないと、人相が悪くなり、話すことや書くことに味がなくなる」というのです。これは、決してオーバーな話ではありません。中学生や高校生で、作文がなかなか書けないというとき、その原因は大抵本を読んでいないことにあります。数日間本を読んでいないと、文章力のある子でもやはりなぜか作文を書きにくくなるのです。私は生徒たちに、作文や小論文の試験に臨むときも今読みかけの本を1冊持っていくことをすすめています。行きの電車の中で本を読んでいると、意外とそれが生きてきます。
ところで、小学生のころには読むにふさわしい本がたくさんありますが、中学生や高校生になると、年齢に応じたよい本が書店ではなかなか見つからなくなります。中学生や高校生のころには、物語文だけでなく、評論文や随筆文を読む必要があるのですが、そういう本はあまり売れないので書店は置きたがりません。私は、以前まで「もっと図書館を利用しよう」と言っていました。しかし、今はインターネット書店という味方があります。アマゾンなどで、自分の関心のあるテーマを検索すると、読みたい本がたくさん見つかります。
考えてみれば、私たちはずいぶん便利な時代に生きているものです。家にいながらにして読みたい本を手にすることができます。しかし、この便利さが大きな読書の楽しみを奪っていることを忘れてはなりません。インターネット書店で本の購入をするとき、どうしても読みたい本・必要な本に偏りがちです。もちろんいつでも読みたくない本を買うことはないのですが、どうしても手慣れた本・なじみの作者を注文することが多くなります。それはそれで良いのです。しかし、本の持つ魅力の一つ『未知なる知との遭遇』はナカナカ起こりえなくなります。毎日通っている定食屋もいいけれど、旅先のふと入ったちょっと古びたホルモン屋が大当たり、ナンテことはインターネット書店では起こりにくいのです。
『読書の楽しみは漁書にあり』といった人もいます。古本屋であれこれいろいろな本を見比べ、走り読みし、悩み、手に取り、戻す楽しさ。これは読書の楽しみの一つです。昔、村の鎮守の秋祭り。出店の間を50円玉を握りしめて、あちこちのぞき込み、悩んでナカナカ買えない、はたまた買わない気持ちに通じます。子どもたちには、一回でも多くあの本への畏敬と憧憬の交じった高揚感を味わって欲しいものです。その経験は百万言の「もっと本を読みなさい」より有効です。