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ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

チョコレートの甘みと苦み

2009年10月18日 | 中学受験 行雲流水録
朝晩の涼しさに、秋の訪れを感じる今日この頃です。「天高く馬肥ゆる秋」という言葉どおり、最近やたらとお腹がすいてたまりません。そして、毎年、夏の暑さが過ぎると無性に恋しくなるのが甘いもの。特に、どら焼きと緑茶の組み合わせ。たまりません。ドラエモンみたいですけど…。

ビターなチョコレートを思わず買いたくなることもあります。ミーナ京都のゴディバのチョコレートドリンクも捨て難い。昔子供の頃、ロッテや明治の板チョコが出始めました。まだ学校に上がる前、クリスマスイブに祖母の家に泊まったら、枕元の靴下に明治のミルクチョコレートが1枚入っていました。ただそれだけなのに、うれしかったことを今でも覚えています。父のない子にもサンタはちゃんと来てくれました。チロルチョコというのもありました。結構気に入って食べていた記憶があります。そのせいか、今虫歯だらけですが…。

大人になった今でも、気分が落ち込んでいるときや疲れて頭がぼうっとしているときなどにチョコレートを食べると、元気が出て笑顔が戻ってくる気がします。山で遭難した人がチョコレートを食べて生き延びたという話も聞きます。また、チョコレートを食べてから陸上競技にのぞむと、「ヨーイ、ドン」からスタートまでの反応時間が短くなるという実験結果も出ているそうです。入試時のKitKatは今や必携品となりました。

チョコレートの原料であるカカオに含まれているテオブロミンには、疲労回復効果や、集中力や思考力を高めやる気を出す効果があるそうです。また、これはコーヒーなどに含まれるカフェインと同じ仲間でありながら、興奮作用はずっとやわらかいものなのだとか。勉強やスポーツの前にチョコレートで栄養補給というのは、非常に理に適っているのです。

ところで、日本のチョコレートの約7割が西アフリカのガーナ原産のカカオからできています。そのガーナの国の様子を以前テレビで見ていて、はっとさせられたことがあります。

カカオ畑で一生懸命に働いているまだ幼い子供たちに、「本物のチョコレートを食べたことがありますか?」と質問したところ、「見たこともありません。」と答えたのです。作っている当事者たちがこの美味しさを味わうことが出来ない現実。先進国がカカオを大量に買い占め市場を操作したため、値段が暴落してしまい、ガーナの人々はいくら必死に働いても生活が一向に良くならないそうです。憤りと伴に大きな矛盾を感じたことを覚えています。

エチオピアのコーヒーやケニアの紅茶も同じ状況。アフリカの国々は、先進国の嗜好品を作ることより、さらにどんどん貧しくなっていく、という状況に曝されています。日本のいたるところにあふれている食品が、その原産国の人々の口に少しも入らないこの現実を、経済格差という単純な言葉だけで片付けて良いのでしょうか。温暖化対策然り、先進国の傲慢さが垣間見えてなりません。

1枚のチョコレートの甘みと苦みに遠い国の人々の気持ちを色々考えさせられた、秋の夜長のひとときでした。


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