goo blog サービス終了のお知らせ 

ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

ユーモアと科学の融合

2009年10月03日 | 中学受験 行雲流水録
ノーベル賞の受賞はなかなか出来ません。しかし、もうひとつのノーベル賞なら、私はダメでも、ウチの生徒達が一人ぐらい受賞できるかもしれません。それは、「イグ・ノーベル賞」。

1991年から始まったユーモアにあふれ、科学への関心を高めた研究におくられる賞です。選考基準は、「人々を笑わせて、考えさせる」。お固いノーベル賞に比べて、ずいぶん親しみ易い賞のようです。ちなみに、ノーベル賞とは関係ないので、賞金はありませんが、ハーバード大学で授賞式があり、式にはゲストとして本物のノーベル賞受賞者の方も招待されます。

今年、その生物学賞に日本から田口文章北里大学名誉教授(72)が、『パンダのふんから分離した菌で生ごみの90%以上の減量に成功した研究』で受賞しました。パンダのふんを利用し、ごみを大幅に減らすという一石二鳥で地球環境に優しい視点が評価されたようです。

その研究内容は、ササを大量に消化するパンダの腸にササを分解する特別な菌がいるのではと考え、ふんに着目。上野動物園でパンダのふんをもらって研究を進めた結果、分解能力の高い菌を発見、家庭用生ごみで試したところごみの95%以上を水と 二酸化炭素(CO2)に分解することに成功した、というもので、現在、実用化に向けて研究継続中らしい。

田口氏は授賞式典前に、「科学的にはそれほど価値のない研究だと思っていたので、正直驚きました、パンダのふんは想像できないぐらい大量で…」と語って笑いを誘ったとのこと。ほかの受賞者には、獣医学賞に「名前を付けた牛の方が名無しの牛より 乳の量が多い」ことを発見した英国の大学の科学者2人などが選ばれています。

去年の化学賞にも日本人が選ばれたのですが、テーマはなんと「牛のふんからのバニラの香り成分の抽出」。つまり、牛のうんちから、バニラアイスクリームのにおいのもとの「バニラ」を取り出した、という研究です。笑いはもちろん巻き起こりますが、「え~!」となる研究です。これを知ってからはアイスを見たとき、思わず「牛のうんちにも……」と思います。ホント「イグ・ノーベル賞」は以前から、結構うんち好きです。

ほかにどんな研究があったのか調べてみました。まず、日本人の受賞テーマ…、
  「カラオケの発明」 
  「たまごっちの開発」
  「自動的に犬の言葉を人間の言葉に翻訳する機械の開発」
  「足のにおいの原因物質は何か」

「自分の足が臭いと思っている人の足は臭い、思っていない人の足は臭くない」のだそうです。答えだけ聞いていると、「なんだ」と思いそうですが、その答えに行き着くまでの、データ集めや実験が大変なのでしょう。

海外の受賞テーマの一例では…、
  「シーツにしわがいくしくみ」
  「なぜ、人々は、黒板につめを立ててこする音を嫌うのか」
  「集合写真を撮るときに、
   だれも目をつぶっていない写真をとるためには、何人いる場合で何枚撮れば確実かの計算法」
  「ニシンがおならでコミュニケーションをとっていることの発見」

なんだか、テーマを聞いただけで笑みがこぼれて、元気が出てきます。「研究」「発明」と聞くと、難しいことをしないといけないような気がしますが、発想を変えて、「楽しく過ごすためにはどうしたらいいか?」「これが解決したら、すっきりするんだけど…」と思えることを探していったらテーマが見つかりそうです。

まだ、世界の人が発見していないテーマは、たくさんあるでしょう。ウチの生徒たちにも未来の「イグ・ノーベル賞」を目指さして、研究して欲しいものです。もし、選ばれれば、アメリカでの授賞式参加の費用を出してもいいかなと思います。なぜなら、「イグ・ノーベル賞」の授賞式参加費用は全額自己負担らしいのです……アラアラ、貰ってからが大変かも(^_^)/。


最新の画像もっと見る