学力の基本は、読書・対話・愛情です。これらのことが適切に取り組まれていれば、学習の習慣は小学校低学年までについていきます。そのあたりのところをもう少し具体的に述べてみます。
まず第一の読書について。読書は、毎日50ページ以上読んでいくことを目標とします。もちろん、小学校低学年では、もう少し少ないページ数になります。生活の中で、何か機会があれば読書をするという形にしていきます。例えば日曜日、お子さんが暇になってすることがない、子供としてはゲームをしたい、というようなとき、読書を50ページしたらゲームを15分するというような提案を保護者の方がお子さんにします。読書好きになるのは、読む量が増えるからです。このように生活の隅々に読書を組み入れていくと、お子さんは必ず読書好きになっていきます。
学習は、よく学びよく遊べという形で進めていく必要があります。ゲームもさせない、インターネットもさせない、学習だけだらだらさせる、というようなやり方では、学力はつきません。そして何よりも、そのような生活が楽しい生活であるとはいえません。子供たちが小学生の間に、親子で、よく学びよく遊べの習慣を家庭生活の中に作っていくことが大切なのです。
第二は、対話のある生活。テレビにしろ、読んだ本にしろ、今日の出来事にしろ、親子での対話
を進めていきます。ここで気を付けたいことは、保護者の方は極力聴き手にまわるということです。お子さんにたくさんお話しして欲しいものです。
例えば、食事のときに、今度の学校の作文は何の題名かを聞き、その題名に合わせて、お父さんが、「お父さんが子供のころは、……」というような話をしていきますこの時にもちろん、お母さんの協力も大切です。お母さんが「なるほど」と関心を示したり、「私もそういうことがある」という似た話をしたりすれば話がはずみます。お子さんととご両親が一つの話題で話をはずませるという場を作ることができれば、お子さんの能力は必ず花開くはずです。
第三は、愛情。このことについては今更お話しすることはないでしょう。今そこに在るお子さんの存在そのものを受けとめてあげて下さい。