読書の目的は、読んで何かを知るだけでなく、読んだあと考えることにあります。そのためには、繰り返し読んでその本の内容を消化することが大切です。 再読の方法として、これまでは、読んだところで印象に残った箇所に傍線を引くというやり方がありました。しかし、この方法では、図書館などから借りた本には使えません。
そこで、小さな付箋を貼って傍線の代わりにするという方法が使われるようになりました。昔は、手ごろな大きさの付箋がありませんでしたが、今は7.5ミリ×45ミリや7.5ミリ×5ミリという小さい付箋があります。辞書引きなどに応用している学校もあるようです。
傍線を引くという読み方は、国語の問題を解くときにも当てはまります。教室の生徒の国語の問題の解き方を見ていると、どの子もきれいに読みすぎる傾向があります。自分で面白いと思ったところに線を引きながら読んでいくと、その線が目印となり、問題文を再読するときに必要な箇所を見つけやすいという効果があります。
私はこれをアイマークと呼び、評論系と小説系に分けて、3つずつアイマークを付けるべき事項を指示し、問題に当たらせています。こうすると読解力の劣る子でも、驚くほど設問への適切な対応ができるようになっていきます
このアイマークを入れるやり方は、選択肢を選ぶとき特に有効です。記述には多少能力の差が出ますが、選択問題では目の前のどれかが答えなのですから正しく対応すれば正解の確率が高まります。国語の点数が伸び悩んでいる子の殆どは、この選択問題への適切なアプローチができていないことが多いのです。
さらに、選択肢で自分が正誤の理由と考えたところに線を引いておくと、答案が返されたときに、なぜ自分がこの選択肢を選んだのかということがわかるので、テストを反省することができ、さらに理解が深まることになります。